表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日々原高校ゲーム部  作者: 名波 和輝
006 GW(2041)
35/83

006-014 これは…ッ!


【最終結果】

K.A.I.:10,000

Tomo:9,500

you:82,000

MoMo:-1,500


 終わってみれば、you先輩の圧勝だった。


 2位のK.A.I.先輩と7万点以上の差を付けている。


「さてさて、結局のところ、やっぱりオレが1着でMoMoちゃんが4着だったなぁ」


 嬉しそうに、you先輩はそう言った。


「それで。僕への命令は何なんですか?」


「ありゃ?やけに素直だね。もっとゴネるかと思ってた」


「勝負の結果ですから、受け入れますよ」


「立派な心がけだ。でも、勝負師の器じゃない」


「勝負師の、器…?」


「MoMoちゃん、最後の局、1着取るの諦めたろ?3着になればそれで良い。そんな気持ちだった」


「!見抜いていたんですか!?」


「ああ。勝とうと言う強さがない。ただ助かろうとしてた。博打で負けの込んだ人間が最後に陥る思考回路。MoMoちゃんはただ怯えていた。そんなんじゃ勝つことは当然できないし、それどころか生き残ることすらできない」


「確かに、you先輩の言う通りかも知れませんね」


「ま、でも、そんなに気に病むな。オレぁ玄人(バイニン)だからよ。素人のガキに負けるわけにはいかんのよね」


「ばいにん?」


「さ〜て、MoMoちゃんへの命令だが…」


「…」


 どんな理不尽な命令が飛んでくる…?


「保留にしようかな」


「保留、ですか?」


 身構えていた分、肩透かしを受けた気分になる。


「ああ、今、下したい命令もないしな。それに…」


「それに?」


「命令できる権利。これを保有していると言うだけで優越感があるから、今はそれで満足なのさ」


「性格悪いですね」


「あひゃひゃ、ありがとう。最高の褒め言葉だよ」


 かくして、第1回ゲーム部麻雀大会は幕を閉じた(第2回があるかはわからないけど)。


―――


「さて、少し早いけど、昼食にしようか」


 牌やら点棒やらを片付け終わって、Tomo先輩はそう言った。


「わかりました」


「オレ達は売店で飯買って食うけど、MoMoちゃんも付いてくるかい?」


「いや、僕は良いです」


「なんで?」


「いや、その、ちょっとあれなんで」


 昨日、一昨日とタイミングが合わず、僕は1人でお昼ご飯を食べていたが、それで良かった。


「まあ、MoMoが嫌がってるなら、無理に一緒に食べる必要ないんじゃない?わたし達だけで行きましょう」


「いやいや、別に『嫌』ってわけじゃないんですよ。ただ、その、ちょっと気恥(きは)ずかしくて」


「なんで?」


「だ、だって、先輩達、すごい綺麗じゃないですか。僕みたいなのが先輩達と一緒に食事して、同級生に噂とかされると恥ずかしいですし」


 そう。先輩達は皆、美形なのだ。


 K.A.I.先輩は、ザ・可愛い系。きっと廊下ですれ違って一目惚れした男も多いだろう。


 Tomo先輩は、イケメン枠。男女問わず心を奪っている(はず)だ。正直、Tomo先輩ファンクラブがあっても驚きはしない。


 you先輩は、俺だけが知ってる美少女ポジ。目の下のくまや猫背でパッと見は気付きにくいけど、よく見たら美人だ。口さえ閉じてれば、完璧に近いのだけど。


 そんな美形の3人と僕みたいな地味な奴が一緒にご飯を食べていたら、それは時空の歪みを感じるほどに異変(まみ)れの光景だろう。


「えっ?よく聞こえなかったわ。オレ達がなんだって?」


 聞こえているのに白々しい。


 こんな恥ずかしいこと、2度も3度も言えるか…。


「…」


 そう思った僕の顔に熱が(こも)る。


揶揄(からか)ってんじゃないわよ。MoMo、真っ赤になってるじゃない」


「MoMoが私達のことをそんな風に見ていてくれたなんて、嬉しいね。でも、そんなこと気にする必要はないよ。MoMoも充分に可愛らしいのだからね」


「それ、フォローになってなくない?ま、こればっかりはわたし達がどうこう言える問題じゃないし、MoMoの判断に任せましょう」


「そうだね。きっと私達ともっと親しくなれば、周囲の目線なんて気にならなくなるだろうからね」


「ねぇ、ねぇ、MoMoちゃん。オレ達がなんだって?」


「しつこい」


 K.A.I.先輩がyou先輩をチョップする。


 先輩達は、売店へと向かっていった。


 僕も自販機で適当にお昼ご飯を買った。


 それを食べながら。


 そう言えば、you先輩が言っていた「ばいにん」ってなんなんだろう?


 そう思った僕は、検索窓に「ばいにん 麻雀」と入力して検索する。


 !


 これは…ッ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ