図書室の君と美術室の君② それだけでわかるものなのか?
「ええと、それでですね」
カップをテーブルにもどす。
「元担任がいなくなり、先輩達は卒業して、それで終わりと思っていたらそうではなかった。
あの元担任の身内だから、将来何かあるかもしれないと恐れていた。
つまり、加害者でもあり、被害者でもある身内の報復を恐れた。
こちらからアクションを起こせばというところで、俺は何もしなかった。
まぁ実際、俺は知らなかったわけだし。
ただ、加害者の弟がどうでるかわからなかった。もともと素行が悪いから。
加害者の弟は、うちの生徒を脅した。
それがたまたま、生徒会で、周世先輩達を知っている野球部の一人で。
表向き野球部は脅しに乗っていて、先輩達に相談していた。
そこで、小佐治先輩が怪我をした。
怪我をさせたんですね、こちらが被害者のようにして。
あって、いますか?」
「怪我をしたのは事実だ。調査会社でも使ったのか?」
小佐治先輩がふーっと大きなため息をついた。
「いえ、小佐治先輩のスケッチブックです、卒業制作で美術室に置いていたでしょう?」
「え、あれ???」
「あれです。スケッチブックには日付や場所も入っていました。
周世先輩が大会前の顔が険しいこと、元担任の目線が都奈先輩だったこと、都奈先輩の近くにはいつも育先輩がいた。
丘先輩は元担任の方を向いていました。
本当にたまたまだったんです」
「それだけで、わかるものなのか?」
「小佐治先輩は多分いろんなことをいろんな角度で見る人だろうなと思って」




