表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日々原高校ゲーム部  作者: 名波 和輝
003 日常(2041/04)
14/83

003-004 この先輩、本当に最悪だ


 コンコン。


 僕は生徒会室の戸をノックする。


「どうぞ」


 Tomo先輩の声だ。


「失礼します」


 僕は(ひか)えめな声量でそう言いながら、戸を開けた。


「おや?MoMoじゃないか。どうしたんだい?」


「Tomo先輩が雑務で部活に来れないって聞いたので手伝いに来ました」


「そんな。私のことなど気にせず、3人で遊んでいてくれて構わないのに」


「いえ、月末の大会に向けて、Tomo先輩と一緒に練習したかったので」


「そうかい。そう言うことなら、ご厚意(こうい)に甘えて、手伝って貰おうかな」


「はい!何をすれば良いですか?」


「そうだな。まずはこの棚の整理を手伝って貰えるかな?」


「わかりました」


 僕は、棚を整理しているTomo先輩の隣に立った。


 Tomo(トモ)先輩。犬飼智(いぬかいとも)先輩。


 黒髪ポニーテールで、スタイルが良い。


 身長は、僕より10cmくらい高いくらいなので、170cmいかないくらいだろうか。


「それにしても、助かったよ。1人で片付けられない仕事ではないけれど、複数人でやった方が早く終わるからね」


「他の生徒会の人はいないんですか?」


「ああ、他のメンバーも部活だったり、用事だったりがあるからね。かく言う私も、普段は自分の仕事がなければ、部活に参加しているわけだから、お互い様なんだよ」


「なるほど」


「ところで、部活の方はどうかな?まだ2週間も経っていないけれど、馴染(なじ)めているだろうか?」


「はい。皆さん…、皆さん、良くしてくれるので」


 一瞬、下品な言葉で罵倒(ばとう)してくる()()()先輩が脳裏に浮かんだので、僕は言い(よど)んでしまう。


「…まあ、youも根っからの悪人ではないから、普段の言動は多めに見てくれると嬉しい。あれは私達に甘えているだけなんだよ」


 僕が言い淀んだ理由を察したTomo先輩から、そんなフォローが入る。


「いえ、あっ、はい。you先輩のことは、一応は尊敬はしているんですよ。ゲームのスキルだけで言ったら、その辺の配信者くらいなら、軽く凌駕(りょうが)しているレベルですし」


「そうだね。youなら、ゲームの腕前だけで食べていけるだろうね」


「まあ、あんなに口が悪い人に配信者やプロをやらせたら、(たちま)ち大炎上でしょうけどね」


「確かに。間違いないね」


 談笑。


「配信者って目線で見るなら、K.A.I.先輩も活躍できそうですけどね。あんなに好き好んで縛りプレイしている人も珍しいでしょうし」


「K.A.I.自身は縛りプレイしている認識はないからね。…!危ないッ!」


 どんがらがっしゃーん。


 それは、僕達が整理していた棚の上から、物が落ちた音だった。


 僕が先程まで立っていた場所にそれは落ちていたが、僕は怪我(けが)1つしていなかった。


 Tomo先輩が僕を抱き寄せてくれたおかげだ。


「ッ!」


 急に抱き寄せられ、体勢を崩した僕の顔は、Tomo先輩のふくよかな胸に(うず)まっていた。


「大丈夫かい、MoMo!」


「はい!大丈夫です!ごめんなさい!」


 僕は慌ててTomo先輩から離れる。


「そんなに前屈(まえかが)みになって、何処か怪我をしたのかい?」


「あっ、いえ、あの、大丈夫なんで。すぐ治まるんで。気にしないでください」


「…ぁ。そ、そうかい。怪我がないなら何よりだよ」


 Tomo先輩は顔を少し赤らめてそう言った。


 うわうわうわ〜。最悪だ。


―――


 その後、生徒会の雑務を終えた僕達は、部室へと移動した。


「本当にありがとう。助かったよ」


「いえいえ、これくらいのことだったら、いつでも手伝いますんで、また呼んでください」


「ああ、ありがとう。頼りにしているよ」


 ガラガラ。


 部室の戸を開ける。


「おっ、MoMoちゃ〜ん!部長!生徒会の仕事終わったん?」


「ああ、MoMoが手伝ってくれたお陰で、予定よりも早く片付いたんだ」


「そいつは良かった。ん?MoMoちゃん、何か良いことでもあった?」


「えっ、何でですか?」


「いや、何か、おっぱい触れた童貞みたいな顔してるから」


「…」


 この先輩、本当に最悪だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ