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ナイア〜その男、シナリオの改変者〜  作者: 未練
夢見の演奏編 1〜13話
6/14

第5話 狩りの終わり

「答えろ、お前らの主神はだれだ?」


「・・・・・・・」


魔物に問いかけるもなんの返答も帰ってこない。

そもそも魔物が人間の言葉を理解できるのかは知らないが。


「・・・って、なんか増えてないか?」


気のせいだろうか、魔物は何体か殺したはずだが数が減っていない。

いや倒したのは間違いないから確実に増えている・・・。



「国内で増殖されたら困るな、原因を見つけないと」



俺は階段を降り、奴らは鎌を構え、間合いに入ってくるのをじっと待っていた。


もちろんわざわざ狩られる為に近寄ってるわけじゃない、俺はこう見えても聖騎士(父親)の子だ、剣でお前らに勝ってやる。



「──【魔閃 雷切】──!!」



俺は魔力で剣を構築した、それは青白い雷を帯電させた長く緩やかな刀身を描いた。


以前はただの光輝いた剣だったが、今は雷光の刃をもつ剣となった。これも魔力が洗練されたからによるものだろう・・・。



「さぁ行くぞっ!」



足に力を込め一気に間合いをつめる。

普通であればそのまま切られるのが当然の結果だが、俺には太刀筋がはっきりと見える。



魔物は俺が間合いに入った瞬時に鎌を振り下ろした。そのスピードとても速いが スキルと技量の前では無とかした。



「──改変者──」



ブゥーーーーーーーン!!



鎌は空を切り、風圧の音が鳴り響く。



ズバッ!!



俺の刃は正面二体の胴体を上下に切り分けた。


改変者の未来を見る力は己の魂に触れることで、俺の身に迫る先の未来を見通すことができる。


そうつまり未来予知が可能なのだ。



「まずは2体、次いくぞっ!」



続けて背後からの攻撃を予知で回避し、正面を向いたまま剣を逆手に持ち替え、串刺しにした。


「3体目、くそっ!また増えてる・・・」


たった今、3体を仕留めたがステージ近くにある扉から次々と姿を現す。


あそこは、ガラクタ置き場だったはず・・・。その時、1つの考えが脳裏をよぎった。


「もしかしたら、あいつらってガラクタか?」



まさかとは思ったが、あの部屋にあったものはそれくらいしか無かった。



もしこの考えがあってるなら、奴らはあの部屋の中に何十、何百といるはずだ、剣で一体一体切ってる暇はない・・・。



この周辺にはこいつらの気配しかないから、火力をあげても良いだろう。



「仕方ないが この施設ごと吹き飛ばす 燐魔爆発!!」



ホール内にいっきに鱗粉が立ち込め、声と共に爆炎をあげる。



ドゴォーーーーーーーーーーーーーーーン!



盛大に魔法を解き放ち、建物は見るも無惨に倒壊をした。



煙で魔物を視認出来ないが魔物気配は感じなかった。



ここの魔物は倒せたが、楽器が壊れることで魔物に変身すると言うなら、国中にいるはずだ・・・。



俺は煙と瓦礫を抜け、建物外にだ脱出した。



今さら気付いたが、空は曇天で周辺には駆け付けた者はいなかった。



「騎士はどこだ?応援は来ていなかったのか?」



俺が魔物と戦うのに騎士の手助けは不要だが、ネアトゥルフをあげる演奏ホールで事件が起きていると言うのだから、駆け付けるのは当然だ。



きっと魔物はまだいる・・・。



「くそっ、追いかけるか」


予想ではあるが、避難者は国で最も安全な城に向かうと思う。



「無事なら良いが・・・」



避難者が集まっているだろう城には数分かかる。俺の足ならすぐだろうが、まだ安心は出来ない。


どうか無事でいてくれと願うばかりだった。








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