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scene:20 魔術士協会の派閥争い

 タニアと別れたリカルドは、ベルナルドに案内され宿となる彼の家を訪れた。

 商店街から歩いて十五分ほどの場所に在る高級住宅地に在った。ベルナルドは小さな家だとか言っていたが、リカルドからすれば立派な屋敷である。

 嬉しいことにベルナルドの屋敷には風呂があった。

 王都で風呂に入る習慣があるのは、金持ちだけである。何故かと言うと、王都の水事情が関係している。王都で使われる水は、北を流れるクレム川の水を引いて来て使うか、井戸を掘って使うかなのだ。

 大量の水を使う家や商店のほとんどは、高い使用料を払いクレム川から取水した水を使っており、風呂のある家は金持ちというのが常識となっている。


 この世界で初めて風呂に入った。別の場所で湯を沸かし、木製の湯船に水とお湯を入れ温度を調節する方式のようで、風呂を用意するのも大変なようだ。

 石鹸は存在せず、メケラズという木の実の果肉を粉末にしたものを石鹸代わりに使っていた。日本でも昔はムクロジの実を石鹸代わりに使っていたと聞いたことがあるので同じようなものかもしれない。

 モンタも一緒に風呂に連れて行くか迷ったが止めた。

 さっぱりして風呂を出ると食事の時間だった。


 夕食はベルナルドと一緒に頂いた。

 普段は割と質素な食事らしく、パンに地走り鳥の丸焼き、野菜サラダとスープだった。

「どうだね。我が家の食事は?」

 ベルナルドは五年ほど前に奥さんを亡くしており、三人の使用人と一緒に生活していた。ここは隠居所で娘夫婦が住む本宅は別にあるらしい。

「美味しいです」

「それは良かった。食事を用意をしたパオロは腕の良い料理人でね。自慢の一つなのですよ」

 確かに料理は美味しかった。地走り鳥の丸焼きは皮がパリッとして、中の肉からは美味しい脂が滴り落ちていた。そして、野菜サラダに掛けられていたドレッシングは酸味と甘味が丁度よく美味かった。


 モンタもバッグから出てきて、テーブルの上にチョコンと座り渡したアーモンドを食べていた。大きな前歯でコリコリ齧っている姿は可愛い。

『キュキッ』(お水、ちょうだい)

 リカルドは未使用の触媒を入れる1号木筒に水を入れ、モンタに渡す。拳銃弾ほどの木筒を受け取ったモンタは両手で持ち上げ飲み干した。

「可愛いペットだね」

 ベルナルドの言葉に頷いた。

「賢獣の子供です。ブルグで銀貨三枚で買いました」

 ベルナルドが複雑な表情を浮かべた。そして、言い難そうに。

「それは……騙されたのではないかね。賢獣が銀貨三枚というのはないだろう」

 リカルドはニコッと笑って。

「ええ、一緒にホーン狼の子供とか売っていましたから、インチキな商売だと思いました。でも、こいつは可愛いでしょ」

 ベルナルドは苦笑いして。

「なるほど、可愛いから買ったのか」

「でも、可愛いだけじゃないですよ。こいつは本物の賢獣です。念話ができるみたいなので確かです」

「エッ、銀貨三枚だったのだろ」

「売ってる奴も本物だと気付かずに売っていたようです」

 それを聞いたベルナルドが大きな声で笑い始めた。何か笑いのツボに嵌ったらしい。


 翌朝、お礼を言ってベルナルドの屋敷を出た。王都に来た時には、いつでも寄ってくれと言われた。

 魔術士協会へ向かう途中、指輪や髪飾り、ペンダントなどの装飾品を売っている店があったので覗いてみた。

 午前中なので客は少なく、店員が暇そうにしている。

「いらっしゃいませ、どんなものをお探しでしょうか」

 王都には貴族の子弟が大勢居るので、子供であっても邪険に扱わないようだ。ただリカルドが着ている古着のコートを見て、一瞬だけ顔を顰めた。

 安物だと見抜いたのだろう。


「ここでは紫玉樹実晶を扱っていますか?」

「もちろんです。髪飾りや耳飾り、ペンダントなど揃っております」

 店員が紫玉樹実晶を使った装飾品が並べてある所へ案内する。リカルドはペンダントを吟味し、花かごを小さくして紫玉樹実晶を嵌め込んだデザインの銀製ペンダントを指差した。

「これの紫玉樹実晶を別の紫玉樹実晶に変えることは可能ですか?」

「ええっ……そうですね。大きさが同じならば大丈夫だと思います」

 リカルドは唯一つ成功した収納結晶を取り出して店員に見せ。

「これと交換して欲しいのです」

 店員は収納結晶を見て複雑な表情を浮かべた。

「これは筋が入っておりますので、あまり質が良いとは言えませんが」

「判っています。ですが、自分にとって幸運のお守りみたいなものなので換えて欲しいのです」

「しかし、当店ではバラ売りはしていませんので」

「その紫玉樹実晶も買います。他に余っている紫玉樹実晶があるなら、それも買います」

 ついでに紫玉樹実晶も在庫があるか訊いてみた。在庫は交換するものを含めると八個あるようだ。


 値段交渉して、ペンダントと紫玉樹実晶の交換費用、在庫の紫玉樹実晶八個の値段合わせて金貨十三枚と銀貨六枚となった。高い買い物である。御蔭で店員は満面の笑顔を浮かべている。

 紫玉樹実晶は碧玉樹実晶に比べれば桁違いに安いのだが、魔境クレブレスの神珍樹からしか手に入れられないので、それなりに高価である。

 紫玉樹実晶の交換は奥に居た職人が手早く終わらせてくれた。支払いを済ませるとリカルドは尋ねてみた。

「ここでは収納結晶も扱っているのですか?」

「いえ、収納結晶は扱っていません」

 この店が収納結晶を扱っていれば、交換した紫玉樹実晶の中に浮かんでいる黒い星に気付いたかもしれない。

 出来上がった収納結晶のペンダントを首に掛け、収納結晶を嵌めたペンダントトップを服の下に隠すとチェーン部分も襟で隠れ、ペンダントを付けているのかさえ分からなくなった。


 店を出たリカルドは、魔術士協会へ向かった。場所はベルナルドから詳しく聞いたので分かる。

 高さ四メートルほどの塀が広大な敷地を取り囲んでいた。魔術士協会の建物は広大な敷地に幾つか散らばっており、正門の正面にある建物だけには誰でも入れるような構造になっていた。その建物は依頼や商談に来た人々が入る場所で、役所の受付のようなものがある。

 そこには三人ほどの綺麗な女性が受付をしていた。その中から二十歳くらいの金髪の美しい女性を選び。

「すいません。友人のパトリックに会いに来たのですが」

 直接マッシモを呼び出すのは怒られそうなので、パトリックを呼び出すことにした。

 受付の女性が、近くに居た八歳ほどの少年を手招きする。

「何ですか。リリアーナさん」

 魔術士協会には魔術士しか居ないと思っていたが違うらしい。受付嬢や小さな子供は協会に雇われ仕事をしている人々で、協会で働く三割はそういう普通の人だと後で知った。


「雑務局のパトリックを呼んできて頂戴。友人のリカルド様がいらっしゃっていると伝えて」

「分かりました」

 少年が走っていった。暫くしてパトリックが現れた。

「オオッ、ほんまにリカルドだがや」

 パトリックは魔術士らしい黒いローブを羽織り、腰に魔成ロッドを下げていた。

「パトリック、久しぶりです」

「よく来たな。試験には早過ぎるけど、どうしたんだがね」

「アレッサンドロ師匠に命令されて、本をマッシモに届けに来たのです」

 パトリックが溜息を吐き。

「あのオッさん、何を考えているんだがや。……まあええ、ワイを呼び出したって事は、マッシモの所へ連れて行って欲しいんやな」

「そうです。お願いします」


 パトリックは究錬局に案内してくれた。究錬局の在る建物は敷地の奥にあり、黒く塗られた三階建ての大きな建物だった。

 建物の一階は魔術士協会の人間と一緒ならば誰でも入れるらしい。一階はホテルのロビーみたいな場所で、研究熱心でない派閥の人間が屯している。

 リカルドたちの前を歩いていた三〇歳台の男性魔術士が、部屋に入ると鋭い視線で中を見回し。

「ライモンド。貴様、マルティネス商会の依頼を横取りしたな」

 ライモンドと呼ばれた王権派の魔術士が立ち上がり、大声を上げた魔術士を睨む。

「失礼だな、君は。受付に依頼されたマルティネス商会の仕事を引き受けただけだろ。マルティネス商会は長老派に頼むとは一言も言っていないぞ」

「馬鹿な、昔からマルティネス商会の依頼は長老派で引き受けると決まっていたのだ」

 マルティネス商会は触媒を売買している商会で、魔砲杖に使う触媒についての調査依頼を出している。

「ふん、今回の依頼は魔砲杖で使う触媒についてだぞ。魔砲杖を嫌っている長老派が引き受けて良いのか」


 長老派のジャンピエロは言葉を呑み込んだ。痛い所を突かれたからだ。長老派が魔砲杖の使用には反対しているのは周知の事実である。

 それから長老派と王権派の間で言い争いが起こり騒ぎが大きくなった。

 リカルドは争う様子を見て、何だかうんざりした。

「いつも、こんな感じなのですか?」

 パトリックに尋ねると。

「いつもじゃないけど、こんなもんだがや」

「究錬局というのは、もうちょっと知的で研究熱心な魔術士が集まっている部署だと思っていたのに」


「がっかりした?」

 リカルドたちの後ろから声がした。振り向いてみるとタニアが苦笑いしながら立っていた。

「タニアさん、昨日はありがとうございました」

 パトリックが肘でリカルドの肩を突く。紹介しろという合図だ。

「こちら、同郷の友人で魔術士協会に入ったばかりのパトリックです」

「究錬局のタニアよ」


「しかし、何でリカルドが究錬局のタニアさんと知り合いなんや」

「昨日、偶然知り合っただけです」

 三人で話している間に、罵り合いだった騒ぎが殴り合いに発展した。

 長老派の若手が王権派の若手を両手で押すと押された王権派の若手が相手を殴った。若手が全て乱闘に加わった。但し、魔術士の素手による乱闘は迫力が無かった。へっぴり腰で放ったパンチは空を切り、パンチを放った反動で足元がよたつく。

 子供の喧嘩の方がよっぽど見応えがある。御蔭で見物していたリカルドとパトリックの顔には、全然緊張感が無かった。魔獣との戦いを経験している二人から見ると真面目にやっているのか疑問が湧くほどだった。

 派閥に参加している魔術士たちは、喧嘩したことがなく勉強と魔術の修行だけをしていたのかもしれない。

 一方、喧嘩とは無縁だったタニアは、顔を青褪めさせ見守っていた。


「何をしている!」

 威圧感のある大声が部屋の中に響いた。その声で騒ぎを起こしていた者たちが静まった。

 下の騒ぎを聞き付け、究錬局の副局長であるイサルコが下りてきたのだ。

 タニアはホッとして、イサルコの傍に駆け寄る。

「理事、何とかし……」「その無様なパンチはなんだ。腰が入っとらんぞ」

 タニアとイサルコが同時に言葉を発していた。だが、タニアは途中で、唖然とした表情を浮かべ黙る。

「何を言ってるんです?」

「見ただろ。あのへっぴり腰……これが優秀だと選ばれた究錬局の魔術士なのか」

「……でも、彼らは研究者として選ばれた魔術士なのですよ。喧嘩慣れしていないのは当たり前じゃないですか」

 イサルコは鼻息を荒くして。

「ふん、私の若い頃には魔境に行って腕を試したものだが、こやつらは魔獣一匹倒した経験がないのじゃないか」

「研究者に魔獣狩りの経験は必要ありませんよ」

「馬鹿を言うな。魔力量を増やす一番の方法は魔獣を倒すことだぞ」

「『恩恵選び』のことを言っておられるのですか?」

「そうだ、君も【魔力量増強】を選んだのじゃないのか」


 タニアは目を背けた。

「何だ。魔獣を倒した経験が無いのか」

 王都で普通に暮らしていると魔獣ハンターや魔術士協会の討伐局でなければ魔獣と戦う機会はほとんどない。

 これは王都が厳重に守られているからだ。

 辺境の地で育ったリカルドやパトリックは、町や村の外に出れば普通に魔獣と遭遇したが、大きな町では旅をしない限り魔獣とは遭遇しない。


 王権派のライモンドと長老派のジャンピエロがイサルコに歩み寄り。

「理事、マルティネス商会の依頼は長老派で引き受けていたのです。当然、今回も長老派が引き受けるのが筋だと思いますがどうです」

「待て、依頼内容により引き受ける者を選ぶのが当然だ。今回は魔砲杖に関係するもの。王権派が引き受ける」

 またも喧嘩になりそうなので、イサルコが止めた。

「また、へっぴり腰の殴り合いを始めるつもりか。今回の依頼は実力のある者を選ぶ」

 タニアが心配顔で。

「どうやって実力があるか判定するのです?」

「魔術の腕を競う。代表者三人が魔術を披露し、その優劣で決める」


 ライモンドとジャンピエロは承知し、それぞれの代表を決めた。

 ガヤガヤと騒ぎながら、イサルコを先頭に訓練場の方へ移動を始める。

 部屋にはリカルドたちとタニアが残った。

「あなた達、マッシモを探しているのよね。連れてくるわ」

 タニアは二階に上がり、コロコロと太ったマッシモを連れてきた。デルブに居た時より確実に太っている。


「何だ、リカルドとパトリックか。何の用だ?」

「師匠より、この本と手紙を預かってきました」

 リカルドは預かっていた魔術大系と手紙をマッシモに渡した。

「ふん、ご苦労。それより、先程騒がしかったが、何があったんだ?」

 マッシモは相変わらず偉そうだった。

 パトリックが簡単に説明し、マッシモに別れを告げた。

 リカルドは、遥か遠くから旅してきたのに数分で用が済んでしまったので、何だか気が抜けた。


「さあ、私たちも見に行きましょう」

 タニアに促され、マッシモを残し訓練場へと向かう。

 訓練場は広い敷地内の南東の隅にあった。サッカーが二試合同時に行えるほどの広さがあり、所々に魔術の標的として利用されているのだろう土嚢を積み上げたものや丸太を地面に突き立てたものが在った。

 究錬局で騒いでいた者たちは、土嚢を二メートルほど積み上げた標的の近くに居た。

 魔術を競う順番を決めているようだ。


 順番が決まり、長老派の魔術士が一人進み出た。

「見てろよ」

 その魔術士は二〇歳ほどのひょろりとした男で、腰からロッドを取り出すと魔術のために準備を始めた。

 魔力を放出し【風】の触媒を振り撒く。その魔術士が選んだのは中級上位の魔術【滅裂雨】だった。

 標的の上空で大気が渦巻き、二〇秒ほど経過した後、幾本もの衝撃波の雨が地上の標的に命中した。衝撃波の雨は土嚢に穴を穿ちズタズタとした。


 『オオッ』と見ていた魔術士たちが歓声を上げる。だが、イサルコは冷静に魔術で穴の空いた土嚢の数を数えさせた。

「二十一です」

「よし、次は王権派だな」

 究錬局の魔術士たちが次々に自慢の魔術を披露した。どれも中級上位の魔術で威力はそれなりだった。

 リカルドは見物していて、違和感を覚えた。究錬局の魔術士たちが発動した魔術はどれもリカルドが習得していないもので威力も中々だった。

 だが、凄みというか迫力を感じない。魔術士たちが放つ魔術を見ていて何故か分かった。魔術の発動までに時間が掛かり過ぎている点と魔術を放った後の魔術士が魔力切れで喘いでいる様子から、魔術士たちの魔力量を無意識に計算し、自分より少ないと判断したのだ。


 現在、リカルドの魔力量は四〇ほどに増えており、源泉門から力を引き出さなくとも中級上位の魔術なら二度は使える。

 その時のリカルドは、少しガッカリした表情を浮かべていたのかもしれない。その表情に気付いたタニアとイサルコが話し掛けてきた。

「タニアから聞いたよ。君がマッシモの弟弟子のリカルドだね」

「はい、リカルド・ユニウスです。よろしくお願いします」

「こちら、魔術士協会理事のイサルコ様です。……ところで何にガッカリしていたの?」

 リカルドは助けを求めるようにパトリックを見たが、パトリックは視線を逸らした。リカルドは仕方なく正直に答える。

「究錬局の魔術士というのは、知的で研究熱心で、魔術も飛び抜けた技量を持っていると思っていたのです」


 その答えにイサルコが苦笑いする。

「勘違いしないでくれよ。ここに居るのは究錬局でも程度の低い連中だ。真面目に研究している連中は、この場に居ない。それに実践的な魔術が使えるのは、究錬局の者ではなく討伐局の魔術士たちだよ」

 イサルコにはそう言われたが、派閥争いをしているような連中がのさばっている究錬局には魅力を感じなかった。リカルドはパトリックを見て。

「雑務局でも派閥争いがあるの?」

「いや、雑務局に居るのは新米か、他から弾き出されたあぶれ者だから派閥争いだけはないな」

 魔術士認定試験で普通の成績を取り、魔術士協会に入った者は最初に雑務局に入り魔術士協会について学ぶらしい。


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