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少々優柔不断な僕と一直線な君  作者: ミシシッピアカミミガメ
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1話

主人公とヒロインの姿形の描写はなるべくしないつもりです

皆さんのご想像にお任せします

「よーい、ハイッ!!」


その掛け声と共にスタート台から飛び込む。その勢いを殺さぬままドルフィンキックを始める。水面に近づいてきたと感じたら両腕を勢い良く体の横から前へと出す。そのまま何度も何度も手を回し足を

動かす。


(なんかいい感じかな)


そしてターンをした後、隣のコースで黒い物体がチラついた。

それは腕を右、左、右、左と動かし、足も同じように動かしている。


(はええ)


それを思ったあと、意識を失った。というより何も考えられなくなった。

気絶したわけではない。単純に何も考えられなくなっただけだ

ひたすら腕を回し、プールの壁に両手で触れるだけだ


(あと10m.......)


少しでも早く着くように腕を伸ばして―着いた。


「駿、31秒76!」


終わった。そう思うと脱力してプカッと水面に浮かんだ。


「駿、おっつー!」


隣のコースから女の子が話しかけてきた。

声がした方を見ると頭に『どすこい!』とかかれた黄色いスイミングキャップを付けた女の子がこっちをみて笑ってた。


「心実、フリー何秒だった?」

「29秒なんとかだったー」


そう言ってコースロープに品垂れかかる。コースロープ切れるからそれやめい。


「駿、ターンした後遅いよねぇ」

「バタフライは両手で壁を触ってからターンしないとダメだから普通じゃん?」

「いや、それでもなんか遅いよ」


何でだろうか。多分、スタミナが無くなって腕を動かすのが遅くなったとかなのだろうか

プールに浮かんで空を見ながらぼへーっとそんなことを考えてるといきなり水をかけられた。


「ぶへっ!?」


ゴーグルを付けてないときに思いっきり水をぶっかけられると少しビビる


「何するんですか、部長!」


水をかけてきたのは2年生の部長。三年生が6月の大会で引退したので今は2年生が中心になって部活をやっている


「いいからクールダウンしてからシャワーを浴びろ。そしたら今日は解散だ」

「え、ミーティング無いんですか?」

「面倒だし、先生いないから無し」


分かりました。と返して、俺と心実は先程泳いだ時に使った筋肉を休ませるためゆったりとした動きで泳ぐ。このクールダウンが無いと筋肉痛になったり足を攣ったりと大変になる







クールダウンを終えてプールから上がる。今は7月の昼間だが少し風が吹いていてこの水で冷やされてる体だと少し寒く感じる。泳ぐ前まで着ていたジャージを持って急いで隣接してる更衣室に向かいジャージを自分のロッカーに叩き込み、温水シャワーの出るシャワー室に逃げ込む。

そのまま温度調節をせずにノズルを回してしまったので


「冷たっ!」


となってしまった。なのでノズルの隣に付いてる温度調節のレバーを弄り暖かい温度まで上げる


「寒い寒い!」


がらっとシャワー室のドアを開けて心実が入ってきた。

寒い寒いと何度も言いながらノズルを回す。寒いっと言わずに暖けぇと言いながらシャワーを浴びてるので温度調節は初めから丁度いい温度に設定されてたのだろう


「プール泳ぎ終わったあとのこの暖かいシャワー堪らん」

「ねー、中からじわっと来るこの暖かさいいよね」


そう言って心実はスイミングキャップを外して髪をガシガシ洗い始める。


「あ、俺スイミングキャップ付けっぱなしだった」


何故か分からないが口に出してしまったあと、頭からスイミングキャップを取る。俺のは『どすこい!』と書かれたスイミングキャップの黒色だ。

心実とは色違いだったりする





シャワー室を出て着替えて、ロッカールームにたむろしてた先輩達に挨拶をしてから出ると、心実が待っていた。

別にこれは約束してたわけではない。2人で同じスイミングスクールに通ってた時から先に心実が出て、待ってて俺と一緒に帰るというのがずっと続いてる。

別に俺はやめろとは言わない。むしろ女の子と一緒に下校とか嬉しい


「ニヤニヤして気持ち悪い」


と言われ思いっきり背中を叩かれた。いてぇ


「帰るよ。どこか寄る?」

「いや、疲れたから帰ろう。明日は終業式だし」


そう言って心実はスマホを開いて電車の時刻表を見る。


「後、5分後に電車来るよ」

「学校から駅まで10分かかるのに何言ってるんだ。その後は?」

「20分後」

「じゃあのんびり帰ろっか」


そういうと心実は何かをスマホでやり出した。

歩きスマホは危ないと何度も言ってるのに聞かない。

だから俺は心実が変な方向に歩いていかないように手を繋ぐようになった。



俺は心実の手を引っ張りながら駅に向かって歩いて行った。


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