明日死ぬ彼氏
カナとトモキは付き合い始めて3ヶ月め。
今が一番頭がおかしくなっている時期だった。
永遠なんてもちろん信じてる。
「カナ……」
深刻な顔つきでトモキが切り出した。
「どうしたの、トモキ?」
彼の腕に自分を巻きつけていたカナが、不思議そうに上を向く。
「俺、実は明日、死ぬんだ」
「え?」
「隠しててごめん……。俺、明日、死ぬんだよ(なんて本当は嘘(笑))」
「やだ……」
カナの目からぽろぽろと涙の玉がこぼれ出した。
「トモキが死んだらあたしも死ぬ」
「だから、さ」
トモキが明るく笑う。
「今日を精一杯生きようぜ。全力でカナと愛し合いたい!」
「うん!」
カナも泣きながら、笑った。
「死ぬまでいっぱいイチャイチャしようね! ちゅっ」
「ああ、今日が最後の日だからな。カナとずっと一緒にいたい。ちゅっ」
「今までありがとうね。天国行っても一緒にいようね。ちゅっ、ちゅっ」
「もちろんだ。永遠に離さないからな。ちゅっ、ちゅっ」
「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」
「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」
「あー、たまんねー」
「いえーい! 楽しくなって来た!」
「これからラブホ行って朝まで盛り上がろうぜ! ぎゅーっ」
「キャハッ! 幸せの絶頂で明日を迎えるんだね? んーっ!」
「そうさ! 永遠の明日をな! ぺろん」
「一緒に行こう! いやっほぅー!」
それを見ていた神様が呟いた。
「ムカついたから明日、もう、世界ごと滅ぼすわ」
そして2人の愛は、まじで永遠になった。