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鳴音

作者: 翠泉


 逃れられない災いが

 あなたの目を惑わせるから

 くだらない夢を話すんだ

 叶えられはしない夢


 いまだに手放せていないのは

 諦めがついていないから

 無駄な経験だとしても

 次の日には報われているから


 窓から差し込む夕陽が眩しくて

 あなたは目を背ける

 ご立腹な訳ではないと思うけれど

 しかめっ面で話すからそう見える


 あなたと出会わなければ

 捨てなくて済んだ宝物もあった

 だけど容量が増えた分

 あなたとの宝物も増えた


 こぼれ落ちていく煌めく粒を

 この手のひらで掬い上げる

 寂れて朽ちていってしまっても

 私の心の中には留めておくから


 上手くいかない日だとしても

 一緒に吠えてあげるよ

 あなたの失った未来を

 一人でも再構築してあげるよ


 私に足りない部分は

 あなたに預けているから

 あなたが一人で泣くのなら

 私は隣で微笑んでいるよ


 私の心の中にある隙間に

 あなたは光を注いでくれる

 だからしっかりと息をしていられる

 そのことをわかっている?


 あなたが理解していないのなら

 あなたが忘れてしまうのなら

 私の手口を教えてあげる

 何度でも幾度でも


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― 新着の感想 ―
[良い点] 生きることは、何かを選び、何かを捨てることかも知れないけれど、くだらない夢、叶えられはしない夢だとしても、手に握り続けているもの。そして、一緒にいるからみつけた、宝物。 そうした大切にし…
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