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日々原高校ゲーム部  作者: 名波 和輝
003 日常(2041/04)
13/83

003-003 な、何のことですか?


「書き終わったのかな?MoMoちゃん」


 僕は書いた紙を裏返して机の上に()せた。


「はい!」


「じゃあ、当てちゃうよん。う〜ん。…167341」


「ッ!?」


 僕が書こうと一瞬だけ考えた数字をピタリと言い当てられ、驚いてしまう。


 危ない。あのまま書いていたら、当てられていたことだろう。


「いや、違うな。…。…なるほど。MoMoちゃ〜ん、それはズルいんじゃないの?」


「な、何のことですか?」


「ふ〜ん、しらばっくれるんだ〜。良いよ、答えてあげる。MoMoちゃんがその紙に書いたのは、ズバリ『π』だね!」


 そう言って、you先輩は裏返された紙をめくった。


 そこに書かれていたのは、「π」。


 you先輩は僕の心を読みきったのだ。


「何で、わかったんですか?」


「何でも何も、わかるものはわかるのさ。ま、大方、整数に、分数、小数、どれを書いても読まれると思ったから、0〜9の数字を使わないπを選んだんだろ?円周率は数学定数だ。反則スレスレだけど、一意の数に決まる以上、数字って認めてあげても良いかな」


「…降参です」


「あっ、もしかして、さっきおっぱいの話、してたから、πって書いたのかな?なんて。あひゃひゃひゃ」


 you先輩はご満悦(まんえつ)だ。


「それにしても、Tomo先輩遅いですね」


「新学期始まったばっかだし、生徒会業務が忙しいんだと思うよ。まあ、今日は、庶務の子が休んじゃって、代わりに雑用を片付けるそうだから、『今日は部活に行けない』って言ってたけど」


「そう言うことなら、僕、手伝いに行ってきます」


「部外者のMoMoちゃんがわざわざ手伝い?」


「月末の大会に向けて、一緒に前線を張るTomo先輩と練習する時間をなるべく多く取りたいんですよ」


「なるほどね。ま、オレはゆっくり部室で待ってるわ。K.A.I.も行かないよな?」


 you先輩はぐりんと首を回して、K.A.I.先輩の方を向く。


「え?そう言うことなら、わたしも行こうと思ってるけど」


「え〜、オレ1人〜。そんなこと言わずにさぁ、K.A.I.はオレと待ってようぜ。それに抜けた穴が1人なのに、2人も3人も手伝いに行っても邪魔になるだけだって」


「はぁ。しょうがないわね。MoMo、あんた1人にお願いしても良い?」


「あっ、はい」


「わたしは、この()()()()赤ちゃんのお()りしておくから」


「『でっかい』って、おっぱいの話?K.A.I.は、ぺったんこだもんな。あっひゃっひゃっ」


「…やっぱりわたしも行くわ」


「あ〜!!ごめん!嘘嘘、冗談!」


 こんなやり取りをしている2人の先輩を部室に残して、僕は生徒会室へと向かった。

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