あたたまろうか。
「さあ、ここが私のお城です。」
帰り道は思いのほか時間がかかってしまい、家に着いたとたん一言だけ吐き出し、築20年ほど経っているありふれたアパートの自分の部屋へと向かった。
「……。」
美しい白猫さんは疲れと寒さのせいか、小さな寝息を立てている。
道理で途中から返事が返ってこないな、と思った。
「今朝、面倒くさがってお風呂のお湯そのままにしといてよかった…。」
玄関を開け、お風呂場へと直行する。
白猫さんを起こさないよう、そこら辺にあったかごにふわふわのひざ掛けを敷き、そこへゆっくりと寝かしなおす。
着ていた衣類はすべて脱ぎ、雪によって濡れてしまっているので洗濯機へ放り投げる。
濡れているせいで脱ぐのに時間がかかってしまい、まだ温かったところもすっかり冷えてしまった。
猫さんをそのまま脱衣所に放置し、自分の冷めきった体を温めるべく、今朝入れたばかりの湯舟へとつかった。
「…………ふーーーーーっ…。」
やっっっと生き返る~。あったかい~。
感覚を取り戻してきた足や腕をマッサージしながら、肩までしっかりつかる。暖かい!
たっぷり一時間もつかっていると、さすがに汗をかいてきた。
「あ、猫さんまだ寝てるのかな…?」
白猫さんのことも思い出したので、シャワーで軽く流してお風呂から出る。
しかし、お風呂場からでてきた私の目には、見知らぬ男性が映りました。
「あら、やっとでてきたわね。」
「……はい…?」
これは、どういうことでしょう?
自宅での入浴なので、今の私は漫画のようなバスタオルなど身に着けてはいないし、というか猫だったはずで。
今はなぜか、どこかの民族衣装の様な(エジプトの女王様が着てるものににてるなぁ)ヒラヒラした白い服を着た人がいました。
「…っ!!?…え……???……!?!……へんttっ!!」
「ちぃっ!だから私の姿はほかの者には視えんというておろう!」
大声を出そうとした私のお口は、彼の大きな手にふさがれてしまい、息さえ苦しい状況となりました。
っとりあえず、何か身につけさせてください!
こちらもお久しぶりです
読んでくださった方、ありがとうございます!
そして、また次話にて!