第18話 夢
エルザは夢を見ていた。
金髪で……青い瞳をした女の子の夢である。
その女の子はエルザの肩までもないくらいの身長で、透き通るような青い瞳と白い肌。そして桜色の唇を持っていた。ツンと上を向いた形の良い鼻は、誇り高い彼女の性格をよく表していた。そしてなにより、自由奔放で明るい性格は、エルザの心をいつも暖かくしれくれた。
「……エルザ、あなた、私の護衛騎士になりなさいよ……いい? きっとよ!」
エルランディはそういって笑っていた。
エルザがエルランディと出会ったのは、師匠のセドリックの家で、住み込みの修行をしている時だった。エルザが14歳の冬、剣の師匠であるセドリックを訪ねてゴント村にやってきたのだ。
本名はエルランディ・マルヴィナ・エスタリオン。エルザが暮らすエスタリオン王国の、第二王女である。エルランディはエルザより2つ年上である。
エスタリオン王国は女王国だ。本来ならば姉のアイリーンが女王の座を継ぐはずだったが、病に倒れて王位継承権を放棄したことで、エルランディと第三王女カトリーヌの間で後継者争いが勃発した。そのような姉妹の争いをエルランディは望まなかったが、彼女を支持する派閥はそうではなかったのだった。エルランディは、そのような政変から逃れて、剣聖・セドリックの元へ身を寄せたというわけである。
エルザは夢の中でまどろみながら、そんなことを思い出していた。
夢の中のエルランディは、エルザへ手を伸ばして微笑みかけてきた。エルザも思わず抱きしめようとして両腕を伸ばしたが、その手は彼女に届かない。
「……私はね、信頼できる人に、そばにいて欲しいのよ。エルザ。あなたはそれに適任だと思うの。私を助けてくれる?」
そう言って微笑みかけるエルランディに、エルザは力強く言った。
「もちろんだわ!……王女様にこんなことを言うのは失礼かもしれないけど、この半年間、一緒に過ごせてとっても楽しかったの……私、本当にお姉さんが出来たみたいだと思ったわ。だから私、護衛するのがエルランディ様なら……私は命をかけてあなたを護るわ!」
するとエルランディは優しく微笑みながらエルザへと近づいてきた。そして、今にも指先と指先が触れんばかりに近付いた時、エルランディの顔が、急に恐ろしい鬼にような顔付きへと変化した。
「エルザ! 何をしているの! 今すぐ起きなさいっ!」
「あああっ!」
その時、エルザは急に胸の痛みを感じて、薄らと意識を取り戻した。
エルザが薄ぼんやりした思考のまま顔を上げると、自分の身体の上に屈強な男が覆い被さっていて、エルザの乳房に噛みついていたのだった。
エルザは既に上半身を裸にされていて、その男は、エルザのズボンを脱がせにかかっている所なのだった。




