図書室と美術室の君たち① お願い
野球部は結局、一週間の部活動禁止になったが、その後は活動を再開している。
ある日の放課後、図書室に真剣な顔をした根野葉先輩が来た。
小声で、
「愛上君、お願いがあるんだけど」
と言ってきた。
なんだろう?
「美術部員が二年生と一年生、合わせて4人、後1人、部員が欲しいのよ」
「三年生が抜けて5人じゃないと部は存続できないんですよね」
文化部は10月の文化祭が終わってからの引退が多い。
「そうなのよ。二年生にひとりいたんだけど、辞めちゃって。
愛上くん、入ってくれないかな?」
「兼部ってできるんですか?」
「できるわよ、歴代で美術部長と茶道部長を兼任して図書部にも所属してた生徒がいたもの」
なんだそのパワフルな先輩は。
「わかりました、ちょっと相談してみます」
「よろしくね!活動は、週一でも、昼休みでもいいから!」
根野葉先輩は足取り軽く図書室から出ていった。
図書部長の菊家先輩に相談してみる。
「根野葉先輩から美術部員にどうかと誘われました」
本棚の整理している部長にそういうと、
「曜日を決めて活動してくれるなら、いいんじゃないかな?」
あっさりと許可が出た。
「部員の確保はどこも大変だからね」
「二つの部長を兼任して図書部員もしていた先輩がいたと根野葉先輩が言っていました」
「文化部は兼任の部長はオッケーだよ。
ただし部長は二つまでって」
「そうなんですね」
「無理せずにね」
お昼休みも美術部員として活動することも可能なら、夏休みは丘さんと一緒に美術室にいれるかな?
相談してみよう。
図書室を閉館して、丘さんに相談してみる。
「丘さんはどう思う?」
「いいと思う。テニス部は火曜日がお休みだから、その日は美術部の活動にしたり、お昼休みに活動したりすればいいと思う」
「そうしようか。火曜日が休みなら俺も火曜日に活動して、あとは昼休みかな?大会近い日は美術部の活動を制限してもらって。
でも、無理せずにね」
「絵は描けないけど、楽しそうだね。私もテニス部長に相談するね」
「俺も絵は得意じゃないけど、丘さんといたら楽しそう」
後日、俺と丘さんは晴れて美術部員になり、大歓迎をうけた。
この後22時にもう1話続きます




