巨大ロボ。搭乗者募集!?
搭乗者は俺。
どうしてこうなった。
どうしてこうなった。
「今のでユーロファイターにして20機分の予算を消費しました」
「マテコラァ!!??」国会の皆さんマジギレ中。
「防御服??!豆腐じゃないか!!!」「トーフじゃなくて税金泥棒だっ!」
野党、与党そろっての非難も防衛大臣は意に介さない。平然と話を続ける。
「このように『特殊放射能防御服』略してTHBFはまるで戦闘には役に立ちません。
この実例をもって、近隣諸国の皆様に対しての侵略意図を目的として開発されたわけではないと証明します」
74式戦車さんを舐めていました。74式戦車さんマジつええ。
「しかし、『兵器』ゆえに、2012年破綻のエルピーダメモリのように他国に技術が流出することも、愚か者が他国に『技術援助』の名目での技術流出を決定することもありません。兵器輸出規定に抵触するからです。
純粋に、日本国の皆様の雇用の為に、貢献可能なのです。これは兵器ゆえのメリットです」
……。
「兵器なのは違いない!アジアの皆様になんと言うのです!」エラの姉ちゃんがヤジを飛ばす。
「また、アジアの皆さんを殺すのですかっ?!税金を投入して!アジアの皆様から頂いた義捐金をつかって!裏切りではないですかっ!」
防衛大臣は国会に響くほど激しく拳を机に叩きつけた。
「兵器が人を護ってはいけない、人を必ず殺さなければならぬ根拠があるというなら、言ってみろ!!!」
しーん。エラのねぇちゃんは口をパクパクしているが言葉になっていない。
国会が静まり返っている。……あのおっちゃん。怒れたんだ。
……失礼しました。防衛大臣は再び穏やかな表情を取り戻した。
「また。量産が可能になればもっともっと安く作成できます。電池が動力源といいましたが。
THBFはご飯を食べてエネルギーにすることができます。放射能汚染されていても問題なくエネルギーに出来ます」
え。
「THBFは。問屋に格安で搾取されている被災地農家を救う消費者になってくれるのです」
勿論、被災前の価格に上乗せし、被災地農家から直接政府が購入できるように予算を組みました。
防衛大臣はにこやかに微笑んだ。
「加えて。THBFの装甲の殆どは被災地のお米などを原料にしており、破壊されても簡単に土に還ります。
また。THBFは被災地の瓦礫を処理する作業において複数の無人重機を同時に操作する能力を保持しております。
操作感覚としてはスマートフォンを思い出してください。あんな感じです」
ずいぶんアバウトな操作だな。
「瓦礫の処理において、除染作業において、THBFは非常に高度な性能を保持しており」
大臣は楽しそうに別の映像を出してくる。
「この"日本刀"の一撃で、たいていの大型瓦礫を切断、粉砕します」
……簡単に両断された車を見て驚く。やりすぎだ。誰だ。この防衛大臣にロボアニメ見せた莫迦は。
「勿論!ばね式ロケットチェーンパンチを装備しております」
マテコラァ!!!!!!!!!!!!!国会の皆様。与党野党共にマジギレ。
「皆さんお怒りの心情は理解します!火薬式は誘爆の危険があるため致し方なくこうなりました!」
ボケるな。防衛大臣!
映像では胸から出ているが、何処がパンチだ。
「あの……重機の遠隔操作機能と。そのソフトウェアと。放射能防衛用の車両を利用すればもっと安く作れたと思いませんか?」
昔の総理の娘で、若手の「悠里美里」議員、通称『ゆりタン」がおずおずと手を上げる。
あぁ。総理は言った。「ロマンですよ。男の」こともなげに言った。
マテヤゴラァ!!!!!!!!!!!!
怒号吹き荒れる国会の中、農田総理はカメラ目線で叫ぶ。
「パイロットは全国にはびこるニートの皆さんから選別します!!
日本のため、いや、放射能は世界の問題である!!!
誰かの役に立ってみたくないか?!感謝されてみないか?!
夢を護ってあげる人にならないか?!愛してみないか?!
ヒーローはっ!!!君だっ!!!!!!!!!」
TVの農田の指は、明らかに俺を指していた。そうとしか。そうとしか思えなかった。
「今すぐ2012年に国家予算5000万つぎ込んで作った首相官邸特設サイトにアクセスDA♪♪」
農田は楽しそうにウインクした。
(次回予告)
時の総理大臣の言った思い付きの一言は、そのまま機体の愛称となった。
次回。すぱ☆ろぼ!!
誕生編。巨大ロボが日本を護ります!
「豆腐とよばれて。」
ご期待ください。