赤レンガの港で・・・1ー8
お金が入った特大の袋が、テオドール達の前に置かれて、その袋の中身は、沢山の金貨が入っていた。
「おおっ、すげぇ金貨の量だな」
テオドールが、そう言いながら金貨をジャラジャラとすくっていた。
ジャンは、金貨の量に見とれていたが、ゴルツは、持っていた家計簿を出して計算をしていた。
金貨を見とれていた3人は、警戒心を緩めた
が、アルバートは、先程よりも細目でテオドール達を見ていた。
その視線を気付いたテオドールは
「ヤバい!」
と、剣を取ろうとしたら後ろから何者かに、捕まり首には、短剣で突きつけられていた。
ジャンとゴルツも立ち上がり武器を構えようとしたが、上からと横からに武器を持った数人の黒人に囲まれた。
ジャンが、震えながら黒人を見て
「バラン族・・・」
と、呟くとそれを聞いたゴルツは、無言で武器を捨てて手を上げる。
「バラン族は、相手にしたくない・・・」
相手を知ったテオドールも、そう言って両手を上げる。
彼らが言うとバラン族とは、テオドール達がが居る大陸の南にある砂漠と密林の大陸の黒人の原住民である。
南の大陸の種族の中でもバラン族は、有能な戦士で主に足場が悪い山や谷に住んでいてオーウェン王国軍が、侵略して3年も続いた戦いに負けるまで戦った戦士として有名だった。
その後は、オーウェン王国の植民地領となって多くのバラン族は、奴隷ではなく傭兵や貴族や金持ちの私兵として役目でやっている。
テオドールも違うバラン族と戦った事があってその時の印象が彼に恐れをなされていた。
イングラム大商会のアルバートもバラン族の有能の戦士のダムダとその仲間達を私兵として雇っていた。