長い長いプロローグと異世界生活一日目前半
この俺!楔 和人高校2年!
この某バトル漫画みたいな登場の理由は...
俺は落ちていた。
「なんじゃこりゃーー!!」
昨夜、俺は夜遅くまでゲームをしていた。
「ハァ...このゲームももう終わりかー」
実家暮らしで毎日学校にもろくに行かずに昼に起き、朝までゲームをしてはご飯を食べてまた寝る。そんな生活をしていた俺は持っているゲームをすべてクリアしていた。新しいゲームが欲しいが為に俺はパソコンでゲームを探していた。
「お、このゲームの最新作が来月発売かぁ~」
と、新作のゲームの情報を見ていた俺は母親に呼ばれた。
「和人ーあなたに手紙が届いたわよー」
俺に手紙?この時代に手紙を送りつけてくるなんて珍しいな。でも今更だが考えて思った事がある。それは俺には友達がいないのだから手紙を送ってくる相手も見当がつかず俺は母親に面倒くさそうに返事をした。
「はぁ~い。今行く。」
俺は母親から手紙を受け取るとすぐに自室へと戻った。誰からだろうと差出人の名前を見てみると、神様と書いてあった。だけど自分にとってはどうでもよかったので手紙を開いてみると。
「初めまして!楔くん!今日手紙を送ったのは君にいい知らせがあるんだ!
それは何かというと...明日、朝起きてからのお楽しみに~。なので今日は早めに寝る事をおすすめするよ~。じゃあまた明日ね~」
という文章が手書きで書かれていた。この丸みかかった文字は女性かな?という考えが最初に思い浮かび、もう一つほどつ気になる点があったのでそちらも考えてみた。
「なぜ「また明日ね~」なのか。顔も名前も知らない人と会うなんて冗談じゃないぞ俺。もし家に来たら母親に追い返してもらおう」
と言いつつも久しぶりに家族以外の人と直接話せるなんて楽しそうだなと考えながらも笑顔で寝ようとしている俺がそこには居た。
そして冒頭に戻る。
「なんで俺、落ちてんだーー!まだ死にたくないのにそれに友達もろくに作れてないのにー-!」
と叫びながらも下を見た。そこは現代日本とは全然違う。高層ビルもないし車も一台も走ってない。この世界は...そう初めて買って貰ったRPGゲームの世界にそっくりだ。と考えているうちに地上から200mぐらいの距離になったとき、助かる方法を考えていると...その瞬間」地上から突風が吹いてきた。目を少し開いて突風の先をよく見てみると、かすかだがこちらを見ている少女がいた。そして俺は落下地点より少し離れた森の入り口辺りに落ちた。気がつくとそこには先ほどかすかに見えた少女の姿があった。
「すいません。もう少し優しい風を起こしてうけとめるつもりだったんですが...」
と言いながら手を差し伸べてきた。そして俺はこう答えた。
「全然いいですよ。あのままだったら確実に死んでいましたから」
「そうですか...ならよかったです。」
と先ほどよりも少しにこやかに笑いかけてくれる少女に俺はすこし心を少しときめいた様だ。恋愛や友情などといった漫画は多少は読んでいるので耐性はあるかと思っていたのだが、それは大きな間違いだった。
やはりこのような体験は実際に合ってみないと分からないと思いながらにやけていた俺がそこには居た。もし周りに通行人など人がいたならば即通報されていレベルだ。と思いながら彼女の手を取り立ち上がった。
「実はある方にあなたをお連れするように言われたんです。なので自己紹介などは歩きながらしましょう。お時間がないので少し早めに歩きますがご了承ください」
と少女は歩きだしてしまった。
「お名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
と俺が聞いた。途端に少女が困惑しだしたと思ったら今度は少し考えているようなポーズをとりこう名乗った。
「私の名前はシャルル。セシル=シャルルもし呼びづらかったりしたらシャルと呼んでください。あなたのお名前は?」
「俺の名前は楔 和人、楔が名字で和人が名前ね」
「くさび...かずひとさん。変わったお名前ね。どこのお国の出身ですか?」
「えーと、分かるかどうかわかりませんけど日本という国なんですが...わかりますか?」
「日本?小さい頃に図書館で読んだ本の内容に少しだけ書かれていたような気がします。えーと確か...あっ!もう着きますよ。あの建物です」
とシャルが指をさした方向を見ると俺は驚愕した。
「なんじゃこりゃー!なんでこの家がここにあるんだー!」
歩いている途中の建物や家はすべてRPG風だったのに目の前に現れた建物は外見がそっくりで昨日まで俺が生活していた実家があった。
「シャ、シャルさんなんでこの家がここにあるんですか!?」
と噛みながらも聞いた質問はシャルが答える前に少しだけ考えたらその理由がなんとなくだが分かってしまった。.....あの手紙の差出人の名前が頭の中に浮かんだ。
(あの神様とかいう名前の差出人が絡んでやがる)
と心の中で断言してしまった。
そしてシャルがこう答えた。
「実は私も何も知らされてなくてお連れするようにだけといわれたもので...あの方に会えば多分すべてわかると思いますよ」
と申し訳なさそうな顔でうつむいていた。シャルを励ますために俺はシャルに話しかけた。
「そんな落ち込まないで一緒にそのお方とやらに会えばすべてわかるんだろ?ならいいじゃん。会って俺を連れてきた理由を一緒に聞いてやろうじゃないか」
と言うとシャルの顔に少しだけ笑顔が戻った。
「はい!そうですね一緒に聞きましょう。」
シャルは元気にそう言いながら玄関のドアを開け俺の部屋だった場所に連れて行きました。俺の部屋のドアを開けるとそこには俺と同じ高校生ぐらいの女の子が椅子に座っていた。
「ごくろーシャルル。初めまして!楔 和人くん。私の世界にようこそ。歓迎するよ。では、自己紹介から始めよう。私の名前はルナ。簡単に言えばこの世界を支配する神だよ~」
と簡単に自己紹介してきたのでこちらも自己紹介をしようとすると
「別に紹介してくれなくても和人くんの事なら何でもわかるでー」
と言っていてストーカーか何かなのかと一瞬思ってしまった瞬間
「ストーカー違うよ~」
心を見透かしたのか!?と驚いてしまった。
「そうやでー今君が思ってることも過去に思っていたこと。学校に行かなくなった理由もわかるで~」
なぜわかるのかと聞いたところ
「神様だから~」
と適当に流されてしまった。
「さて本題に入るか」
いきなり真面目な顔になった神様の言葉にゆっくり唾を飲んだ。
「まず最初に君をこの世界に呼んだのは、わかってると思うけどこの私。その理由は君にこの世界でこの家でシャルルと住んでほしい。」
「「えぇーー!!」」
と二人同時に叫んでしまった
「なぜこの世界でシャルと一緒に住まなきゃならないんですか!?シャルだって嫌だよな?」
「いえ別に嫌ってわけじゃないですけどまだ心の準備が...」
「まぁ話を最後まで聞いてから文句を言ってくれ」
「「は、はい。すいません。」」
「次にこの家が楔家と全く同じなのは、いきなり異世界に来てからすべて自分のいた世界と違ってたら戸惑うかもしれないから住む家はできる限り同じにして君に早くこの世界に慣れてほしいからや。」
「まあ少しは家が実家と同じ理由が分かりました。」
「うむ。最後に一緒に生活してもらう理由は異世界人同士一緒に生活して成功すればこれからも楔くんの世界と同盟を組みこちらに招き入れたいんや。ある事情からこちらの人口が少しだけ減ってきたので人口を増やすためだと思ってくれ。もし失敗すればこちらの世界とあちらの世界とで戦争して無理やりにでもこちらに人を呼ぶ。こちらには魔法があるのでこちらの世界が優勢じゃな。」
とルナはおっかないことを簡単に言ってしまった。
「質問なんだけどもし失敗した場合は俺はどうなるの?このままこっちの世界にいるの?」
「そうじゃな。魔法の原理など情報の漏洩があったらまずいから、こちらの世界でずっと暮らしてもらう。まぁだけど魔法の原理を知ったところであちらの世界の住人は魔法は使えないんだけどね。」
「じゃあもう一つ質問なんだけど何で俺が選ばれたの?」
「なんとなくだよ(笑)」
「ひどくない?それもっと考えて選ぼうよ。」
「まぁそういうことだからこっちの世界とあっちの世界の運命は君たちに任したよ~。じゃあね~」
「はぁ。」
てなわけで、いきなりことで頭がついていかないこの俺、楔 和人と部屋の隅っこで頭を抱えてショート寸前の少女のセシル=シャルルとの面白おかしな異世界生活が始まるのであった。
ご勝手ですが事情により一部で終わらせていただきます。