女性
世の中には呪われてた指輪をしている人たちが一定数いる。
その呪いを受け、苦しんでいる人もまた、いたりする。
呪った本人が苦しんでいることもあったりする。
呪いの加害者と被害者。
昔は呪いの拘束は強くなかなか呪いを解くということはなかった。
今ではそこまでの拘束力はないのかも知れない。
それでも一度受ければ、解呪しても付きまとう。
そのような呪いに神の祝福のごとき思いで待ち焦がれる人もいる。
何故にそこまで呪われたいのか気が知れない。
そんな思いで半眼で睨んでいた、今までの自分。
その目の前には自分を縛る呪いの指輪をもつ人物。
その呪いを掛けようとする悪魔が前に立ち塞がる。
人を縛る呪いの指輪。
家族でさえをも縛り付ける効果を持つ。
名すら変える拘束力。
恐るべき縛鎖の力。
呪われると公開処刑のように親族や友人、同僚に晒し物にされた上に呪いの言葉を掛けられる。
何時間も拘束され、儀式の完遂を強要される。
そうやって呪われたことを周知される。
さらに恐るべきことに顔の筋肉が制御を離れようとしている。
口から普段と違う言葉が漏れそうになっている。
驚きに目が乾いたのか、涙が溢れて頬を伝う。
『死が二人を分かつまで』
祝福と言う名の呪い。