第2話 渉のイマジナリー歩
歩おばあちゃんは三股していた渉おじいちゃんの死を聴いてホッとしていた。
「あいつは2005年に生まれてはトラックに轢かれ続ける生活を送っていたのぅ。もう病院に帰ってくることがなくてせいせいするわい。」
渉が歩と出会ったのは2001年の頃、まだ生まれる前のことだ。渉と歩はライバルであり誰が最初にゴールできるかいつも戦っていたが、次第に活力がなくなり最期の戦いと決めたその日に同着でゴールし今に至る。実に400年以上の付き合いだった。
渉は所謂魔法少女というものだったらしい、生まれてすぐに病院を破壊しては、トラックに轢かれ、入院した病院をまた壊す、しかも毎回歩がいる病院だ。たまったもんじゃない。
「渉の遺産は私が受けとります。私なら彼が残したこのステッキを扱えることでしょう。」遺族や天皇には申し訳ないがこのステッキを他の人に渡すわけにはいかない。三股していたがこれでも根がいいやつで良くATMになってくれたもんだ。せめてこのステッキだけは私が使おうと思った。
遺産整理をしてステッキ以外を売り捌き、火葬にガソリンを注ぎいれた。最後は良く燃えていた。地獄に行った渉も喜んでくれただろう。
そうして月日が流れ103年後…
作者a