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すぱ☆ろぼ!!  作者: 鴉野 兄貴
激動編。巨大ロボよ。一番の福を運べ。

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23/54

命を燃やせ。希望を燃やせ(大幅改稿。その2)

 「オオニシさんのお宅でしょうか」

 ええ。ソレが何か?亡くなったオオニシ氏の婦人は不思議そうな顔をしていた。

 その表情はあっという間に凍り、次に真っ赤な灼熱となって掲載不可能な罵詈雑言になったが。


 都心のとある社員寮。

『何故か』寮の名前が変わったり、寮の入り口にある看板にガムテープが張ってたりするのだが。

「あん?ダメだダメだ。入ったらダメにきまって……なぁ???不法侵入だぞっ??!!」


 その他、日本中のさまざまな施設や個人宅でこういう事態が起きていた。

 正直、静かなのは彼らが保持していた某自然林くらいである。

 もっとも、水源であるのに売り先を外国とかにやりかけて一悶着起きたが今回の話では関係ない。


「なんの法的根拠があるのですかっ!!!」

 電話口で抗議する東力の関係者、というか天下り先を夢想していた幸せな人々の文句に、

 自民党の元党首、そして元総理たちはあっさり応えた。

「羽田空港の用地を接収したように、君達の財産を接収しただけだが?」


 読者の皆様で「羽田空港?意味わからん」って方もいらっしゃるので補足。

 簡単に言うと。空港用地のために住民追い出して空港作りました。意外と日本は戦後も無茶やってるのです。


 沖縄の米軍基地も元は沖縄県民の土地だったが、

 あっちは一旦米軍の支配下にあってそっちから住民の意向で日本に復帰した関係で微妙に異なる。

 つか、……安いからと後から移り住んだって人がスッゴク多いのでチョットノーコメント。


 なお、民間のお話なら京都のウトロ地区のように地主無視して占拠して、

 政府が認める形になってしまったとか、

 果ては竹島や尖閣諸島のように地主がいても関係なく占拠してたりする例は枚挙に暇が無い。


 法治国家において、財産権は当然保護されるべきだが、

(と、いうか、そんな国があったら他国が許さんし、信用してくれない)

 こういう何もして無い人々が被害をこうむっているのに、日本中に大迷惑かけてタダですむかと言うと……ねぇ?


 民意しだいでは。事後法などない国でもこういったことはまれによくある。かもしれない。

 おい。変な言い方したら親の結婚指輪のダイヤのネックレスでぶんなぐっぞ?


 そんなこんなで、超優良企業として有名だった東力は滅んだ。

 それどころか、社員の中でもアレと判断された人々の財産や退職金は搾り取られて復興財源や賠償金にされ、

 かつてのチッソのように永遠に賠償を行う組織となって残ることになったのである。

 ああ。盛者必衰。


 ……。

 ……夜が明けていく。

 愉しそうに笑いながら、都市計画を進める人々。

 握手して商談をまとめる人々。祈りを太陽に捧げる人。


 瓦礫や放射線廃棄物は次々と地下施設に運び込まれていく。

 なんでも技術者曰く、活断層に近くて壊れることを逆手に取った設計らしいが詳しいことはわからん。

 水は地下水からどんどん除染されているらしい。詳しくは知らんが。


「まったく。我が案は完璧だな」

 いつの間に秘密キチ……もといこんなもん作ったのかは知らんが国会が荒れるのは間違いない。


「……君はアジアと日本を繋ぐトンネルを掘る事業を推進していたと聞いていたが?」

 K氏はそういったが元総理の男は無視した。というか、勝手に掘るな。


「この事業は成功するのだ」

 まだ放射線の影響が強い当面は周辺の作物や雑草はTHBFやその汎用機の『食料』になる。

 そして地下施設は新たな雇用を生む。らしい。


「勝手に無茶をしないで欲しい」農田がニガ笑いしているが、二人の元総理は笑っている。

「なにを言う。総理や元総理なのに連中に4年も引導を下せなかった我々にも問題がある」

「これでも苦労しているのだぞ?」「知っている」「知っている」


「THBF饅頭、あとゆるキャラ祭りに参戦だな。朝日君」……三人ともよからぬことを考えていることを主人公は知らない。

「うむ。忙しくなるぞ。除染、建築、雇用、THBF周りの技術関連とな」うわあああ。

「今回のフィールドバックデータは実に良い感じだったらしいな。お陰で二号機の開発が捗った」

 再来月には稼動するらしい。復興も進むだろう。


「あいつらは?」「はははっ!法的根拠が無い拘束や接収だったと叱られたよっ!!」法治国家ガン無視だし。

「あ、それから、人口筋肉発電、地下水や地下熱の発電はどうする?」

「産油国との関係は維持だ。其の話は『なかったことにして』おけ」「そうだな」

 もちろん、名前だけ変えて研究と実用化はコッソリ。


「日本の夜明けだ」農田は笑った。でもまぁ。と農田は笑う。

「クーラーの無い日々も、だいぶ慣れたがな」

 風鈴だの某熱ネットだの、それに手動ポンプで長時間霧を噴霧する装置はこの4年でかなり普及した。

 元々湿度が高いので蒸し暑い国であり、あまり快適にならないのがイマイチではあるが。


 ガンガンと早朝から鳴り響く工事の音を聞きながら、確かな手ごたえを三人は感じていた。

(次回予告代わりに)

特殊放射能防御服(THBF)Ⅱ型。

略称「トーフ汎用型」だが、

自衛隊内では任務内容から「チハ」と呼ばれる。(THでチ。IIがハそっくりなので)


人間と同じ動きを行う必要は無いと判断され、殆どの関節がオミット。

外観はより丸く、卵に近い。

『腕二本とキャタピラのついた脚のある卵』をイメージしてもらいたい。

また、転倒からのリカバリや作業用の腕は2本だが、

コレもオミット予定であり、頭部から一本腕でいいのではないか。

それだとロボというよりパワーショベルだろうというクダラナイ論争中なのは割愛。


スペック。

体高4.5m

重量不明

出力軍事機密。自動車を動かすことくらいは簡単。

動力。人口筋肉。

動力源。有機物。電気(生体電池内蔵)。


最大速度。軍事機密。

屈伸可能な二脚とキャタピラを有し、

歩行やジャンプはオミット。踏破能力、移動速度を高めた。

基本の移動は専用車両にて行う。


搭乗者:一名。(さらに大人一人、子供二人までの避難者を収容可能)。


装備。

015式突貫銃などの外部兵装はオミット。利用自体は可能。


除染機能や放水銃はヤマタノオロチシステムによって操作する除染車、放水車を用いるのでオミット。

両腕のマニュピュレーターをオミットし、三本指のカギヅメに改良。瓦礫を掴んだり転倒時のリカバリに利用できる。

反面、格闘技?は苦手である。

指の操作をオミットしたことにより、無人機操作システム「ヤマタノオロチ」の操作性が向上している。


 内蔵兵器。

機関銃。ダイヤモンドカッター、ドリル。ボンバーネット×2

(指をなくしたことで振動対策が楽になり、搭載可能になった。なお、正式な型式などは不明)

015式スプリング式射出弾頭(通称ロケットパンチ)は当然のごとくオミット。

機関銃以外の装備は基本として瓦礫除去を行うために用いる。


 機体コンセプト。

インドのタタ・モーターズが開発した小型装甲車から考えられた。

と、いうことになっているが、

誰がどうみても「走る棺桶」「ブリキ戦車」と悪名高い旧軍のチハである。

 極めて安価、トーフ同様、壊れても即互換可能な部品でできており、

都市走破能力が高く、搭乗員1名で操作可能で暴徒鎮圧や放射能防御において充分な力を持つが、

実際の戦場では極めて危険な装備である。


だが、基本的に全てのスペックにおいて、試作実験機である主人公の機体を上回る。

 フルコンピュータ制御のためそうそう転倒しないうえ、

ヤマタノオロチシステムの相互リンクにより、

機体同士の観測視点から算出される射撃の正確さは既存兵器とは一線を隔するほど優れたものとなる。


*ボンバーネット

正式名称015式破砕網。

高速で射出された弾頭は巨大な網となって目標に襲い掛かり、

網の内部にちりばめた爆薬が炸裂。

捕らえた目標を着弾と同時に破砕する。


 爆発自体は小規模なので自滅を防ぐと同時に、

かなり効率よく構造物を破壊することが可能である。


 ――次回。すぱ☆ろぼ!!

激動編。巨大ロボよ。一番の福を運べ。

振り向くな。涙を見せるな。(福一番。微笑みを背に。改題)

ご期待ください。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

(三人称)

「父さんっ!父さんっ!」「どうして中に入れないのですかっ!」

ガラス越しに嘆き叫ぶ人々に沈痛な表情の病院の担当者。

家族ともども、彼も防護服を身に纏っている。


「理解してください」「『なんの』火傷なんですかっ!!」

血の塊、肉の塊に見える。『それ』を指差して抗議する家族たち。

それは言えない。言えない。判っているが言えない。判っていても指摘できない。


 「……邪魔する」

不思議な二人の男女が乱入してきた。防護服はつけていない。

「か、関係者以外立ち入りは……」「「"関係者"の親族だ」」

「ついでに言うと、こっちの娘は"医者"だ」

おいっ?!と抗議する医者を無視して女性は『患者』たちに近づく。


 「輸血は?」男が愉しそうに言う。

「も、もう血が足りないっ!特殊な血が必要なんだ」

 「はいはい。ありがちありがち」

男はにこりと笑うと腕を出した。

「好きなだけ使え。致死量でも俺は死なない」


 「まったく。望んで"人間に身を落とした”とはいえ。

……たまには『昔』の力が懐かしい」

女は苦笑すると肉の塊にしか見えない人々に優しく手をかざした。


 「父さんっ!」「父さんっ!!」「貴方っ!!」

『奇跡的な回復』を見せた被害者達に大喜びする家族達を見ながら、

医者はその様子に呆然としていた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

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