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さざめき

If 架坐都がまるっと前世を忘れていたら

作者: min

本編と異なりびっくりするほど健全です。

「おはよう、架坐都くん」

「おはよ、波乃」


 俺は緩む頬をそのままに波乃を腕の中に閉じ込めた。


「か、かざとくんっ!ここ教室だよっ」

「いいじゃん。見せつけてやろうぜ?」


 じたじたともがく波乃を更にぎゅうぎゅう抱き締める。

 わたわたしていた波乃も最後には諦めて、「はっ、はずかしいよ…。架坐都くんのばか」と顔を赤くしながらも俺を抱きしめ返してくれる。それがもう超可愛くて、どうしよう俺幸せすぎる。


 波乃とは一年の六月、土砂降りの雨が降る中で会った。

 傘を忘れていた俺はもう全身濡れ鼠になっていて、梅雨爆発しろとか思ってたところに天使、いや、女神が舞い降りたんだ。


『あの、…入ります?』


 ちょっと戸惑い気味に上目づかいで首傾げられながら言われたらもう誰だって悩殺されて即オーケー出すと思うね。

 そして新たな事実浮上。

 最近引っ越してきたらしい波乃は俺の新しいお隣さんだった。校区内での引っ越しなので学校は変わっていないのだとか。

 というかさりげなくクラス聞いてみたら同じだった。

 と、いうことはだ。俺はこの二か月こんな可愛らしい天使を見逃していたということだ。

 なんたる不覚。

 そして帰り際にまた明日って言ってくれた波乃は、うん、やっぱり天使だった。

 そして胸ずっきゅんされてしまった俺は翌日から波乃に猛アピールし始めた。つられて何人かのアホが波乃に絡みだしたので容赦なく叩き潰した。波乃は俺の嫁なんです。異論は認めません。

 そして九月頃に漸く波乃が靡いてくれて、俺の三か月の努力は実を結んだのでありました。只今高二の春です。毎日が素晴らしすぎる。


「架坐都くん、」


 ぼうっとしてたら、右頬に柔らかい感触。


「…いっつも私ばっかり振り回すんだから。…仕返し」


 思わず緩んだ俺の腕から抜け出し、ちょっと顔を赤くして、つん、とそっぽを向く波乃。

 …ねぇ波乃さん知ってますか。

 正直、俺にとってこんなんご褒美でしかないんですけど。

 俺は何時の間にかかなりにやけていた。しかし、照れMAXな波乃は一向に気づかない。


 どうしよう。毎日が幸せすぎて辛い。



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