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ブレスネットの君⑤ お前、朝早いからな

翌朝、充分に眠った体はスッキリしていて。


「よし」


ビジネスホテルで朝食をとり、チェックアウトをする。


ここのビジネスホテルの朝食は6時からということもあってここに泊まったのだ。


そのまま電車に乗り自宅へ向かう。


朝、6時30分。車内にはあまり人がいない。


スマホを見ると、先輩から着信の他にメッセージ。


見ると既読になるのでそのままにしておく。


他の友人達からのメッセージもそのままスルー。


母と一人の友人にメッセージをおくる。


ホテルを出て、これから家に向かうこと。


「俺も家を出たから、そのままお前の家に向かう」

と、メッセージが来た。


「なんで?」


「今日、休みだから。車で行くからそのまま実家に送ってやる」


「ありがたい」


朝早くから本当に助かる。


「朝早くから本当にごめんね」


「お前、朝早いからな」


そうなのだ。いわゆる朝方人間なのだ。

だから、夜遅くまでの飲み会が今でも苦手。


よく覚えてるなー。


最寄駅のロータリーに友人が車で待っていた。


「おはよう」


「おはよう、朝ごはん食べた?」


「軽く食べた、後ろに乗って」


「お邪魔しまーす」


青い車の後部座席に乗る。


「多分大丈夫だと思うけど、近くに先輩がいたら知らせるから」


「ありがとう」


朝7時。駅前は少しずつ混み出していた。


家の近くのパーキングに車を停めて、家に向かう。


友人が荷物を持ってくれた。


背が高くて、すらっとしてる。

メガネをかけていて知的な印象だが、口が悪い。でも悪い人ではない。


家がオートロックでよかったと本当に思った。


開錠し、エレベーターに乗って部屋へ向かう。

ドアの前には誰もいなさそう。


「いないね」


ほっとした。


「何号室だ?」


「503号室」


「俺が先に行くから、後ろからついて来い」


「わかった」


部屋の前に着いて鍵を開けようと、ドアノブに手をやる。


「待て」

友人からストップがかかる。

なんだろう?後ろの友人に振り向く。


「お前はここにいろ。部屋の中、先に見ていい?」と、小声で聞いてきた。

「お願いします」


玄関を開け、友人が靴を脱いで先に部屋を見てくれた。

私はそのまま玄関に立っている。


ワンルームだが特に散らかっては無いと思う。


友人が玄関に戻ってきて、スマホの画面を見せてくれた。


私はうなずき、靴を脱いで、ブレーカーの電源を落とした。


「盗聴の疑いあり」


スマホの画面にはそうあった。

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