図書室の君⑮ 俺には関係ないことだ
「それじゃ、先輩、私ここの駅なので。今日は色々聞けて楽しかったです。愛上君バイバイ、また明日」
「こちらこそ楽しかった!またね」
「バイバイ、また明日ね」
丘さんが先に電車を降りた。
俺はここからあと3駅のところだ。
「先輩はどちらまでですか?俺は3駅のところです」
「私は4駅。周世先輩と同じ駅だったの」
「そうなんですね」
「朝は周世先輩と一緒に登校してたから、今でも早めに学校に来ることが多くて。早いと混んでないから楽なのよね」
「わかります」
1時間も早いと電車内も混んでないだろうと思う。
「小佐治先輩ね、お元気なんだけど、まだ会える状態じゃなくて。
今朝、周世先輩に押し花をお渡しして、伝言もお伝えしたんだけども、命は別状はないみたい。
だけど、なんで助けを呼ばなかったのか、そこの部分が本当に不明らしいのよ」
「そうなんですか。でも無事でよかったと思います」
「私もそう思う。愛上君が鎌倉じゃないかと推測してくれた、と二犬さんから聞いて。本当にありがとう」
小佐治先輩が在学中から深く関わっていたのなら、根野葉先輩達はすごく心配したと思う。
「いえいえ、本当によかったです。
俺は周世先輩と小佐治先輩と話したことは無いと思います。
だけど、いい雰囲気の二人だなって、ずっと思っていて。
素敵な先輩達だねと丘さんと言ってました。
だから、無事でよかったと思います」
「本当に素敵な先輩達なのよ」
根野葉先輩がにっこり笑ってそう言った。
俺が降車する駅についた。
「先輩、お疲れ様でした、失礼します」
「またね」
電車を降りる。
なんで助けを呼ばなかったのか。
手の震えがいつもより増強していたのかもれしれない。
でも、それはあくまで推測だ。
そして、俺には関係ないことだ。
だけど、周りが心配するだけあって、すごく素敵な先輩だと思う。
元担任と加害者は今はどうしているんだろうか。




