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このおもちゃ箱のような世界に、物申す
ここは、この主人がこの家を買った時から
引きこもった、一つの世界だ
なので、主人が入院していた時には手をつけたくないと思っていた
しかしながら、この場所は
私がとても、恋焦がれる夕闇が見れる場所で
彼がどれだけ、隠そうとしても
その窓の隙間から、私の好きだった闇と外の景色が見える
私は、今日初めて
1人、彼の守り続けた場所に入ってみた
彼が、入院している時には、寧ろ入りたいとは思わない場所
退院し
次の入院に備えるのであれば、入ってやりたいと思った場所だ
灯を消して
パソコンの画面を
他人を否定するかのようにしていた
あの後姿さえ
実は滑稽だと思う私は
ただ、この家から見える
夕暮れの景色が見たいだけで
今、この場所のクソがくそみたいに詰まった
主人のお気に入りの向こうから、少しだけ見える深夜の風景さえ
美しいと思った