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自宅の倉庫が異世界に繋がった⁉︎〜家族全員チートで異世界セカンドライフ〜  作者: 風と空
第一章

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戻ってきた父さん達

 「ただいまー!我が愛しい家族達よ!」


 バタンっと拠点のリビングのドアが開き、上機嫌の父さんと呆れ顔の爺ちゃんが戻ってきたのはその日の夕方近く。


「お帰り。父さん、爺ちゃん」


「お帰りー!」


「お帰りなさい、繁さんお義父さん。無事で良かったわ」


 父さんはまっすぐ母さんに抱きつき、その後凛とハグしている。俺?俺はハグから逃げる為に爺ちゃんのところへ真っ直ぐ行ったさ。


「洸も来い!」って父さんに言われたけど、誰が行くか!


「爺ちゃん、怪我はない?」


「ああ、おかげ様でな」


 爺ちゃんにポンッと手を頭に乗せられて、内心では安堵の思いでいっぱいだったけどさ。


 でも、母さんの言った通りだった。おそらく連れて来たであろう二人の姿がない。


「なあ、爺ちゃん。二人連れて来たんだよな?」


「ああ。お前さん達が準備した家に入れて来たぞ。窓は繁がササっとガラス作ってたな」


「あ、やっぱり見てわかってくれたんだ。後は水回りなんだけど、流石に父さんがいないと出来なくてさ」


「まあ、早く整備した方が良いからなぁ。しかし……しっかりウェルカムフルーツとジュースを用意していたのには参った」


「ん?なんでさ?」


「いやぁ、俺と繁は歓迎ムードは出さないように我慢してたからなぁ。あいつらも驚いてたよ」


 思い出し笑いをする爺ちゃんの様子に、落ち着いた父さんもこちらの会話に加わって来た。


「まあ、気持ちわかるけどな。あの、ログハウス凄かったぞ!家も家具も新品、見た事のない造りで見た事のない高級なフルーツが置いてあるんだ。多分、あいつらまだそこが自分達の為に用意されたってわかってないだろうなぁ」


「そうだな。おそらく今は家族を連れてくるんだと思って、床にでも座っているだろう」


 ん?って事は俺らも顔合わせすんの?


「爺ちゃん、ジャンさん達より俺達先に会っていいの?」


「おお!洸がそう言うとはなぁ」


「茶化すなって。俺達どうすれば良い?」


 殊勝になった俺の態度の変わりように、父さんも笑顔で頭を撫でまくってくれて髪の毛が凄い事になったけど……


 どうやら敢えて情報を与えずに黙って連れて来たようなものだから、ヤレンさんとディグレンさんは自分達が奴隷として連れて来られたと思っているらしい。


「ただここで待ってろ」しか言われなければ、そりゃそうだろうよ。戸惑っているんだろうなぁ……


「ってー事で!ジャンに会わせて驚かせようと思ったけど、当のジャンがそう言うのであれば、俺達家族の出番だろ?」


 ニヤっと笑って何かを思いついた父さん。爺ちゃんは隣で呆れ顔なんだけど……何すんだよ?






「洸!トイレ出来たぞー!付与魔法かけてくれー」


「あ、洸!こっちの蛇口に水魔法付与した魔石頂戴!先に野菜洗っちゃうわー」


「洸、こっちも温泉を風呂場に繋ぎ終わったぞ?今湯を溜めているから早くせんと溢れるぞー?」


「ハイハイ!今行くってー!」


 平家ログハウスに響く相変わらずの坂木家の声。父さんや母さんや爺ちゃんから呼ばれる俺は大忙しだ!


 ん?凛と源はどうしているんだって?


「はーい!お二人にはまずあったかいコンソメスープでーす!」


「わんっ!」


 恐縮するヤレンさんとディグレンさんの目の前で、凛が籐の八人用のテーブルと椅子を一瞬で作り出して、先に二人を座らせている。


 源は可愛さで媚びを売っているな。確か、源はこの世界では珍しい種族に当たるんだよな。


 恐らく何が起こっているかわからない二人には、食品メーカーの技術者達が作り出したあの日本でお馴染みのスープの味も、味わえていないだろうなぁ、と同情する。


 「ほい、母さん。これで水出るだろ。っつか、さっき作ってたの出さないの?」


「あら、力を見せつけるんでしょう?なら、その場でも作らなくちゃ!」


 鍋に景気よくワインを淹れてボウッと炎を上げる母さんの様子に、俺は黙ってキッチンの天井に換気の付与も追加した。


 そうなんだよなぁ。母さんが言ったように、発案者の父さん曰く……


「俺達の力を見せつけて、二人の本音を聞き出してやれ!」


 っつー、なんとも単純な作戦を展開中の坂木家。


 基本、うちの家族は面白いものにはみんな協力的だし、俺らの力にプラスされて地球の製品や技術を見せられてみろ。


 まあ……あの二人なら耐えられるだろうと楽観的な俺達だけど、ある種あの二人がジャンさんにした仕打ちのちょっとした腹いせも兼ねている。


 次は爺ちゃんの方が優先だと思って風呂場に行くと…


「爺ちゃん!良いねぇ。天然石の風呂かぁ!」


「おうよ!檜も良いが、岩もまた風情があるだろ?」


「確かに!」


 温泉好きの爺ちゃんが凝った岩作りの風呂は、俺も入りに来たいくらい見事だった。おっと、換気と浄化付与を壁と岩にかけてっと。


「排水は森に転移でいいかな?」


「構わないだろ?魔物しかいないんだから」


「まあね」


 人数もそう居ないし、森林破壊になっても困るのは魔物だし。その前にこの辺にいる魔物は駆除対象だし。


 という事で、排水口に流れて来た水を転移するように付与をかける。お風呂はこれでいっかな。


「洸ー!こっちも試したいから早く来い!」


「あいよー」


 呼ばれて行ったら、見たトイレに思わずツッコミたくなった俺。


「父さん、何故に和式……」


「ん?これだって立派なもんだぞ?」


「まあ、そうかもしれないけど……」


 一応、消臭の付与と浄化付与を壁掛け式小便器と和式便器につけとくけどさ。多分、父さん的にはちょっとしたイタズラなんだろうなぁ。


 敢えて直せとは言わない俺も俺だし。まあ、良いや。


「おっし!これで生活出来るだろ。じゃ、洸!仕上げと行こう!」


「ハイハイ」


 上機嫌の父さんと連れ立ってテーブルに戻ってみると……


「はーい、いっぱいあるわよぉ!唐揚げにタルタルソースも掛けて見てね。あ、こっちは甘酢あんかけにしてみたわ。なんたって、私が仕留めたお肉だもの!」


「ほお!遥さんも仕留めおったか!なんの肉だ?」


「えっと、ビッグキラースネークだったかしらぁ?」


 母さんの言葉に口を開けたまま止まるヤレンさんと、同じく口を開けたままボトッとお皿に唐揚げを落とすディグレンさん。


「とても美味しい鶏肉味ってあったのよ!これは仕留めて良かったわぁ」


「ふむ、イケる」


「うん!お母さん美味しい!」


「わうっ!」


 爺ちゃんと凛は構わずパクパクと食べ、おこぼれを預かっている源も嬉しそうに尻尾を振って食べているけど……


 その横で「あいつを倒した……?」「高級肉……!?」とジッと母さんをみるヤレンさんにマジマジと唐揚げを見るディグレンさん。


 そっか、あのデカい蛇って結構強い奴だったんだな。


 って不味い……!俺の横では硬直した父さんが、真っ青になっているんだよ。


「そうか……遥もやったな……!」


 こんな時でも母さんを褒める父さんは凄え……!


 この時点で予想つくと思うけど、父さん爬虫類の中で蛇が1番嫌いなんだよなぁ。だけど、それよりもまず母さんに嫌われる方が怖いとみた。


「うふふ、ありがとう。繁さんにはこれを用意してあるわよ」


 そんな母さんも父さんの嫌いなものを知っているだけに、コトっとテーブルに置いたのは父さんが好きなローストビーフ。


 ……いや待て。確か源が仕留めたのは、大きな猪だからローストボア?


「ありがとう。流石は遥だな」


「後はこれね」


 母さんがコトっと置いたのはビールだけど……アレ、俺が回復付与かけたやつじゃね?


「繁さんもお義父さんも頑張ってくれたもの」


 母さんがにっこり笑ってコップを父さんに渡すと、父さんもようやくストンっと席についてビールを注いで貰っていた。……唐揚げは目に入れない事にしたらしいけど。


「ほら、洸も席に着いて。さあ、本当の歓迎会をはじめましょう?」


「そうだな。ここは繁!この家の大黒柱としてのスピーチだ」


 あ、爺ちゃんも回復付与付き日本酒飲んでるな。んんん?既に出来上がっているのか?日本酒半分まで減ってるし……!


 父さんまで爺ちゃんの無茶振りに乗って、立ち上がってゴホンッなんて咳き込んでいるし。


「では、ご期待に応えて……!ええ〜……まずは、ヤレンにディグレン。最初に言っておくが、俺達は君達を奴隷にするつもりは一欠片もない。


 むしろ俺達は、君達二人から見てどう映っただろうか?


 俺達坂木家の家族としての絆は強く、君達に負ける事はないと自負している。だからこそ、家族や仲間に何かあったら一丸となって立ち向かうだろう。


 俺達は出会いも一つの縁だと思っている。俺達の故郷では、縁は大切にするものだ。


 そして、俺達には実際に力があることは理解したと思う。その力は守る為に使うと全員が認識している。


 だから……頑張って生きてきた君達二人がここでしっかり休んで欲しいと願っている。


 疑うなら疑っていい。気が済むまで二人で話し合ってくれ。


 その間は、君達二人の為に俺達家族が造ったこの家に、君達が落ち着くまでいて欲しいと思っているし、坂木家の代表としてこれが坂木家の総意だと言う事を、此処に誓う」


 おおおおお!なんか、父さん久しぶりに決めたって感じだな!

 

 けど……二人はどんな反応をするだろうなぁ。

アクセスありがとうございます♪

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