表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日々原高校ゲーム部  作者: 名波 和輝
003 日常(2041/04)
12/83

003-002 例えば、167341とか?


「お疲れ様です」


 僕は、いつも通り部室の戸を開けながら挨拶をする。


「おっす、おっす。MoMoちゃん」


 you先輩はいつも1番に部室にいる。


 部室に来る順番は、「you先輩 > 僕 = K.A.I.先輩 ≧ Tomo先輩」って感じだ。


 今日はどうやら、K.A.I.先輩より僕の方が早かったらしい。


 僕が定位置に座ったタイミングで、K.A.I.先輩も部室に入って来る。


「お疲れ様です」


「うん、おつかれ」


 そう言って、K.A.I.先輩も定位置に座る。


 そして、ウェアラブル端末を開いた。いつものソシャゲのスタミナ消費をするのだろう。


「MoMoちゃん、何する〜?クラシスでもやろっかぁ?」


「良いですよ」


「じゃあ、()けちゃう?MoMoちゃんが勝ったら、おっぱい触らせてあげるよ」


 you先輩は、胸を左手で持ち上げて強調する。


「やりませんよ」


「え〜、今ならMoMoちゃんは何も賭けなくても良いサービスも付けちゃうよ〜。ノーリスクでおっぱい触れるチャンスだよ。童貞君にはありがたい提案じゃない?」


 僕にとってノーリスクハイリターンと言うことは、you先輩にとってはハイリスクノーリターンなわけで。


 それってつまり、触られたいってこと?


 えっ、この人、もしかして…。


「「痴女(ちじょ)なんですか?」」


 you先輩と僕の声が重なる。


「あひゃひゃひゃ。MoMoちゃんの心、ココにあるぜ」


 サムズアップした右手の親指で、トントンと自身の大きな胸を軽く叩きながら、you先輩はそう言った。


「何言ってるんですか?」


「わかるさ。すぐにな」


 僕はエース、you先輩はケイを選んでゲームが始まる。


 カウンター、カウンター、カウンター。


 (つか)みを(はさ)んでカウンターと、僕の攻撃は一切you先輩に届かない。


 逆に、こちらがカウンターをしようとすれば、掴まれ、掴もうと思えば、攻撃される。


 そんなわけで、全く太刀打ちできずに、僕は敗北した。


「…」


 絶句した。


 この間のK.A.I.先輩の即死コンボを受けた時は、「まあ、即死コンボなんだから、一撃目くらったら、そのまま撃墜されちゃうし仕方ないよね」と、心の中で言い訳して何とか平静を(たも)ったが、今回はそうできなかった。


 僕が違う選択さえしていれば、you先輩にダメージを与えられていたと思うと、シンプルに悔しい。


 と言うか、即死コンボでもないのに、相手に1ダメージも入れられずに3回撃墜なんて、普通できなくないか?


「ね?」


 満足そうな笑顔でyou先輩はそう言う。


「何がですか?」


 その笑顔にイラッとしながら、僕はそう返す。


「MoMoちゃんの考えは全てお見通しってこと。言ったろ、ゲームが始まる前に、『MoMoちゃんの心、ココにあるぜ』って。今なら、MoMoちゃんの考えることは全てわかるぜ」


「そんな馬鹿なこと…」


「なら、試してみる?この紙に1つ数字を書いてみな。それ、当ててやるよ」


 紙とペンを渡される。


 …何を書こうか。


 例えば、167341とか?


 頭の中で適当に思い付いた桁数(けたすう)の多い数字を書けば、流石(さすが)にyou先輩も当てられないだろ。


 チラッと僕がyou先輩の方を見ると、you先輩はニヤリと笑う。


 ぐっ。


 全てを見透かされている気がする。


 そうだ!


 思い付いたものを僕は書く。


 これなら、you先輩も当てられない(はず)


 いや、間違いなく当てられない!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ