微睡みの中で

～あの空へ～

かえりたい。

カエリタイ。

この重い身体を脱ぎ捨てて

還りたい。

全てを忘れることなく

貴方をまもるために

見えない獣に姿を変えて

貴方の魂の側にずっと寄り添っていたい。

見えなくてもいい。気づかれなくてもいい。

ただ貴方が、

苦しみ悲しむことがないように

永久(とわ)に守ることが出来るのならば

それでいい。

私の願いはただそれだけ。

たったそれだけなのに

それすらも叶わない。

今のまま、ちょっとだけ

貴方の側に行くことが出来た。

ほんの少し欲が出たのは認めるけど、

やっぱり私は貴方の笑顔が崩れないことを

一番に願っている。

「それだけじゃないだろ？嘘つき」

そんな風に言う人もいるかもしれない。

それでも、私は

無理矢理何か行動を起こすつもりはない。

ただ、あなたの幸せだけを願っている。