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日々原高校ゲーム部  作者: 名波 和輝
006 GW(2041)
28/83

006-007 相討ちだった


「こっち、敵来ましたね」


 数分ぶりのマッチに関係する発言だった。


 第2収縮、第3収縮を同じ建物で過ごした僕達は周りの監視をしながら、ただ駄弁(だべ)っていた。


 それは、カジュアルマッチなんじゃないかと錯覚するほどだった。


 残り人数、残り部隊数は着々と減り、残るチームは5チーム、17人と言ったところだった。


「フルパ?」


「いや、そこまではわからなかったです。多分2人はいて、あの建物に入った感じです」


「向こうの方から銃声が聞こえるから、2パがやり合ってるとして、残り1パが何処にいるかだな。K.A.I.、MoMoちゃんが見つけた家の敵見張っててくんね?牽制(けんせい)がてら狙撃しても良いよ」


「了解」


「良いんですか?位置バレちゃいますよ」


「大丈夫、大丈夫。(むし)ろ、『ここにいるから、こっち来るな』のアピールになるし。こっち有利ポジだから、そうそう攻めて来ないっしょ。MoMoちゃんは、K.A.I.が見張ってた方向引き継ぎな」


「はい。わかりました」


 直後、銃声が(とどろ)く。


「1ダウン」


「ナイス。お、1パ減った。向こうでやり合ってたの終わったな」


 収縮が始まる。


「いた。あそこの岩陰に2人組だね。さっき逃した2人みたいだ」


「OK〜。それ、ハイドっぽいな。まあ、放置しておいて良いとして。あ〜、来たわ。さっき戦闘してた奴ら。フルパだな。よしよし。全部のパーティの場所、割れたな。そしたら、K.A.I.、あそこのフルパ、安地入れてないから、ハイドにぶつけるように弾いてくれ。で、MoMoちゃんは建物の敵の見張りしといて。部長はハイドがこっち来そうだったら弾いて、フルパとぶつかりそうだったら援護してあげて」


「了解」


「はい」


「わかった」


 こうなったら、you先輩の詰め将棋だ。


 そもそもこっちはK.A.I.先輩の安地読みが正確過ぎる所為(せい)で、有利ポジを取ってのスタートになっている。


 それに、you先輩の盤面操作が加われば、鬼に金棒だ。


 K.A.I.先輩が担当しているフルパは、安地に入れてないことを良いことに、K.A.I.先輩の格好の的になっている。


 本来なら、ハイド組と逆方向に移動することもできるが、K.A.I.先輩のスナイプがそれを許さない。


 僕の担当しているパーティは、先程、軽く顔を出した所をK.A.I.先輩にスナイプされたのがトラウマになったのか、全く顔を出して来ない。


 あ、フルパとハイド組の戦闘が始まった。


 K.A.I.先輩の射線の圧力と、Tomo先輩がサポートで、上手く人数差をカバーして、やり合ってる。


 銃声が聞こえて来れば、建物のパーティも様子見して来る。


 僕は彼らを撃って牽制した。


 まあ、流石にダウンは取れないけど。


 安地に追われているのもあってか、なんとフルパの方が壊滅した。


 ハイド組も1ダウン取られてる。


「K.A.I.、グレ」


「了解」


 K.A.I.先輩のグレネードは、容赦(ようしゃ)無く確殺する。


 残るパーティは3つ。


 岩陰にいる1人、建物にいるパーティ(おそらく3人)、そして、僕達。


 三(すく)みになって、状況は硬直する。


 しかし、状況はすぐに動き出す。


 第4収縮が終わり、最終収縮の中心がマップ上に示されたのだ。


 最終収縮の中心はランダムに決まる性質上、K.A.I.先輩でも、予想することはできない。


「うわ〜、きっつい安地」


 最終収縮の中心は、建物のパーティ側に寄ったものだった。


「どうしますか?」


「とりあえず、不確定要素の排除だな。ハイド潰すか。みんなグレ何個持ってる?」


「2」


「2個です」


「3個だね」


「全部で9個か。K.A.I.、何個あれば岩裏のハイドやれる?」


「3つか4つ」


「OK〜。とりあえず、MoMoちゃんのグレ、K.A.I.に渡して、K.A.I.に空爆して貰うか。で、仕留め切れなかったらMoMoちゃんに行って貰う感じで」


「了解」


「わかりました」


 早速、K.A.I.先輩の直下グレ空爆が始まる。


「20、50。やった」


 何度見ても、K.A.I.先輩の直下グレはチート過ぎる、


「OK〜。なら、後は、あいつらとのタイマンだな。人数有利ではあるが、流石にきっかけもなしに詰められんよなぁ。なら、オレと部長のグレを1個残して、K.A.I.に渡して、部長とMoMoちゃんで、あそこの岩裏取って貰うか。顔出して来たら、K.A.I.とオレで抑え付ける感じで。いや〜、グレだけ怖いな」


「はい」


「わかったよ」


「了解」


 僕とTomo先輩はすぐに行動を開始する。


 その僕達を敵は見逃してくれない。


 銃口を僕達の方へ向けた。


 瞬間、敵の1人がダウンする。


 K.A.I.先輩の狙撃だ。


 刹那、Tomo先輩がグレネードを窓から投げ入れた。


「70と30」


「詰めて!詰めて!」


 you先輩のその指示を聞いて、僕達は急いで詰める。


 1階にいた1人と僕が対峙する。


 僕のサブマシンガンの弾はほぼ全弾ヒットする。


 しかし、敵の弾もほぼ全弾僕に当たった。


 相討ちだった。


「相討ちしました」


「OK!後1人!後1人!」


 床が映った僕の画面に「CHAMPION」の文字が表示されたのは、数秒後のことだった。

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