10話
校長「急で申し訳ございません。薄々勘づいていた方もいらっしゃるとは思いますが、これから警察の方々と一人ずつお話をしていただきます。名前の順に呼ばせていただきますが、心の整理がつかない方は後にしてもらうようにするので…」
奏の頭の中が真っ白だった。急な仁乃先生の死の宣告。胸に穴が空いたような苦しさが徐々に奏を襲う。
いつの間にか奏は倒れ、保健室に連れていかれていた。
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奏「あれ…もう夕方…?」
保険医「大丈夫?急に倒れてからずっと起きないから」
奏「何があったんですか?」
保険医「訃報を聞いた後すぐに雅さんが倒れてここに運ばれてきたの」
奏「そういえば…たなちゃん先生が亡くなったっていうのは本当なんですか…?」
保険医「嘘で言うようなことじゃないでしょう」
奏「それじゃ、本当にたなちゃん先生は…」涙が溢れ、その場に崩れ落ちた。
保険医の先生が泣き止むまでそばについていてくれた。
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警察「今日は遅いので明日家へお伺いさせていただきたいのですが、いいですか?」
奏「はい…」
警察「それではお気をつけてお帰りください」
奏「はい…」
―奏の部屋―
虚になっている姉に声をかけられなかった瑞は部屋の前にご飯だけ置き、メモを残す。
―次の日―
警察「雅奏さんはいらっしゃいますか?」
瑞「は、はぁ…今姉は部屋にいますが…少々外でお待ちいただいてよろしいでしょうか?」
警察「わかりました」
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瑞は奏の部屋へ行くとご飯は無くなっていた。食欲はあるらしい。声をかけてみる。
瑞「姉ちゃん、警察の人が来たんだけど、どうしたらいい?」
奏「あ、今準備するね…」
覇気が無いようだ。こんな姉は何年振りだろうか。風邪を引いた時でももう少し元気はあったと思う。
瑞「それじゃ今警察の人たち玄関に待たせてるから。部屋にいるからなんかあったら連絡して。あと朝ご飯リビングの机
に置いてあるから」
瑞は自分の部屋に入り、ベットに転がる。姉が何かしたわけでは無いのだろうけど不安感ばかりが募っていった。




