ローレンス視点
兄上から彼を専属にする許可が出たのだ。
研修終了後に俺の専属になってもらう運びとなったのである。
でも一つ、特殊部隊は少数精鋭の部署なので、外せない任務の時には連れ出されると言われたのだ。
本当はそんな事、許したくはない。
だが、散々我儘を言った覚えがあるので、譲歩する事にした。
もし、任務がある時は、俺も付いていけばいいしな!
こう見えて、剣も弓も人一倍出来るので、彼を守る事は可能だろう。
そして、専属だと俺の部屋にある使用人部屋へと移住させる事が出来る。
俺はウキウキしながら、早速、レノンに使用人部屋を整えるように伝えたのだった。
【アレンシア視点】
今日から研修が始まる。
特殊部隊は王宮の中に部署があるのだ。
昨日の事があり、気が乗らないまま、部署へと向かう。
そして周りを見回すと、ヴィンス?は見当たらない。
すると、そんな私に気付いた副団長に、開口一番で『第二王子の専属となった』と言われた。
その瞬間、帰りたくなった。
きっと、甚振られ、嬲り倒されるのだろう。
考えるだけでゾッとする。
そして、副団長は何事もないかのように、話し続けたのだ。
「研修が終わったら、専属になる。そして、外せない任務の時は、コチラを優先してもらうから、そのつもりで頼む。
君のバディはヴィンセル・マクガディだ」
・・・王宮警護にバディが必要なのだろうか?
と思うのと同時に、同僚の名前を知る事が出来たのだった。
そして、私はずっと気になっていた事を聞いてみた。
「副団長。
特殊部隊は、王宮の警護が主な任務内容で間違いないでしょうか?」
すると、副団長は眉を寄せて『昨日の王子の話を聞いていなかったのか?』と言い、本当の任務を教えてくれたのだった。
いや、これにはビックリした。
落ちこぼれどころか、優秀な者しか配属されない部署だっのだ。
と言うか、本当に私でいいのだろうか・・・。
逆に不安になる。
この事は機密事項なので口外禁止と言われ、訓練へと移ったのだ。
まず教えられたのは、少数で動く事が多い特殊部隊は、必ずバディを組む事。
そして、バディを自分の半身だと思う事。
任務中は2人で支え合い、必ず、生きて帰還するのを第一に優先する事。
私達の任務は、戦争や暴動、犯罪を未然に防ぐ事だと言う。
任務の中でも潜入、情報収集、暗殺など、多岐に渡るらしい。
初めのうちは、命の危険が少ない、情報収集をメインで行うとの事だった。
何だか、すごい所へと配属されてしまった。
取り敢えず、辞めると言う選択肢のない私は、頑張る事にしたのだ。
【次の日】
特殊部隊の部署へ行くと、ヴィンセルが居た。
「おはよう、ヴィンセル。
バディとして、これからよろしく」
すると、コチラを見たかと思ったら、ため息をついて、目を逸らしながら言い放ったのだ。
「アンタが、バディとか、萎るわ。つか、勝手に名前、呼ばないでくれる?」
何でこんなに威圧的なのだろうか?
初対面だし、目の敵にされる覚えはない。
とても自分の半身とは、思えそうもないのだが・・・。
そう思っていると、いつの間にかやって来た副団長が、口を開いた。
「ヴィンセル、その言い方は良くない。
そして、お前達はバディだ。
それを替えるつもりはないから、そのつもりでいろ。
でも、そうだな、名を呼ばれたくないのなら、愛称とかどうだ?ヴィンちゃんか?」
ヴィンセルを見ると、唖然としている。
余程『ヴィンちゃん』呼びに驚いたのだろう。
すると、渋々『ヴィンセルでいい』と返事をしたのであった。
これから私達はバディとして、1ヶ月間の研修に励む事になったのである。




