図書室の君㉓揉めているところの
更新が遅くなりまして、大変申し訳ございませんでした。
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色んな角度で見ていた先輩だから、周世先輩のことも色んな角度で見ていたのだと思う。
小佐治先輩が鎌倉で加害者の弟と会ったのは、たまたまだろうか。
それはわからない。
でも意識がないくらいに暴力を受けたのは確かだ。
「周世先輩と図書室にいる雰囲気がすごく良かったので、卒業してからお付き合いをされたと聞いてびっくりしました」
根野葉先輩は困ったような顔になった。
「小佐治先輩、たまにその席でスケッチしてたんだけど隣は誰にも座らせなかったの。周世先輩しか座らせなかったのよ」
「そうなんですか?」
「周世先輩は怪我をしてそれどころじゃなかったみたいだから、様子を見ていたんじゃないかな?」
「なるほど」
この隣の席は小佐治先輩にとって特別な席だったようだ。
特別。
小佐治先輩は周世先輩のために、色んな行動を起こした。
それが女装だっただけだ。
ここまでされると周囲はひくかもしれないが、そう思わせない。
多分小佐治先輩だからだ。
「小佐治先輩は本当にすごいですね」
「そうよね、素敵な先輩達なの」
根野葉先輩はそう言っていた。
「愛上くん、これ見て!」
丘さんがスケッチブックを俺の方に見せてきた。
「なになに?」
遠目でよくは見えない。
席を立って丘さんのところにいく。
「これ、愛上くんじゃない?」
小さなスケッチブックには鉛筆で描かれていた一人の男子生徒。
本棚整理をしている横顔は
「俺だ」
いつの間に描いていたんだろう。日付入りだ。
去年の7月半ばの頃だ。
3ページぐらい俺の姿が続く。
次のページをめくるとカウンター作業をしている俺と菊家先輩の姿。
俺のこと調べてたのかな?
加害者の遠い親戚って聞いたのかな。
母に確認してみよう。
他にも色んな部活動姿のスケッチ。
「あ、お姉ちゃんだ」
演劇部と合唱部の合同練習だろうか?
発声練習をしている。
陸上部の周世先輩の姿もあった。
「丘さん、この女子は?陸上部?」
周世先輩から少し離れたところに男子と女子がの二人組がいた。女子の方が、おーい、と声をかけているような。
「前の生徒会メンバーだよ、見回りかな?都奈先輩で隣の男子が育先輩」
「都奈先輩?」
「育先輩は会長でパソコン部。都奈先輩は会計で帰宅部」
「育先輩と、都奈先輩、小佐治先輩、周世先輩の四人が同級生で生徒会メンバー?」
「そうだよ」
「この前図書室に来ていた生徒会は二犬さんと伝手さんとあと二人の同級生は?」
「火部君と辺誉君?」
「何部?」
「火部君がサッカー部、辺誉くんが野球部だよ」
ほら、ここにいるよ。
丘さんが、陸上部の隣でサッカーボールを蹴っている男子と、ユニフォームでランニングしている男子を指さしてくれた。
「野球部」
揉めているところの。




