拠点構築
パチッと目が覚めて、身体もスッキリ軽い!流石疲労回復魔法!
我ながらいい仕事をした、と気分よく起きた異世界2日目の朝。
いつもなら必ず二度寝に入りたくなるあの起きたての気だるさもなく、ムクっと起きて周りをみると、爺ちゃんも父さんもベッドには既にいなかった。
……早くね?みんな起きんの?
そう思いながらもスッキリした身体で、ピョンッとベッドを降りて着替えていると、ガチャっと扉を開けた母さんが顔を出して来た。
「洸〜、起きなさ〜い!ってあら珍しい。起きてたの?」
「母さん、はよ。父さん達は?」
「はい、おはよう。もうご飯食べて動き出しているわよ?」
「げー、早え。凛も起きてんの?」
「凛も起きているわよ。そうそう、洸‼︎ すっごく熟睡しちゃったわ!朝が気持ちいいのなんて久しぶりよ!ありがとう!」
「へへっ、気付いた?俺もぐっすりだった。アレ地球にも持って行きてえよなぁ」
「ふふふ、ここで寝ればいい事よ。さ、ご飯にしましょ」
俺の仕掛けに気づいてくれた母さんに満足しながら、母さんの後をついてリビング(仮)に行くと、既に父さんと爺ちゃんが食べているところだった。
「お!洸、おはよう。布団凄い気持ちよかったぞ!気が利くな!」
「洸、疲れがスッキリ取れたぞ。腰の痛みのない朝は本当に久しぶりだった。ありがとうな」
父さんも爺ちゃんも、まずは布団の感想からの挨拶に俺はニヤニヤしっぱなし。やっぱ狙い通りいくと嬉しいじゃん。
「へへへ。それにしてもよく付与かけていたのわかったね?」
「母さんの鑑定だな」
「遥さんに言われずとも俺は見とったがな」
「げ、爺ちゃんに見られてたか。お、凛、はよ」
「おはよう、お兄ちゃん。すっごい良いよ、あの布団!」
こんな感じで、朝から賑やかに朝食を食べ始めたんだ。ん?メニューはって?家から持って来たらしい食パンと卵にベーコンとカップスープだな。……母さん、ちょっと手抜きしたらしい。
そして、食卓を囲みながら話題は報告から。
「まずは、みんなに知っておいて欲しい。どうやらこっちで過ごす一日は地球時間でいうと約三時間だ。まだあちらでは土曜日だぞ!
なんて素晴らしいんだ!父さんは嬉しい!……まあ、個人的な感想は良いとして、親父、朝この辺りの調査行って来たんだろ?どうだった?」
「そうだな……ジョギングがてら行ってみたが、襲ってくる魔物が多いな」
「ちょ!爺ちゃん無理すんなって!大丈夫だったか?」
「まあ、灼熱地獄味わせてやったからな。あと、言っとくが拠点の周りの話だぞ。遥さん、後で解体頼む。洸のバックに入れてるからな」
「はい、任せて下さいな」
「で、だ。親父の話しも含めて考えたんだが、今日はまずは拠点の構築をしっかりやろうと思う。洸は俺と親父の手伝いを頼む。で、遥と凛は地球に戻って、拠点に持ってくるあれこれの買い出しだな。……貯金崩して良いが、使い過ぎるなよ……?」
「まあ!凛!ショッピングよ!嬉しいわぁ!」
「お母さん!こっちの家はオフホワイトでまとめない?お母さんが好きな北欧インテリアだっけ?アレがいい!」
「頼む……、ほどほどにしてくれよ……?」
「ええ、繁さん、任せて。そのかわりキッチン早く作ってもらえる?こっちで料理作り貯めておきたいわ」
「凛、お菓子作りたい!」
「ああ、わかった。って事で洸は家電……付与魔法で水道やコンロ、電子レンジとかの制作頼む。出来るか?」
「こっち式で作れば良いんだろ?父さんが言ってた魔石だっけ?あの魔物から出た石を動力に、作ってみる。あ、原型は作ってくれよ?」
って感じでサクサク決まっていったそれぞれの分担。今は洗い物ないように紙コップや紙皿使ってたんだ。ゴミは爺ちゃんがまとめて、外に穴を作成してからその中で燃やす予定。
話しを聞いていると、父さんと爺ちゃんは水回りを先にしっかり作っておくみたいだし、俺は構想を練っておくかな。
だって、この付与魔法めっちゃ面白いんだ。例えば洗濯機だっって浄化魔法付与すりゃ良いだけだし。それに、スイッチ入れたら、現状回復/柔軟性も追加すれば、肌触り最高ですぐに使用可能だぜ。
あとは炊飯器とかは二台家にあったから、それを改良してめっちゃ美味い飯を食う為に炊飯器の品質を最高にさせておくのも良いな!
キッチンは常時クリーン魔法を付与してりゃ、掃除も要らねえだろ?ま、色々改良していかなきゃいけないだろうけどさ。
なんにしても父さんの能力フル活用だな。どうやら凛も家具制作できるだけ頑張るみたいだし。
一から拠点構築なんて、めっちゃワクワクする!
————って感じで夢中になって作業してりゃ、時間ってあっという間に過ぎるんだよ。
「きゃー!アイランド式キッチンねえ!嬉しい〜!あら、収納たっぷりじゃない!って事は……洸、洸!時間経過付与魔法この棚にかけてくれる?こっちは状態保存と品質保持付与が欲しいわぁ!」
「ええ!これピザ釜?パンもこれって事はこれがオーブン代わりって事なんだぁ!」
急いで地球に戻り、必要な物だけ買い物に行った母さん達が帰って来る頃には、こっちでは結構時間が経過していてキッチンもあらかた完成していたんだ。
よっぽど嬉しかったのか、できたばかりのキッチンを見た母さんが子供のようにはしゃいでいたのには、俺も父さんも思わずハイタッチしたぜ。
それに、ふっふーん!俺が気付かないとでも?
「母さん、こっちに既にあるよ。右が時間経過ありの棚。ダイヤルみたいに魔石を回して経過時間を設定。魔石の先端が元に戻れば完成だよ。で、こっちは状態・品質保持が常時かかっているからね」
叫ぶ母さんに自慢気な俺。うちの母さんよく果実酒つけるんだ。だから必要かなって思って作っといたんだ。
あ、それと、凛が言っていたピザ釜って言っても壁に収納されているタイプで、ガラス戸付きの奥行き長方形のやつ。ガラス戸には耐熱/硬質化もかかっているから、中の様子をみながら使用可能なんだ。
コンロは魔石に火魔法付与して、ツマミみたいに魔石で出力調整できるもの作ってみたんだ。結構上手くいったんだぜ。
「うふふふふふ……これでこっちで作りまくっているとかなり楽になるわあ」
野望に燃える母さんは心底楽しそうだ……まあ、やる気があるのは良いけど。俺や父さんの弁当はあっちでも作らなきゃいけないのも忘れないでくれ、と心の中で言っておく。
「ねぇ見て!なんか南国リゾート調みたいになったけど、雑誌見ながら作ってみたよ!」
今度は凛が俺が作ったパワー軍手をはめて、作った家具を運んで来た。ラタンタイプの二人掛けソファーが二つ、一人掛けソファーに至ってはなんか高級感が漂うくらい完成度が高い。
ん?帰って来てから作ったにしては早く出来すぎじゃねえって?凛曰く、木の根にイメージ伝えたら一瞬で出来たんだってさ。
……凛のチート感半端ねえな。
「おお、凛の作品はすごいなぁ。だが、悪いがこっちも手伝ってくれないか?」
俺が唖然としていると、ひょっこりキッチンに顔を出した爺ちゃん。こっちで自給自足を考えているらしい。拠点の中の余ったスペースを使ってさっきまでクワで土を耕していたんだ。
俺は勿論、クワにも力5倍付与つけて爺ちゃんに渡しているんだ。爺ちゃん曰く、「地面が豆腐のようだ!」と感動の声を既に貰っている。
ついでに、肥料は森の落ち葉を発酵促進魔法を付与して渡してある。抜かりはないぜ。
「あ、お爺ちゃん!野菜の種色々買ってきたよ」
「ありがたい。季節物じゃなくても育つかやってみたかったからなぁ」
凛から種の袋を受け取ってご機嫌な爺ちゃんをみて嬉しそうな凛も一緒に、畑に出ていった二人。
その姿を横目に俺は各部屋につける灯りが欲しくて、父さんにシーリングライト型のガラスを何個か作成してもらう。
二つ魔石を準備して、一つの魔石には点灯/消灯/遠隔操作/受信を付与して、もう一つには遠隔操作/送信/点灯/消灯を付与してみた。
そうそう。俺のスキル何がすごいって、動作をイメージするとそれが実現するんだよ。だからすっごい楽だし、初っ端から道具として使えるのもこれが理由。
ん?使用MP量もおかしくないかって?
いや、それがさ。一回の使用量どんなに多くても12、3なんだ。後は大概一桁なんだよ。
どんだけエコなんだって思ったけど。どうやら加護付きは使用魔力は十分の一補正が付いているらしい。
まあ……家族全員がそうだからだろうな。
みんな思いっきり自由に能力使って突き進んでいたけど、この世界では異常過ぎて事態が動き出していた事は、誰も気付けなかったのは仕方ないよなぁ……
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