表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/31

Y 本当に死ぬつもりだったのか――

幼馴染が引っ越し、クラスのアイドルが入院してしまう現実に……ヒロは焦りと苛立ちを感じ……最後の分岐を誤ってしまう――!?


「なんなんだよこのゲームは――! 本当の目的は――一体何だったんだ!」


 補習が終わると、そう言って鵙美に詰め寄った。詰め寄ってしまった――。

 少し考えればその行動が――どういう結末を招くのか、容易に分かったはずなのに――。


「俺の幼馴染が本当に引っ越してしまうし、――九条は入院する? これじゃまるでゲームと同じじゃないか! こんな現実があってたまるか!」


 俺がやってたのは――ホラーゲームにしか思えない!


「わたしはヒロ君が言う通りにゲームを作っただけよ」

 怯えた瞳……夏休み最初の時と同じだ――。


 ――あの時とまったく同じだ――


「俺の言う通りだと?」

 確かにゲーム作りのアドバイスはしたさ――。だが俺が鵙美に追加させようとした分岐は全部グッドエンドだっただろ――!


 最初からあったバッドエンドばかりに現実が傾いているじゃないか――!


「それに、私たちがしていたのは……恋愛シミュレーション……ゲームなんかじゃない……。ヒロ君にも気付いて欲しかったのに――」

「なにをだよ! ホラーゲームだったってことにか――!」

 それとも俺の腐った性根か!

 ひねくれた性格か! ――よけいなお世話なんだよ!


「気付いて欲しかったのは、

 ――私の気持ちよ! もう知らないっ!」


 鵙美は鞄を置いたまま、走って教室を出て行った――。

 また泣かせてしまった……。

 そして――ハッとした……。


 ――もしゲーム通りに現実が進むというのなら、――三人目は確実にバッドエンドしかない――

 恐ろしくグロい、あの交通事故のシーンが脳裏に映る――。この日、これから起こる惨劇までも……、最初から鵙美は予想していたとでもいうのか――?



 鵙美がゲーム作りをしていた本当の目標……。ゲーム通りに――自殺することだったのか――



 ――そんなバカな事、あるわけねー! いったい鵙美はなにを考えてやがる――!


「――まて! 鵙美!」

 ゲームと同じシーンだ! 同じセリフを言っている――。

 俺が考えたセリフだ――。

 ――このままじゃ駄目だ――!


 ゲームと同じ結末になっちまう――



挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ