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自宅の倉庫が異世界に繋がった⁉︎〜家族全員チートで異世界セカンドライフ〜  作者: 風と空
第二章 獣人解放編

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凛の力

 「凛ー!此処最っっ高!」


 「ワン!ワン!」


 翌朝、凛に起こされて朝早くに拠点の外に出た俺と凛。ついでに尻尾ブンブン振っている源も。


 気になっていたんだよ、この木!あ、本気でシャレじゃねえよ?


 最近は拠点にこもったり街に行ったりしていて、凛の作業の様子がわからなかったけど……まさか、空にも届く巨大な巨木を作っていたなんてなぁ!


 しかも!その巨木の中が家のようになっているなんて、どこのファンタジーだよ!って思ったし……!


 考えてみたら凛の好きな本には、発明好きの少年が秘密基地を作る話やツリーハウスの話やドワーフの爺さんが家を作る話があったっけ。


 アレ、めっちゃ小さい頃好きだったなぁ。だって秘密基地だぜ、秘密基地!


「それが今、正に目の前に!」


「お兄ちゃん?」


「あ、わり。つい頭の中で語っちゃってたわ」


「変なお兄ちゃん」


 俺の変な行動に、困った顔で笑う凛。そんな凛もやっぱり嬉しそうに先頭に立って案内してくれたんだぜ。


 「此処はね、やっぱり木の滑り台や木のブランコが欲しくて作ったんだよ」


 凛が紹介する先には、ある程度の高さから巨大な木の周りをグルグル廻る大型滑り台。勿論、滑り台から落ちないように枝を網目状に作った円の中を滑るようになっていたんだけどさ。


 3階建の家くらいの高さから落ちるのか……!


 滑り落ちるのに少し恐怖を感じた俺。そんな俺が見た先には凛がブランコと呼ぶものがあったが……アレはブランコではないだろう、我が妹よ。


「……凛。アレってターザンロープじゃね?」


「そっか!そうだったね」


 凛がポンッと手を打つ仕草をしたが、かなり本格派のターザンロープだ。何故なら滑り台の上を行く高さなのだから。


 でもそこは凛が作成した物。きっちりと落ちた時用の細かい網目上の巨大保護用ハンモックが備えつけられていたんだ。


「凛……お兄ちゃん、怖くてアレ挑戦出来なさそうだ……」


 そう、流石に俺の身体は生身。いや、自分に衝撃吸収付与かけりゃイケるけど行ける気がしない。


「そう?トーニャは嬉しそうに遊んでくれたんだよ?」


「いや、待て。トーニャが先に此処で遊んでいたのか?」


「うん、ほら」


 凛が俺の後ろを指指すと「ゲン!コー!」と叫び走ってくるトーニャ。そのトーニャの後ろをジャンさんとディグレンさんが歩いてくる。


 ……そうか、獣人ならアレは有りなのか。


 トーニャに先に呼ばれたのが源だったのには多少気になったが……一緒に遊ぶ時間は源に負けているから仕方がない、とその気持ちを飲み込み三人に挨拶をする俺。


「はよー!トーニャにジャンさん、ディグレンさん」


「おはよう!」「ワン!ワン!ワン!」


 凛は勿論、どうやら源も挨拶をしたんだろう。嬉しそうに尻尾を振ってトーニャに飛びついていったもんな。


 一人と一匹が戯れあいながらこちらに来るのをほのぼの見ていたら、ジャンさんにポンと肩を叩かれた俺。


「コウ、おはよう。ようやく世界樹にお目見えしたのか?」


 朝から爽やかな笑顔のジャンさん。だけど、気になるワードが飛び出してきたぞ?


「コウ、おはよう。世界樹の中に入って見たか?」


 ディグレンさんまで気になるワードを言い出したんだぜ。


 ……どう言う事かな?お兄ちゃんは聞いていないぞ?我が妹よ。


「なんかねー。ジャンさんもディグレンさんも、初めて見た時からこの木を世界樹って言うんだよ?これ、セコイアの木を大きくしたものなのにね?」


「あー……そういやぁ。あっちの世界で一番デッカい木の種類だっけ?シャー将軍?の木とか行ってたよーな……?」


「お兄ちゃん。それじゃあ違うものになるよ?」


 まあ、凛の言いたいこともわかるが、そこはスルーしてくれ。


「コウは感じないのか?世界樹から発せられる清浄な空気を」


「え?ジャンさんなんか感じるの?」


「むしろ感じないのか?俺達には神聖ささえ感じられるのだが……?」


 ジャンさんの言葉にディグレンさんが頷いてるけど、俺にはさっぱりわからない。凛さん、どう言うことかね?


 目線で凛に尋ねて見ると「フィトンチッドかなぁ?」って当の本人もわかってなかった様なので、俺は俺自身に鑑定の付与をかけて見たんだ。



『 神聖ハイペリオン(世界樹)


 坂木凛が産み出した神聖樹。神聖化したフィトンチッドの効能で世界樹の周囲には魔物が近寄れない上に、常時周囲にいる人や物を浄化/回復させる効能あり。現在も微成長中。


 葉……エリクサーの原料

 枝……最高ランクの杖の原料

 根……周囲の木々の成長を促進/神聖化させる

 実……死以外の全ての状態異常を回復。とても美味。


 *「世界一大きくて、強くて、立派な木」という坂木凛の願いにより産み出された奇跡の大木。この世界に唯一の伝説の神木。他の土地への植生不可。周囲に幻惑の霧を発生させており、霧の外からは世界樹は目視不可能。』



 ……凛さんや。なんてもん作り出しているんだ……!


「はい。ジャンさん達、正解。……って言うか、凛!世界樹がアスレチックコースになっているぞ!?つーか、世界樹の中入れんの?」


 思わぬ事が判明し、アワアワする俺。


 ジャンさん達は伝説上の存在を見る事が出来て誇らしそうだし、凛は「お兄ちゃん何慌てているの?」ってわかってないし、トーニャと源が既に滑り台で遊んでいるし。


 ———なんか、もういいや。うちの妹凄いって事で。


 一瞬もう良いやって考える事を放棄したんだけどさ。何か覚えのある世界樹の実に引っかかる俺。


 ………………ん?待て待て待てよ?実については何か覚えが……?最近、どっかで見た気がするんだけど……?


 と思っていた事はすぐに判明。


「凛ちゃーん!実のストック無くなったわぁ。もう何個か出して貰えるー?」


「はーい!今出すね!」


 拠点から走って来た母さんが気軽に凛に頼んでいるし!まさかの昨日の焼き串パーティの時に、酢橘のように絞ってかけていたアレか!!!!!


 いや、めっちゃ美味かったけど!!!


「あらぁ?洸、どうしたの?」


 呆然とする俺の顔の前で手を振る母さん。


「……母さんは鑑定出来るよな?」


「そうね。って、世界樹の実のこと?だって、すぐ凛ちゃん出せるのよ?洸も美味しかったでしょう?」


 そういや、母さん細かい事気にしない性格だった……


「……まあね」


 ……なんか俺だけ慌てていて馬鹿らしくなって来た。よっし、気にしない!気にしたら負けだ!


 そう思っていたら、後ろから父さんの叫び声が聞こえてきたぞ?


「うおおおお?なんだこの木?」


「ほっほぉー!凛、大したもん育てたもんだ!」


 あ、なんか父さんの反応がホッとするわ……爺ちゃんは相変わらず動じないし。


 ヤレンさんは苦笑してるって事は知ってるな?此処には居ないけど、ケイトさんも認識してそうだ。


「父さん、爺ちゃん、はよ。つか、父さん達もこの木見に来たん?」


「……お?おお、洸か。おはよう。いや、凛に相談があってな。それで此処に居るって聞いたから来てみたんだが……」


「あ、お父さんとお爺ちゃん!おはよう!」


 俺と父さんが話していると、凛が父さん達を見て駆け寄ってきた。爺ちゃんが転がって来た世界樹の実拾ってるし。


「ほお〜、これだったのか。昨日の美味い柑橘類は」


「美味しいでしょー!まだ出せるよー!」


 呑気に話す爺ちゃんと凛を横目に、俺は父さんに世界樹の実の効能を話してあげたらさ……


「……死以外の状態異常回復……それを薬味に使っていたのか……」


 呆然とする父さんを見て、逆に落ち着いた俺。うん、人の行動を見ると冷静になれるよな。


「おーい!ジャンさん。中見た事あるんだろ?案内してよ」


 父さん達は凛に任せて、好奇心をそそる内部の探検に行こうとジャンさんとディグレンさんに駆け寄る俺。


「ああ。きっとコウも驚くぞ?」


「展望台の景色は圧倒されるからな」


「世界樹の中は気持ち良いからなぁ」


 ジャンさんとディグレンさんの側にヤレンさんも合流して世界樹の入り口に歩き出したんだけどさ。


「……神聖な木……この世界で唯一の伝説の木……」


 まだ意識が戻って来ない父さんの背中を押してこっちへ移動してくる凛。その後ろをゆったり歩いてくる爺ちゃん。


 母さんに至っては「朝食もう少しで出来るわよー」と言って拠点に戻っていた。嬉しそうに両手に世界樹の実をもち帰るのをわすれずに……


 あ、世界樹の内部と父さん達の凛への願いは次に教えるな!

アクセスありがとうございます♪

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