小さな泉/名無し/「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」/Pig
小さな泉
その年、酷い旱魃で大きな飢饉に見舞われ、大地も人間も餓えていた。
そんな時、忽然と姿を現した、滾滾と水の湧き出る小さな泉。
人々はその泉に、小さいながらも大変感激した。
しかししばらくすると、小さな泉はだんだん黒く染まっていった。
人々はその泉を棄てた。
飲めない水などいらない、と。
小さな泉よ、
いつからおまえは汚れてしまったのだ?
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欲しいものは「物」じゃなくて。
それはいつもひっそりと身近にいるから (名無し)
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「僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る」
歩数を重ねていく内に、落としてきたものがある。
僕は純粋な心を忘れてしまった。
いつの間にか厚着をして、本当の体型がわからなくなってしまったんだ。
見た目は太ったんだ。なんせ厚着だからね。
けれど心はぐんとやせ細ってしまったようだ。
物事を順番よく考えられるようになった。
ずっと憧れていた事だけれども、だけどなんだかつまらない。
こどもの頃のような感動がないからだ。
僕は、大人に憧れた。
だけど今は、こどもに憧れている僕だ。
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ぶたはぶたでもこころのぶたを。 (Pig)
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