21. はしごの正義
はしごを積んだ荷車をオーガスティン砦の味方に届けた。
城壁の坂を守る兵士から、
「似合っているぜ!お嬢ちゃん!」
と言われたが、上の空の気分だ。
オルレアン市民が企んでいることが分かるのだが、理解したくない。
昼過ぎに南のオーガスティン砦に着いた。
荷馬車を見て皆が驚いている。
「オルレアンの民からの贈り物です。」
皆、はしごを見上げて呆然としている。
「これを使えと言うのか?」
「一応贈り物なので・・・。」
そろそろ日が暮れそうだな。
そして大砲の音が鳴り響く。
はしごを取りながら言った。
「おい、市民に橋門の手柄を取られるのは騎士か?橋門の手柄はお前達の物だよな?お前ら!行くぞ!!」
「おおおお!」
そしてはしごを持って走って行った。
うん、計ったように正確な長さだ、これなら橋門の上に行ける。
後ろから皆が慌ててはしごを持って走ってきた。
早く見てみたい・・・はしごを登る。
「痛っ!」
肩に激痛。一旦はしごを降りる。
「おい!ジャンヌ!大丈夫か?肩に矢が刺さっているぞ!」
ジルドレか。
「なんの!」
矢を肩から抜く。
「おい!ジャンヌ!」
「うるさい!」
はしごを登って行く。特等席は私の物だ!
はしごを登ると、既に砦の上部は味方が占領していた。
私は川の方へ行ってみた。
「おい!あれジャンヌじゃないか?ジャンヌ!無事だったのか!?」
手を振る。
そして川沿い全てから大歓声が起こる。
橋の上に敵の兵士がいる。
オルレアン側の門は固く閉ざされていた。
手前の最後の橋桁には板が渡されていた。
そこを敵が渡っている。
川上を見た。
「きれい・・・」
川の上から火のついたボートがたくさん流れてくる。
ジルドレが来て言った。
「これは何だ?」
「まぁ、私達は花火の見物でもしていよう。」
「どういう事だ?」
ボートが橋に引っ掛かる、そして炸裂する火薬。
目の前の光景は地獄と化した。
橋桁が燃え、橋を燃やし始めた。橋の上の敵兵は右往左往している。
「かわいそうに・・・。」
「こいつはえげつねぇ・・・。」
そして橋は燃え落ちた。




