決闘に申し込まれて・・・1ー1
そんな中でもアルバートは、戦意が無いテオドールに
「テオドール君、君は大きな間違いを犯している。これを見たまえ」
と、香辛料が、入っていた袋に液体をかけるとそこには、文字と数字が出てきた。
「この袋には、特殊な液体で塗った塗料を入れている。塗るまえの液体は、薄い水色だが、乾くと全く見えなくる性質がある。そしてこの、別の塗料を見えない塗料の上で塗ると・・・見えない商品の番号とその商会の略した文字が出てくるわけよ」
たんたんと説明を言うアルバートを見ていたテオドールだったが、アルバートがテオドールに顔を近づき「私が言いたいのは、分かるかな?テオドール君」と、言われるとテオドールは「だから何だ」と言う。
「これはな、盗難や偽造防止として使っているのだ」
と、彼がそう言うと「この泥棒め‼」と奥からなんと荷馬車の商人が現れた。
「許さんぞ、私の商品を売るとは、なんとけしからん。この泥棒どもを早く役所に渡すぞ」
と、商人が鬼の表情で激怒をしていたら
「お待ってください」
アルバートが、止めに入ってきた。
「役所に渡すのは惜しい位、彼らの腕は、いいくらい勿体無い位である・・・そこで・・・」
アルバートが、懐から手袋を出すとテオドールに向けて投げる。
「決闘を申し込む」
テオドールに決闘を申し込むと
「上等だ」と、殺気と怒りを放つとアルバートは「フフフ・・・」と笑う。
決闘は、屋敷の中庭にある赤レンガの広場でやることになった。
淡々と、準備をするアルバートに対してテオドールは、上品な腰掛けの椅子に座って待っていた。
「勝てるのか・・・」
ジャンが、やや不安に言うと
「商人相手に負けるわけねえだろ」
と、強み言うテオドールだった。