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第一話 唐突なる暗殺者

あの厄災(異界化)から三年後。

 多くの人々が死に、そして多くの人々がその身に力を宿し新たに転生した。

俺と現魔王が起こした対立の影響である。

 聖と魔、それぞれの転生者がいる。

生存を望んだ力なき者は聖術者。力ある者は再び聖剣士として元の姿を保ったまま転生した。

生存を望まなかった者達は力あるなきに関わらず魔王の魔力を吸収し魔術者に転生した。

魔術者の特徴としてはエルフや獣者、体の一部が魔物かするなどの容姿変化。吸血鬼やメデュウサなどの特殊な能力を持つ性質変化の2パターンである。

だが、中には両方の変化を得た厄介者もいるらしい。

 全異界化後、地形は西から魔王が支配する魔域、厄災の中心地である廃域、聖王が支配する聖域の3つに分割され意志疎通のために言語も一つに統一された。

 聖域内の中心に位置し聖王が直接統治している国フィフストリアは聖剣使いを育成する主要国であり、聖力を持つ者は誰でも入国を許可されていて、中世のヨーロッパのようなレンガ作りの建物が建ち並んでいる。

そんな王国の季節は日本で言うところの春だ。

本来なら暖かいはずのこの季節に、極寒の寒波が襲っている。

昨日まであんなにも暖かかったのに、今朝起きたら真冬並みの気温。そして窓の外を見ると雪が降り積っていたのだ。......厚着していないと凍死にそうになる。

強大な魔物が絡んでいるのは確かであり、15才になって聖保安機関学院フォリスタに入学してそうそう聖者上位の聖剣士に討伐命令が出される事はうすうす予想はできたが。

俺は、焦っていた。



「明日は、聖剣使いを奮い立たせる為の大事な儀です。瞬君なら心配ないと思いますが絶対に遅れないでくださいね。

万が一遅刻したら······学長としてただじゃおきませんから。いいですね?」



 昨日あれほど学長兼現聖王のアテナに釘を刺されたのに今は、遅刻しそうな状況におかれている。

元凶は、いつの間に忍び込んだのか俺のベッドで真冬並みの寒さなのに薄手の長袖と短パンで契約主の事も考えず気持ち良さそうに寝ているこの赤髪ツインテのクソ女神だ。

目覚ましタイマーをオフにし、なおかつベッドのそばから机に移動させ遠ざけるという巧妙な手口。


「······いいかげん起きろよ! 」


「ぅん? ······どうかされましたか?瞬……なんか眠いので……寝させてくださゃい······よ······zzzz 」


明るくどこかあか抜けたような声音でそう言いながら彼女は寝返りをうつ。

平均以上にスタイルが良い胸がゆれ白くてすべすべした腹が一瞬見えてすぐに隠れる。

寝息をあげている柔らかそうな淡いピンク色の唇は見つめていると引き込まれそうになる。


「······とにかく向かわないとな」


(よし、寝間着姿で醜態をさらすとしよう)

 そんなことを思いながら靴を履いて机に近づき時計を見ると開始時間まで15分を切っていた。

そばには、姉が作ったであろうおにぎり二個と聖術で書かれた置き手紙がおいてある。


(瞬ちゃんおはよう!!

部屋に入ったらアマテラスちゃんと気持ちよさそうに寝てたので、思わずタイマーをOFFにして机に置いちゃいました。

あと、おにぎり作ったけど絶対に右側をアマテラスちゃんに食べさせてね。

それと聖剣士代表挨拶、責任重大だけど頑張って応援してるから!

『唯一の家族』奏お姉ちゃんより)


ブラコンすぎる姉の嫉妬がまた突如として発動したのだ。


「……毒、いれたろ。······とりあえず俺の聖力をフルに使って屋根ずたいに移動すればなんとか間に合うか。

後は、仕方ない。アマテラス、寝間着姿でも悪く思うなよ」


先ほどの考えを撤回し、耐熱防寒機能のついた制服に着替え刀装を身に付けると間違わないよう慎重に左側のおにぎりを一気に頬張りながら手をかざし大窓を開く。

冷風が入ってくるなか彼女の着替え一式と姉を問いただすためのおにぎりをメッセンジャーバックにつめ、それを体を起こしたアマテラスに肩掛ける。

そして、アマテラスに靴をはかせてから抱えると助走を少しつけベランダから隣の屋根に向け飛び着地する。

各建物には、倒壊しないよう聖術保護が施されている。

そのためか、雪の厚さは予想していたよりも薄く靴底から三センチ埋もれるぐらいでそれほど支障にはならなそうだ。

 次に、アマテラスを背中に抱え直し目を閉じて精神を集中さる。


「よし、行けそうだな」


足に聖力を回し自分が移動したい場所を視野に入れると足に力をいれ駆ける。 

すると数秒後には風をきりその場所に着地している。

端から見れば瞬間的に移動をしたと捉えられるであろう速さだ。

本来なら自らの聖力を激しく消費し、敵の攻撃をかわしたり、意表をつくときに使う物でそれほど多用できるものじゃない。

俺の場合は、自らに宿す聖剣。禁じられた聖剣が特殊な為、それから聖力を引き出すことができ消費を抑える事ができる。

ただ、これを使いすぎると精神を消耗する為、たまにクラッときてふらつく。

今では、消耗をコントロールする事ができているのでふらつく程度ですまされているが……。

二年間の修練中はほぼ倒れこんでいた。

戦闘以外でなるべく使いたくない技ではあったが、遅刻を避けるためこの方法が俺が取れるベストな選択だったとそう思っていた。


         ★

 

降り積もった雪に足を取られる事なく順調に屋根ずたいを瞬間的に移動して行くと、ついに学園までもう少しといった距離まで来ることができた。

腕時計を確認するとまだ開始まで10分の余裕があり、俺は足を止め精神を少し休めることにした。


「なんとか間に合ったか。

しかし、いつまで寝てるんだこいつは······。おい! そろそろ起きろって!! 」


アマテラスを降ろして頬を叩くが反応はない。


「···いいんだな。このまま起きなきゃ寝間着姿で醜態をさらすことになるが本当にいいんだな!!」


頬を両手でつねりながらそう投げ掛けるが今度も反応がない。

おかしい、そう思った瞬間だった。

俺は、何かを悟りとっさに黒刀を下から上に抜き払った。

斜め左下から斜め右上弧を描いた刀に、重々しく大きな何かが当たり腕に衝撃が走る。

一瞬怯みそうになったがこらえ負けじと振り切った。

それは、とてつもなく大きな岩石であり二つに割れるとそれぞれ左右の路地に大きな音と衝撃を与えた落下した。


「······そうよね。あなたがこんなもので倒れるはずないわよね。待ってたわよ」


「······チッ」


数メートル先の屋根に、その攻撃を放ってきた女神と契約者がこちらを睨み付けていた。

 女神の契約者は凛とした声にたがわぬ美貌を持った俺と同じ年齢くらいの少女だ。

彼女たちがともに身に付けていたのは同じ学院の制服だった。

その屋根に向け精神を集中させ駆ける。

屋根に着地すると黒刀を構え警戒した。


「誰だ!! 」


「私は、あなたと同じ。生まれながらに聖力を持った聖剣士よ。

紅色の瞳を持つ英雄!! 

この時をどんなに待ち望んだことか。

私の積年の恨み、晴らさせてもらうわ。

グランディーネ、そこで待機を」


「はい。仰せのままに」

 

 彼女はこちらに向け聖剣を構えながら向かってきた。

片方にまとめた白銀の髪が肩の上でフワッと揺れ動き、橙色の瞳はどこか、深い闇を抱えていた。

 その子はもう目前にいた。

そして聖剣を真横に振り抜く。

とっさの判断で距離をとりながら黒刀を逆手に持ち刀身に左手を添えなんとか彼女の聖剣を防ぐが勢いのまま屋根の隅まで弾かれる。

あと、数秒遅れていたら真っ二つになり確実に死んでいただろう。

安心したのもつかの間、彼女は目の前から姿をけした。 

聖剣を構える音が背後から響き構えながら振り向くが、そこに彼女はいなかった。

とすれば……真上か!!

素早く反転すると前受け身をしながら回避する。

そしてすぐに、黒刀を構え直し精神を集中させる。

案の定。先ほどまでいた場所には、彼女が聖剣を突き立てていた。


「聖剣士同士で争う必要なんかないだろ。なんの為に俺を襲う? 」


「······」


彼女は、憎しみの目をこちらに向けたまま立ち上がり聖剣を引き抜く。

 

「答えろ!! 」


「······四年前、私と私の両親は死んだ。そして、私たちは転生した。······でも、私が目覚めた時。

お父様は······お母様を殺していたのよ。

ゆっくり、ゆっくりと。

首から、生きたまま血を吸い上げて。

その時、咄嗟に思ったの。

二人とも、楽にしてあげたいって。

······そう、私は両親を殺した! 殺したのよ!!

だから、私は転生なんて起こしたあなたと魔王を恨み憎むの!!

……まずはあなたからよ。英雄 」


「······そうだったのか。その気持ちは痛いほどわかる。俺も、両親を守れなかったから」


事情を知った俺は、構えをとき黒刀を自らの手から離した。


「 ?! 」


「こんな事言ったとこで、君への償いにならないことは分かってる。

でも、すまなかった。君につらい思いをさせて本当に申し訳なかった」


「······なんで貴方が泣いて」


「 え? 」


頬を一筋の涙が伝っていた。

奥の歯茎も食い縛っていたせいか痛む。

無力さ故に多くの人々を守れなかったそんな悔しさ苦しさがいつの間にか込み上げていたのだ。

これ以上彼女の前で涙を流してはならはい。

感情を打ち消すように片方の制服の袖で頬を拭った。


「俺は、三年前、信頼していた現魔王に裏切られ両親を殺された。

その時、今の君のように憎しみと恨みの衝動で聖力の暴走を起こしてしまったんだ。

意識を失って目覚めたときには全てが終わっていて、辺りは酷い現状だった。

理由を聞くと姉は、人間同士の殺しあいがあったと······そう言った。

俺は······今でも心の奥底で魔王を恨み憎んでいる。

それでも!! 感情に流されて聖力を暴走させた行いは後悔し悔やんでる!! 

それから、俺は誓ったんだ。魔王を倒し、人々に平和なあの頃の日常を取り戻すと」


「うるさい!! 」


「今の君に、後悔がないなら俺を殺すといい。

だが、必ず魔王を倒し人々を救うと約束してくれ。頼む!! 」


「······貴方から、そんな話聞きたくなかった!!

私は、誰も殺したくなかった!!

生き返りたくなんてなかった!!

······あなたの話は信じないわ」


立ち尽くす彼女の瞳からは、涙が溢れ

頬を伝う。

彼女は、聖剣を横に構え歩みよってくる。


「リナ、私が援護します」


彼女の傍らに、女神が着地し俺に向け手をかざす。

すると、足もとから岩石が俺の体を覆うに侵食し、肩まで侵食すると止まった。手足の動きを完全に封じられ動けない。

そして、力が抜けていく、どうやら元の聖力を吸収されているらしい。

そのうちに彼女たちは目前まで近づいてきた。

女神が、再び手をかざすと心臓の部分だけ穴が開き制服が露にされていく。


「······ありが······とう。グランディーネ」


「さぁ、恨みを晴らす時です」


「······うん」


彼女は、聖剣を俺の心臓部分に突き立て引き絞り構える。

手が震え、カタカタと音を立てるが、深呼吸をすると止んだ。

つきの瞬間、勢いよく聖剣がふられた。

彼女は、感情にとらわれ人をあやめたりしない。

俺は、そう感じとりあえて無防備になったのだ。

彼女をただ信じ目を閉じる。

……暗い視野の中沈黙が訪れた。


「······でき······ない」


彼女の声がその沈黙を壊した。 


「できない!! 私は、もう人を……殺したくなんてない!! 」


目を開くと、左脇下の岩石部分に彼女の聖剣が刺さっていた。

それを行った彼女は、膝をつき泣きじゃくり、しばらくすると彼女の聖剣は消失した。


「チッ。使えない聖剣士。いいです私が殺りますから」


そう言うと、女神は少し距離をとる。

片手でこちらに向け構えると、先が尖った岩石を十個出現させる。

あの数を見るに、自分の聖剣士ごと

俺を抹消する気だ。

同族を殺めることをしてはならない禁忌を犯そうとしているあの女神は、もはやまともじゃない。

このままでは、彼女も俺自身も間違いなく即死だろう。

なにか、手はないか。探るが……


「じゃあ。死になさい」


勢いよく放たれたそれは一直線にこちらに向かってくる。

殺られる。

そう思ったとき人影が目前に飛び出してきた。

彼女が、両手をかざすと盾状の火炎が現れ岩石を飲み込み、溶かし尽くすと球体のマグマになる。


「私が寝ている間に何があったんです? 

それに瞬。やられっぱなしじゃないですか!! 」


彼女は、そういいながら振り向き球体のマグマで俺を覆う岩石を溶かしていく。

岩石を一瞬で溶かすと同時にマグマも消失する。


「アマテラスか。助かった恩に着る」


「危ないところでしたね」


「あぁ。誰かさんのお陰でな」


「それがその……知らない間に術をかけられていまして」


「片付けたら、後でじっくり理由をきかせてもらうからな。覚悟しとけよ? 」


手首を回し痛めてないか確認しながらアマテラシスにそう問いかける。

どこも痛めてはいなさそうだ。


「はぅ。……すいません」



「あらあら。昨日、町で見かけた貴女にかけた呪術がもう解けてしまいましたか」


話を止め敵の女神に向き直る。


「はい。すっかり解けましたよ。もっと強力にしておくべきでしたね」


「まぁ、いいでしょう。

たかが、二人になったところでさほど障害にならないわ。

だって英雄さん。貴方、消費しきっているでしょ」


先程までと目付きが変わり、女神の周りに白いオーラが溢れでる。

俺から吸収した膨大な聖力が溢れでているのだ。


「アマテラス。あの女神は? 」


「はい。魔族によってマインドされています。気絶させれば解けるかと」


「分かった。その子を学院まで頼む。

あと、ついでにあれだ······制服に着替えとけ。寝間着じゃな······」


「?? ?! 言われなくても分かってます!! 」


今の格好を理解したのか、 慌てふためいている。


「変なとこ、触ってません?」


隠すように両腕で胸を覆うがその動作が余計に強調させる。


「ねぇよ!! 」


「無視とは、ずいぶんと余裕ね!! 」


いつの間に生成したのか数十倍の数の岩石が放たれる。

それを再びアマテラスが、巨大な火炎の盾で防ぎ収縮させたマグマの球体を勢いよく相手に向け放つ。

かわされ直撃はしなかったが女神がいた場所に着弾し黒い煙をあげた。

時間稼ぎにはなるはずだ。

黒い煙が晴れ残った俺と魔族によって操られた大地の女神は、一棟の屋根の上それぞれが標的を見据え対峙していた。


「さぁ、相手になってもらうぞ」


「今の貴方に、私を倒すほどの力はありません。負け惜しみもそこまでにしてはいかがです? 」


「今のままならな」


「!? まさか!! 」


「顕現せよファイオラセル!!」


右手を空に出すと、眩い白い光を放ちながら刀と西洋の剣を合わせたような聖剣が具現化する。

久しぶりに顕現させた聖剣の感触を確かめようとして振り払うと風が衝撃波のように辺り一面を通りすぎた。

聖剣の顕現により自らの聖力が一段と高まり鼓動が早くなる。

この聖剣で一撃を放てば勝敗はすぐにつくだろう。

だが、


「せっかく聖剣を解放したのに……なんのつもり?」


女神は、警戒したのか迎撃体制に入り、手をこちらに向け話してきた。


「聖剣で戦うとその女神を殺しかねないからな。

······こっちで戦わせてもらう」 


聖剣 ファイオラセル を屋根に突き刺すと、数メートル離れた場所に刺さっていた黒刀を引き抜き、右手で構えると向き直る。


「なるほど。

でも、貴方それで後悔しないかしら!! 」


俺の周囲を囲うように小さく鋭い岩石の針が出現すると一斉放たれる。

 精神を、集中させ女神の真後ろに先程とは比較にならない音速を越えた速さで一瞬にして移動する。

間髪入れず空きになった首に向け刀の柄を振り降ろすが、岩石の盾がそれを防いでいた。

 危険を感じ隣の屋根に移動すると、先ほどまで自分がいた場所は上から岩石の槍が数本刺さり剣山のような有り様だった。


「少し危なかったな」


「移動する速度がいかに速くなろうと初めから攻撃してくる場所を予測していれば防御するのは容易です。

禁じられた聖剣の解放。

警戒していましたが残念。それほどでもないようね。これで······終わりにしましょうか!! 」


途端に女神の頭上真後ろの空に数えきれきれない程の岩石の矢が出現し一斉に放たれた。


「そうだな、少し手を抜きすぎたみたいだ。終わりにしよう」


迫り来る岩石に対し黒刀を構えたまま前を見据え、片膝をつき左手のひらを真下の屋根につける。

すると炎の渦が自身の周りに出現し放たれる岩石の槍を次から次へと目の前で飲み込んでいき溶かす。


「口ほどにもないですね、防戦一方ですか? 

では、これでどう!! 」


目前まで迫っていた岩石の矢が突如進路を変え真上から迫ってきた。

それだけではなく、真下からも束になった岩石の槍が建物を突き抜け迫ってきた。

視覚からの攻撃。

 俺はすぐに、火炎の渦を解き精神を集中させ素早く後方に回避したが、左足に軽傷を負ってしまった。

無数の岩石の矢と岩石の槍の束が衝突し粉々になり土ぼこりを上げた。


「貴方の動きは予測ずみです、槍よ!! 」


背後からの殺気を察知した俺は女神に向け駆け出す。

前からも後ろからも岩石の槍が放たれ、負傷した足では逃げ場はないかに思えた。 

だが、打開策はすぐに浮かんだ。


「どうしたの? 諦めたのかしら?! 」


足を止めると左手の平に火炎の球体を出現させ自分の周りを覆う防御壁のように力を込め大きくしていく。


「諦めるわけないだろ」


やがて眩い紅色の光を放ち巨大になったそれはすべての槍を飲み込み……

 

 火炎球体が消えた時、俺はすでに黒刀を構えたまま女神の真横を通りすぎていた。 

力は加減したので軽い打撲を負わせた程度だろうか。

 

「ありえ······ない」


先程俺が力を放った場所には巨大な球体状の穴が建物にあき、峰打ちをされた女神は気を失い真後ろに倒れた。

しばらくすると彼女から紫色の魂が抜けていく。


「······やったか。 元の聖力は消耗し切ったし、久しぶりに聖剣解放したからな·····精神的に······きついなこれ」


刀を鞘にしまい、聖剣を消すと俺は女神の真横に倒れたこんでしまった。

意識を失う寸前傍らに倒れた女神の寝顔と寝息を見て聞いてひとまず安心した。

ーーそうだ、代表挨拶は間に合わなかったろうな……。

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