表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
売られた喧嘩は買います  作者: あんことからし
秘剣・竜巻
14/21

第14話 のぞき窓



エルザが鉄球と奮闘している様子を……のんびりと眺めている男たちがいた。


下り坂の突き当りにある曲がり角……つまり、先ほどエルザが曲がった角なのだが、そこの壁をよく見ると、細いガラス窓が埋め込まれている。よく見ると、その窓に、4つの白い目玉が動いているのが見えた。


挿絵(By みてみん)


「はははは、なかなか面白い催しだったな、バクス」


ガルベスがくぐもった声で笑うと、バクスもつられて苦笑した。


「あそこで鉄球を押さえに行くとは思わなかったのう……」


「普通なら鉄球から逃げて床下へ転落ってのが筋書きなんだが、予想外のことをしてくれる。まあ、普通なら鉄球を押さえに行っても死ぬんだがな」


バクスは腕を組ながら、コクリと頷いていた。


「罠というものはな、足を踏み入れた終わりなんだ。多少、運が良かったところで、死ぬのが遅いか早いかの違いしかない」


「そのとおりだバクス。今回は思いもよらない方法で耐えたようだが、次の罠は、そうはいかない」


「えらい自信だな……万一、あの女が次の廊下を抜けるようなら、今度はワシがトドメを刺すよ」


そういってニヤつくバクスを見て、ガルベスはヒヒヒと笑った。


「上で酒を飲んでるライナーは、出来れば女を殺さず生け捕りにしろって言ってたが、そいつは無理だ。ここで死んでもらった方がいい。俺たちのために死の舞を踊ってからな……じゃあ、次の部屋へ移動しようぜ」


ガルベスが立ち上がると、バクスも肩をすくめて立ち上がった。


「ホント、お前ら盗賊ってのは悪趣味だな」


2人はそう言いながら部屋を出て行った。





その頃、エルザは突き当りを左に曲がって、次の廊下に立っていたのだが……その20mほどの廊下は罠だらけ。エルザの上着は破れ、愛用の鞄は落とし穴へと吸い込まれ、エルザは涙を流しながら、あの鉄球が転がる坂道まで引き返していた。


「触れるもの、歩く場所がことごとく罠なんて! 本当にエイミーたちはここを通ったのぉ!?」


この罠を突破するには、それ相応の道具が必要だ。しかし、愛用の鞄は先ほど落としてしまったし、手元にある武器は剣だけだ。


「もう、一体どうすればいいんだろ」


エルザはため息をついた。





その頃、ガルベスとバクスは、罠のある廊下に面して作られた、覗き窓の部屋へ移動していた。


ガルベスが隠し蓋を取ると、覗き窓から廊下の様子が一望できた。


「あれ、おかしいな……」


なかなかエルザが来ないので首を傾げていると、バクスが声をかけてくる。


「どうした? 女がいないのか?」


「ああ……今頃罠と苦闘しているかとおもったんだが」


「通り過ぎたんじゃねえのか?」


「そんなわけあるかよ」


覗き穴は二つあるので、二人は仲良く肩を並べて覗いてみる。……しかし、人の気配が全くない。


「もう死んだんじゃねえか? ほら、あそこの落とし穴が発動してるだろ」


「あいつがか? そんなわきゃねえ」


バクスは割りと真面目に言ったのだが、ガルベスは首を振って否定した。


「えらくあの女を買っているんだな」


「あいつは強いからな。……待つといっても、そう長い時間じゃない。数分のことだ」


その時バクスは嫌な予感がして後ろに飛んだ。


すると、ビュン!という風切り音がして、バクスの元いた所に剣が走った。


「ガルベス! 危ない!」


とっさにバクスは叫んだが、ガルベスは除き穴の顔を当てたまま首を斬られて死んでいた。


「ガルベスっ……」


バクスは眉間に皺を寄せながら、血を流しながら動かないガルベスを見た。ガルベスの死体は、ズルズルと壁をずり下がって床へと崩れ落ちて行く。


バクスは部屋の中ほどに立っている赤い髪の女を睨みつけた。


「ようこそエルザ君。ここまで楽しませてくれるとは、なるほど、ガルベスが言うだけのことはある」


バクスはニヤリと笑った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ