6/29
~出窓~
出窓に僕は座っている
硝子に身体を凭れ掛けて
人・犬・猫・・・・・・
誰も僕には気づかない
ぼんやり僕は出窓に座っている
鳥や虫が飛んでいく
僕はただそれらを見つめている
僕はここから動けない
僕に出来るのは
ただ外を眺めていること
それだけ・・・・・・
ある日硝子は
硝子(僕の身体を支える物)ではなくなった
身体が硝子を通り抜けた
落ちるかと思ったけど落ちない
ふわふわと浮いている
僕は雲と一緒に
どこまでも吹く風と共に流れていく・・・・・・
*****************************
忘れられた古ぼけた邸
出窓に座るは小さな亡骸
誰にも気づかれない・・・・・・
しかしその顔は
幸せそうに笑っている