次の面接の前に
就職しない。そんな選択肢があればまだ良かったかもしれないが、それでは貯金がいずれ底をついてしまう。石油王ではないし、実家を頼ることもできない私には就職しない手段は極めて非現実的だ。
まずは就職活動の所作について人から習得しておきたい。
根気強く調べ続ければ、どうにか見つけることができた。
就職サポートを行う民間企業で、今はzoomを使いオンラインで四日間の研修プログラムをしているそうだ。
すべて無料で参加できる、と言うところに若干の怪しさを感じつつもとりあえず登録をし最初の面談を受ける事にした。
しかしそれだけでは不安は埋まらない。
自分のつきたい職は少しばかりパソコンのスキルが必要になる。
書類選考の際には履歴書と一緒にポートフォリオの提出を求められるような事がほとんどだ。
しかし今までその職に就いたことはなくポートフォリオの力作たちはどれも趣味で作ったものだ。自分のスキルは果たして仕事として役に立てられるレベルのものなのか……それさえもわからない。
実は二週間ほど前にこれまた民間企業の育成講座に申し込んでいたのだが、コロナのために中止となっていた。
似たようなものは少なくても、他にもあるはず。
そう考えた私はドライヤーで濡れた髪を乾かしながらスマフォでの検索を続けた。