傍天の畏怖
無意味なこの世界が怖いのです
神も救いも無い僕は何を拠り所にすれば良いのでしょう
何処までも続く青天が怖いのです
美しく荘厳な自然は、其処に在るがまま
僕はこの世界で何を大切に生きれば良いのでしょう
何の覚悟も無いまま放り出された僕の傍には誰も居ない
意識を何処まで遠くに飛ばしてみても、あなたは居ない
あなたに向けた僕の意識は天に溶けてしまうのです
あなたは何処に居るのですか?
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無意味なこの世界が好きなのです
空っぽで空虚なこの世界はどんな物でも大切にできるから
何処までも続く不可逆が好きなのです
存在に畏怖する私を癒してくれるのも、また存在だから
あなたは一人ではありません
私達が自我だと思っている物は、不可逆の中でのそれぞれの経験よって形成された物に過ぎないから
あなたの意識は私に届いています
私の意識もまたあなたの意識だから
私はあなたの傍に居ます
意識は傍天の彼方で溶け合っているのだから