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白から黒に。黒から白に。  作者: はりまる
4/31

4話

玄関には何もなく、下駄箱にも一足も靴がない。


廊下を歩いて部屋を開けていく。


トイレだろうか?誰も使った形跡がない。憂はそこまで綺麗好きだっただろうか?


お風呂も入っていないのだろうか。水垢の一つもない。まるで誰も住んでいなかったのように。


冷蔵庫もない。キッチンにも、何も置いてない。


奏「たなちゃん先生…部屋間違えたわけじゃないよね?」


たな「えぇ…」


最後に一番奥の部屋を開ける。


どこにも家具一つない。


奏「いくら綺麗好きとかでもここまでは無いよね…?」


たな「でも、引っ越したとか話は聞いたことないけど…」


奏「そもそも、フロントのおばちゃんが何も言ってなかったし…」


たな「実家に帰るって言ってたのよね…?」


奏「うん…だけど帰るのにここまでする必要ある?そもそもおばちゃんに気づかれずいなくなることってできるの?」


たな「どうなんだろう?おばちゃんに聞いてみる?」


奏「何かしら変なことがあればおばちゃんが言ってくれるんじゃ…」


その時、奏の形態に着信が入る。非通知設定だ。


奏「たなちゃん先生ちょっと待って、電話に出るね」


『そ……う……じ………に……』全ての音がプツプツ聞こえてちゃんと聞き取れない。


奏「もしもし?電波が悪いみたいなので聞こえ辛いんですが…」


『た………も…………』


奏「あれ、切れちゃった。なんの電話だったんだろう?」


たな「電話誰からだったの?」


奏「何かよく聞こえなくて、プツプツ音が切れちゃうんだもん」


たな「そうなんだ…ここは電波いいみたいだけど?」


奏「だから向こうの電波が悪いんじゃないのかな?」


たな「声に聞き覚えは?」


奏「女性っぽい声だったけどかなり声は籠っちゃってて、誰かはわからなかった」


たな「うーん、なんだったんだろうね?」


奏「わかりません。おばちゃんのところに行きましょう?」


たな「あ、今度は私に電話、ちょっと待ってて」


たなが電話に出るとまた聞き辛い音だったので外に出る。


たな「お母さんからだった。いつもの生存確認だった」


奏「そうか、外に出れば通じることもあるのか」ここで一つ賢くなったと感じた奏であった。


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