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~水~

こぷん……。

こぽこぽこぽ……。

水が溢れる。あちらの隙間、こちらの隙間から流れ出してくる。

じゃぶん。

足を動かすと、水飛沫が反対の足を濡らす。

ぷくぷくぷく……。

足下から小さな泡が幾つも上がっている。

床からも水が出ている?

どんどん水位が上がってくる。

足から腰、腰から胸……。どんどん上がる。

それなのに、不思議と心は落ちついている。


水圧はあまり感じない。身体は自由に動く。


顎の辺りまで水が上がってきた。おもむろに口を開く。

水が入ってくる。苦しくはない。

鼻からも水が入ってきた。

ごぼり……。

肺の中にあった空気が一気に口から出ていった。


身体の中がすっかり水で満たされた。



水は外界とのバリア。

もう何も見えない、聞こえない、届かない。

これからは、みんなの言う普通を、ただなぞるだけ。

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