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雲の上は、いつも晴れだった。  作者: 田古 みゆう


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エピローグ p.13

 彼女は、とても悲しげな表情をして私たちを見ていたが、しばらくすると、パッとスカートを翻し、駆けていった。


「行こう」

「あっ……うん」


 青島くんに声をかけられ、ハッとする。私たちは、再び歩き出した。


 先程まで感じていた穏やかな空気が消え去り、私たちの間が妙な緊張感で満たされている。それを払拭するように、私は努めて明るい声で話しかけた。


「ねぇ、どこに寄っていくの?」


 私の声につられるように青島くんも笑顔を浮かべて答えてくれた。


「あ、ああ。たぶん白野が好きなところ」

「えっ? 私の好きなところ? どこだろ?」

「行けばわかるよ」


 青島くんはそう言うと悪戯っぽく笑った。


「何それ~」

「着いてからの楽しみってことで」


 他愛のない会話をしていると、校門を潜りやってきた女子生徒に声をかけられた。


「あら、二人とも。仲が良さそうで」


 私たちを見る緑の顔は何処となく嬉しそうだ。青島くんは、そんな緑の視線を嫌そうに避ける。


「別に、そんなんじゃない」


 ボソリと言葉を発した青島くんの背中を緑は笑いながらバシっと叩く。


「もう! 照れちゃって!」

「痛いな……」


 彼は困り果てたような声を上げた。そんな彼のことなどお構いなしに、彼女はコロコロと笑い声を上げる。


「今、帰り?」

「そう。緑ちゃんは?」

「私は、これから図書館でお手伝い」

「そっかぁ……。大変そうだね。頑張って!」

「うん、ありがとう。つばさちゃん。ヒロくんにしっかり送ってもらうんだよ〜」


 ニッコリと笑ってそう言うと、彼女はヒラヒラと手を振り校舎の方へと歩いていった。その後姿が見えなくなるまで見送っていると、不意に青島くんの手が伸びてきて私の頭をクシャリと撫でた。


「な、何……」


 なんだか嬉しいような恥ずかしいような気持ちになり、私は俯く。


「俺たちも行くぞ」

「あ、うん」


 彼に促され、歩き出す。その途中、青島くんがポツリと言った。


「葉山には、全部お見通しだったみたいだな」

「え? どういうこと?」

「俺たちのこと」


 彼が何を言っているのか分からず首を傾げる。


「さっき、俺が白野を送っていくこと、分かっていたみたいな言い方してただろ?」

「ああ。確かに。言われてみればそうだよね。どうして分かったんだろう……?」

「葉山は周りをよく見てるからな」

「なるほど〜。さすが、緑ちゃんだねぇ」


 感心していると、彼は少しだけ呆れ顔になる。


「お前なぁ……。まあ、いいや」

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