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異世界レーシング  作者: 吉澤悦男
21/24

波乱のOP戦

息子にタブレットを取られ、なかなか投稿出来ませんでした。

「うわあぁぁぁ」


 目の前はパニックの渦である。右に左に車両が道を塞ぎ、後続車両が突っ込んで行く。


 この原因となったのが、2位のゼッケン46番であり、スタート直後にエンストし、3位と4位が避けようと左右に別れると、5位6位7位の3台がそれぞれ突っ込んで行く。


 ボクもあわやと言う所で回避したが、後続車両同士が接触を始め、この大惨事に至った。すぐに、マーシャル❨旗係り❩は、赤旗を振り、レースは一時中断。


 事の始まりは、昨日のタイムアタックであせりを感じた46番が、ギア比をワイド寄りに変更し、高速重視にした。お陰で、トルク不足となりエンストする事になるが、他のレーサーは、レース開始の緑旗に合わせてスタートする様、訓練されているから、直前のトラブルを避けようとパニックになった。


 競技車両は、再度スターティンググリッドに並び、再スタートとなるが、2位の46番は設備不良の為、欠場となろ。


 これだけの惨事で在りながら、1台の欠場で済んでいるのは、この世界のレーサーの技量がいかに優れているのかを物語る。


 そう言えば、本来ならボクは3位だとスナップさんは言っていた。と、言う事は・・・ ラッキー!!


 後は、1位のレイチェルさんか・・・ まあ、今回は5位まで賞金が出るらしいし・・・ そしたら・・・ あれ? 横のクルマ、動いているんじゃ・・・


〈エンジン! 再スタート〉


 えっ?! あっ! もう旗、振ったの? ヤバ・・・ 焦りながらリスタートするものの、 あはは・・・ 12位だ・・・


〈エンジン!! どうした〉


 ドリュウスさんだ・・・


〈だ・大丈夫です。イケます〉

〈そうか、気を付けてな〉

〈はい・・・〉


 考え事してましたとは、言えないよな・・・


〈エンジン・・・〉

〈あっ、 フィーネさん〉

〈タイムアタックのニセ申請有ったでしょ? 逆も有るみたいよ〉

〈・・・逆?!〉


〈ええ。OP戦専門のハンターがいて、あえて遅いタイムを申請して、相手を油断させる戦略らしいの〉

〈参ったなあ。ドップリとハマりました〉

〈大丈夫、大丈夫。これからよ〉〈ディーネ、甘過ぎ〉

〈いえ、いえ。全てボクが悪いのです〉

〈エンジン!第1コーナーに集中。複合コーナーよ! 手前のコーナーは、カットインして、そのままアウト・イン・アウトで、奥のコーナーを攻める〉


〈解りました〉


 ここ、UZUKAサーキットは、大まかに言えば2つのセクションに分かている。

 前半は、テクニカルな中低速コーナーが集まり、後半は、ハイスピードセクションで、直線とヘアピンの組み立てである。


 リズの特性は、コーナーリング重視。ゆえに前半でいかに攻め、後半では、どれだけ離されない様ついて行けるかがポイントだ。


 タイムアタックと違い、本戦では相手もいる事だし、そうそう思い通りのラインが取れる訳でも無いが。


 後ろのクルマに煽られながらも、12位をキープしている。


〈そろそろ前半セクションも終わり、後半セクションに突入です〉

〈トップグループは今、ヘアピンだ。まあ、気にせず抑え目で走るんだ〉

〈了解です〉


 ドリュウスさんも、状況を理解しているので、落ち着いているな。


〈レイチェルさん、ノッてるね〉

〈この周の終盤から、来るわよ!〉

〈そうですか、解りました〉


 他のチームと決定的に違うセッティングが、レインタイヤである。前世と違い、タイヤ交換に30秒以上かかる。だから僕たちは、最初からレインタイヤを装着していた。


 当初の計画では、2周くらい捨てるつもりでいたが、先程のトラブルからの時間経過により、幸運な事に1周目の終盤から雨が降る予定だ。


 スライムさんの天気予報を甘く見ちゃいけない。百発百中だ。


 他のチームが、どのタイミングでタイヤ交換するか解らないが、アドバンテージはこちらに有る。


 そろそろ後半セクションも中盤だ。


〈やったー 降って来ましたよ〉

〈エンジン!! トップグループは、今ラインを通過した所だ。セカンドチームは、最終コーナーを回った所だ〉

〈すると彼等は、ドライタイヤで1周する事に成りますね〉


 雨のレースで、一番危険なのは降り始めだ。路面のゴミが浮き上がり、スリップし易くなる為だ。


 彼ら、トップグループは、なまじ早く周回した為に、タイヤ交換のタイミングを失した様で、40馬力に振り回され、次々とコースアウトしていく。


 前世と違い、この世界での40馬力はかなりピーキーで、暴れる車体を必死で押さえ付け、それでもコースアウトしなかったレイチェルさんは流石だ。


 レース結果は、ぶっちぎりの1位で、幕を閉じた。


〈この天気予報も、ミケーレさんですか?〉


〈私はカルラ。一族の中でも、天気の予想は一番なのよ。普段はフィーネに統合されているわ。自己主張が激しいのは、ディーネだけよ〉

〈ええーっ! ひどーい〉

〈まあまあ、ありがとうございました〉


 今回のレースで完走出来たのは、わずか5台のみだった。


〈2位がレイチェルさんで、あの3位がOPハンターなのでしょうか?〉

〈ん。 ・・・多分ね〉

この話も、オチを先に考えてついてから書き出しましたが、雨に気付いた方もおられるでしょうね。

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