赤レンガの港で・・・1ー5
翌日、テオドールは、一晩で完全復活した。
「よし、完全復活だ」
「一晩で治るのか」
「知らんがな 」
半信半疑のジャンに対してゴルツは、漢方薬の説明を見ていたら廊下から大人数の足音が、聞こえる。
テオドール達が泊まっている部屋の前に止まるとドアが開き猛々し髭をはやした人物が、入ってきた。
「どいつだ、香辛料を売りたい奴は」
と、静かで怖い声を出していたが、テオドールは、前に出て「俺だ」と言って髭の人物をゴニョゴニョと会話をした。
会話を終えると髭の人物は「では、香辛料の荷物を大商会に持って主と交渉するぞ」
と、言って部屋に出る。
追いかけるようにテオドール達も香辛料を持って部屋に出た。
一方等は、大通りにあるイングラム大商会の建物の前に着いた。
裏通りにあるイングラム大商会の建物と違い白い大理石の塀に漆喰で塗られた壁に赤い瓦が敷き詰めた大きな屋敷であった。
入り口の黒金の金属の門を入った中は、手入れされた庭園が、ありテオドール達を驚かせた。
「すげぇ・・・こんな庭は、見たことない」
「自分の国でも手入れされた庭はあまり見ないな」
庭に見とれるテオドールとジャンに対してゴルツの心の中では、お花があまり無いことを残念に思っている。