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雲の上は、いつも晴れだった。  作者: 田古 みゆう


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エピローグ p.3

 私が納得していると、フリューゲルはこっそりと庭園(ガーデン)の秘密を教えてくれた。


「天使になるためには、感情を表に出さないNoelたちが僕のように感情を学ぶことが必要みたい。そして、天使へと成長することができたら、庭園を離れて天使のお役目に付くんだ。初心者天使は僕のように、自身に(ゆかり)のある者の守護天使になることが多いんだって」

「そうなんだ。だから、庭園にはNoelしかいなかったのね」


 フリューゲルの話になるほどと頷いた私は、あれと首を捻る。


「でも、フリューゲル。天使様になるための条件とかは、いくら聞いても司祭様は教えて下さらなかったのに、私に話してしまっても良かったの?」

「うん。庭園にいるNoelには自分で身につけることだから、言ってはいけないことになってるけど、アーラには話してもいいって許可を司祭様から頂いてるから。……その、ほら……、アーラはもう……」

「そっか。天使様になれる可能性が無くて、いつか、天使様自体のことも忘れてしまう私ならってことね」


 フリューゲルの濁した言葉を、私は明確に口にした。そんな私に、フリューゲルは、困ったように眉尻を下げながらふわりと微笑んだ。


 もう、自分が白野つばさのココロノカケラであり、いつか消えてしまう存在であることは受け入れている。白野つばさとの融合を今では怖いとも寂しいとも思わない。だって、私は私でいればいいのだから。


 しかし、私という存在が消えてしまう前に、心残りはなるべく解消しておこうと思う。また、新たなココロノカケラが発生してしまってもいけないので。


「ねぇ、フリューゲル。大樹様(リン・カ・ネーション)の様子はどう? 私、随分と見当違いをしていたようだけど、やっぱり、まだお弱りのまま?」


 私の心配顔にフリューゲルはニコリと笑い、ゆっくりと首を振る。


「心配いらないよ。大樹様(リン・カ・ネーション)はもう随分と力を取り戻されたようで、ゆっくりとだけど新しい蕾の成長も確認できているから」

「そう。なら、もうお世話をするための私の学びも必要ないのね」


 フリューゲルは小さく頷いた。


「これは司祭様の見解なんだけど、大樹様(リン・カ・ネーション)はアーラを庭園(ガーデン)に留めておくために力を使われていたのではないかって。アーラが巣立ったことで、お力が徐々に戻り始めているのではないかって言っていたよ」

「……じゃあ、大樹様(リン・カ・ネーション)がお弱りになったのは、私のせいなのね……」

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