006-029 残りは1割は一体…?
「次はここですかね」
「同じランドマークに降りた2つのパーティを壊滅させてすぐ、後ろから漁夫が来た時だね〜」
「はい。この時、Tomo先輩はすぐに2人の方に合流させたのに、葵さんは暫く物資を漁っていたじゃないですか?その理由を知りたいなって思って」
「あたしがすぐに合流しなかった理由か〜。まあ、単純に最悪の事態を想定しただけなんだけどね」
「最悪の事態?」
「そ。結果的にすぐに倒せたから、この行動はあくまでもあたしの杞憂に過ぎなかったんだけど」
「葵さんはどう言う事態を想定していたんですか?」
「相手の武器構成とか戦略とかがわからない以上、戦局がどう転ぶかわからなかったからね〜。例えば、K.A.I.が弾切れになって戦力が落ちたり、安地外耐久することになったり、移動しながら戦い続けたら別パに当たったり、とかね〜。だから、そうなっても良いようにある程度の物資を集めるのを優先したんだよ〜。運良くK.A.I.が1枚落としてくれたから、人数有利だったしね〜。物資が足りないまま雑に攻めて、決着が着かないみたいなことは避けたかったんだよ〜」
「なるほど。僕だったら、人数有利ってなった瞬間に、それこそ雑に攻めちゃってたかもです」
「目の前のパーティを倒せば、ゲームが終わる状況じゃなかったからね〜。その後まで考えて行動しないと。特に、初動からずっとドタバタしてみんなの装備が整ってない状況だったから、一旦落ち着ける状況になるまでは慎重に行かないとね〜」
「勉強になります。えっと、次はですね…」
「えっ、まだあんの?」
僕と葵さんだけの空間になっているこの状況に飽き飽きしたのか、you先輩はそう言った。
「あっ、次が最後です。えっと、このシーンですね」
「中央のランドマークで3つの敵パーティと遭遇した時だね〜」
「はい。ここで、ほぼ葵さんとTomo先輩の2人だけで、西側のパーティを壊滅してましたけど、そこについて確認したいことがありまして」
「うんうん」
「葵さんは蘇生してた2人の敵を倒した後、迫って来た2人の敵に対して、数発だけ撃ってすぐ撤退したじゃないですか?」
「そうだね〜」
「その数発の発砲って、敵から発砲を引き出すための呼び水ですよね?スモーク内で敵に発砲させて、場所が割れたところをTomo先輩に撃って貰おうとしたんですよね?」
「うん、そうだよ〜。目的の9割は、敵に発砲させるために撃った形かな〜」
「残りは1割は一体…?」
「敵の視線を誘導するためだよ。あたしだけが撃つことで、あたしの印象が強くなり、Tomoの印象が薄れるからね」
「なるほど。Tomo先輩のサポート能力を活かすための意味もあったんですね」
「1人だったら、視線の誘導は必要なかったんだけどね〜」
「流石に2人を1人で落とすとなると、死角からの奇襲が必要になるわけですね」
「そうそう」
「でも、そう考えると、また1つ疑問が出て来ますね」
「ん〜?何かな〜?」
「葵さんとTomo先輩、作戦会議みたいなことしてませんでしたよね?それなのに、どうして連携できたんですか?あんなに複雑な作戦だったのに…」
「それは、経験によって培った連携としか言えないかな〜。ね、Tomo」
「そうですね。言葉なんて交わさなくても、私と先輩は阿吽の呼吸ですから」
「すごいですね…。すご過ぎてちょっと引いちゃいます。あっ、質問は以上です」
「これでちょっとでもあたしの考えが伝われば良いけどね〜」
「まあ、最悪、これからの経験でカバーして貰うよ。この短時間でMoMoちゃんが先輩と同じ動きができると思わないし。部長もそう思うだろ」
やっと話が終わったと言わんばかりに、you先輩はTomo先輩に向けてそう言った。
「そうだね。私にとって先輩との共闘は特別なものだからね。MoMoとも一緒に戦いを重ねて良い連携ができるようになりたいと思ってるよ」
「はい。頑張ります」
かくして、感想戦(?)は幕を閉じた。




