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日々原高校ゲーム部  作者: 名波 和輝
006 GW(2041)
27/83

006-006 僕の近くの地面に着弾した


「ストップ。いるな」


 軽く雑談をしながら、移動していると、you先輩が話の腰を折ってそう言った。


 僕達は岩陰に隠れる。


「4人いるようだね」


 ここはランドマーク(マップ上の名前の付いている場所)とランドマークの間の場所。


 お互いに移動している状態で接敵した形だ。


 辺りには建物のような強い遮蔽はなく、岩のような弱い遮蔽しかない。


 チュンッ。


 僕の近くの地面に着弾した。


「気付かれた。けど、ぼくに比べれば大したスナイパーじゃないね。お返しだ」


 K.A.I.先輩は相手のスナイパーを一撃で黙らせた。


「MoMoちゃん、あそこまで展開して」


 you先輩はピンを刺して指示する。


「はい!」


 僕は言われるがままに、駆け出した。


 2発ほど被弾するも、僕は岩陰に無事入れた。


 このような弱い遮蔽しかない場所での撃ち合いでは展開は有効だ。


 お互いに正面からしか撃ち合わないと、ダメージを受けたら隠れて回復すれば良いので、戦いが長引いてしまう。


 しかし、展開して、射線を増やせれば、相手に回復の暇を与えないことができる。


 とは言え、こんなのは一般常識。相手は展開した僕に撃たせまいと僕の方に必死の牽制(けんせい)射撃をする。


 これじゃあ顔を出せない。


 そこに投げ込まれるグレネード。


「確キル入った。あと、50と20」


 K.A.I.先輩の直下グレは、蘇生を許さない。


 敵は(たま)らず、1ブロック下がった。


 これじゃ僕の方からの射線も通らない。


「MoMoちゃん、詰めて。部長はMoMoちゃんのいるところまで移動」


「はい」


「了解」


 せっかくのダメージも回復されてしまっては意味がない。


 僕は急いで敵の方へ駆け寄った。


 敵の銃口が僕の方へ向く。


「MoMoちゃん、下がって」


 発射される銃弾を何とか躱しながら、僕は逃げるように岩陰に戻った。


 そこには、Tomo先輩がいた。


 気が付けば、you先輩とK.A.I.先輩も前進するように移動していた。


 あ、これ、僕、(おとり)にされたんだ。


 そう気付いたけど、状況は良くなっているので、文句は言えない。


 と言うか、言ってる場合じゃない。


 敵の判断は早かった。


 僕らが詰める準備をしていることがわかると、全力で逃げに転じた。


 K.A.I.先輩が追撃するも、1人しかダウンを取れなかった。


「チッ」


「流石にプロ上位帯、逃げる判断早いなぁ。ま、キルポ2取れたし文句はなしかな。MoMoちゃんも良い動きだったよ」


「ありがとうございます」


「で、何の話してたんだっけ?MoMoちゃんは、女は性格ブスでも顔と身体さえ良ければ良い派って話だっけ?」


「そんな話、1mm(ミリ)もしてませんよ。えっと。確か…」


「漫画とかアニメの話だね」


 Tomo先輩のサポートが会話でも光る。


「そうでした。僕はTomo先輩と一緒で、漫画やアニメは(たしな)む程度ですね」


「そっか〜。オレは、パ…親父の影響で結構マンガもアニメも好きなんだよね。割と声優も好き。K.A.I.はあれだよな?ソシャゲの影響で声優に詳しくて、推しの声優が出てるアニメとか、話題のアニメは見てる感じだよな」


「ああ、その認識であってるよ」


「だよな〜。だから、話が合う人が親父しかいないんだよなぁ。K.A.I.とは微妙に趣味が被ってるようで被ってないからな」


「今度、オススメのアニメでも教えてくださいよ。サブスク登録してるサービスで見れるやつなら見るんで」


「マジ?これは随分と有望な新人が入って来たな」


 あ、そんなワクワクされると心苦しい。ちょっとした社交辞令感覚で言っただけなんだけど。


 こんな会話をしながら、僕達は移動を続けた。


 あれ以来、接敵することもなく、僕達は目的のポイントへと到着した。

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