三話 さよなら、おやすみ。
はぁ…ようやく一息つけた。
とりあえずまとめ表に書いて会議のおさらいでもしておくか。
その時、ノック音が聞こえた。僕の要らないノックよりよっぽど実用的なノックが。
「入っていいよー」
そして誰かを理解した。
燐「うぃ」
「なんかことごとく一緒だよね。まぁ良いけど()」
燐「今暇かなーと思いまして。」
「うんめっちゃ暇だった()強いて言うならおさらいでもしようかなって思ってたくらい()」
燐「一緒にやろうぜ、一人はなんか寂しいだろ悲しいだろ。」
「うん…()」
(おさらいイラスト)
「簡単におさらいしよう。
占いcoしたのはフラン君とヘカテ。
霊能coしたのは僕とかぐや。
それで、フラン君は僕に白。狂人だね。
真のヘカテは姉さんに白。
現在のグレーはお燐、小傘君、るーみゃ。
今夜はそのグレーの小傘君かるーみゃを噛もうと思う。
こんな感じかな?」
燐「だなぁ、あとえーりんは狩人だと思う?」
「違うと思う。狩人だったらもう少し控えめに動くかと。」
燐「なら狩人位置はるーみゃになりそうかな。わちきは狩人であんな攻めないと思うし。」
「よし、今夜はるーみゃを噛もう。」
燐「うぃ」
「それで、えーりんは白って言って良いよね。僕とお燐目線の内訳もすぐに出せるようにしておこう。」
燐「おけ、ここにメモあるぞー」
「ありがと。」
(内訳イラスト)
「よしこれでおっけー。お燐もそんな感じで良いぞ。」
燐「うぃあざっす」
「あとあんまライン繋ぎすぎないようにな。」
燐「重々承知の上でこれ書いてますよ。」
「そかそか、まぁまた夜に話そうや。」
燐「ん、じゃあまた会おうぞ」
「ばいばーい」
お燐行っちゃった。まぁ大分これで安心出来るようになったかな。
それに有意義な時間の使い方出来たし。
んー、暇だしフラン君の部屋行ってみようかな?狂人がどう思ってるのか気になるし。
フラン君の部屋は…2号室か。
よし、端末持ったし行ってみよ。
廊下を歩く。幸いそんなに部屋は離れてないから、面倒臭くはない。
あった、ノックしてーっと。
フ「誰だー?とりあえず入って良いぞー」
「やぁ」
フ「お前だったのか」
「悪いか()」
フ「いやお嬢ってノックとかする常識あったんだなぁと。」
「酷くね?()」
フ「んで何の用だい?」
「いや暇だったしフラン君目線の人狼とか聞いてみたいなーって。」
フ「なるほ」
「僕ら二人共coしてて対抗居るわけだけど…どんな感じで内訳見てる?」
フ「正直あんま分かんないけど、お嬢は真で見たいかな。狂人だったらアレだけど。それで魔理沙は人狼か狂人、ヘカテーも同じ感じ。狩人は…いやお嬢が人狼だったら怖いしやめとこ。」
「うむ、賢明な判断だ。と言うか僕と内訳一緒か。」
フ「おっガチか」
「さて、情報貰ったし帰ろうかな。てか眠いし寝るわ()」
フ「草」
「んじゃばいー」
フ「ばいー」
フラン君の部屋から出る。狂人の意見も重要だなぁ…
部屋に帰るのも良いけど…その前にちょっとホールとか他の部屋の様子も見てみたいな。ちょろっと。
結果、処刑室はみんな怖いのか誰も居なかった、食堂もご飯を食べる気力すら無いのか0人、書斎には姉さんと小傘君が心を落ち着かせたかったのか居た。
…サニ傘じゃん神じゃん()
てか心落ち着かなそうだなぁ。ドキドキしちゃって()
二人が結ばれる事を願いつつ、部屋へと足を進ませる。
ふー…今は14:30か…寝よ。おやすみ。
〜少女就寝中〜
(ご飯とか風呂の描写めんどい&長くなるから無し!!人狼の夜の行動に移ります)
よっしゃ今日は集まる30分前に起きれた。
んー…やること無いしおさらいメモ眺めてよ。
『ただいまの時刻は夜の24:00。人狼の動く時間です。人狼の方はホールにお集まり下さい。』
わ、もう時間か。割と早く感じたなぁ。
さて…行こう。
燐「わーい」
「わーいって今日も負けたー?!」
燐「俺らはいつの間にか早さ勝負をしていた…?」
「草」
燐「それで今日はるーみゃ噛みだっけ?」
「うん、あとフラン君にも内訳聞いてみたんだけどねぇ、僕と同じ内訳予想してたよ。」
燐「まぁ狂人だしな。」
「狩人候補は教えてくれなかったけどね()まぁるーみゃ狩人だと信じて噛もっか。」
燐「うぃ」
「てか会議終わったあと暇すぎない?何してたの?()」
燐「え、普通に探索してたわ。このゲームについて書斎であるかなーとか。」
「僕もチラッとだけど探索してたんだけどお燐見掛けなかったなぁ。」
燐「あっガチ?それはもう分かんねぇなぁ。」
「お燐本当に探索した?怪しいんだけど…」
燐「ここで人狼始まるかぁ?」
「草」
「まぁとりあえず、もう話す事は無いよね?」
燐「おん、後は俺が明日吊られないことを願うばかり…」
「いや、吊られそうなの僕じゃないかな。多分占いか霊能ロラされるし。」
燐「でもえーりん白出るから村人ロラもされる気がするんだよなぁ。頑張ろうぜ。」
「せやな、それじゃさっさとなんか手に取ってるーみゃの部屋行こう。」
燐「るーみゃの部屋は9号室な。」
「ありがと」
「…微妙にラインナップ変わってね?」
燐「えっと…首吊りロープ、ナイフ、スタンガン、斧、青酸ペロ…まぁなんでも良いよな。」
「青酸ペロ!?」
燐「カリッ!これは…!青酸ペロッ?!」
「草」
燐「それでまぁ、今夜は俺が殺すわぁ。」
「いやいやいやいやそれを僕が許すと思ってる?」
燐「いいえ。」
「超即答ありがとう良く分かってるじゃないか。」
燐「いや昨日はお嬢が殺してる訳ですしお寿司…」
「やめよう君が手を汚すのは僕が死んでからが初めてだよ」
燐「やめないよ俺が手を汚すのは今だよ」
「仕方がない譲ってやろう」
燐「や っ た ぜ」
「んで何使うの?やっぱナイフ?」
燐「当たり前だろ他に使えそうなもんねぇし」
『やめて下さいその言葉は私に突き刺さります』
「草」
燐「ほんじゃ行きまっしょい」
「うぃ」
お燐との会話楽しいなぁ()
…ううん、ここからは気持ちを入れ替えなきゃ。
燐「よし、着いたな。」
その時、るーみゃの部屋の鍵が開いてる事に気付いた。
お燐はそっと、扉のドアノブに手を掛ける。
燐「大丈夫、だよな…」
「うん、平気だよ。…何かあったら僕に言ってね。変わるからさ。」
扉を開ける。その時のお燐の手は、少し震えているように見えた…。
…暗いから見間違えただけかな。
る「お、お燐とお嬢じゃん。どうした?」
燐「ふー…」
「…」
燐「ごめんな、るーみゃ。」
る「えっ…?」
お燐はポケットに隠し持っていたナイフを取り出すと、その刃はるーみゃへと向く。
る「…そっか、そうだよね。二人が人狼だったんだ。」
「…そう、だよ。そしてるーみゃを襲撃対象にした。ごめん…ごめんね…」
涙が零れ落ちる。泣いていいのは僕じゃない、襲撃対象となったるーみゃなのに。
そのるーみゃは子供とは思えないほど落ち着いていて。涙なんて無くって。
る「大丈夫、二人が悪いわけじゃない。だから…もう死ぬ覚悟は出来てるから。」
燐「…ありがとう。」
る「ふふっ。それに______
えーりんを独りで先にいかせるわけにはいかないから。」
「…るーみゃは、本当に強いね。僕とは大違いだ。…ありがとね。」
燐「…るーみゃ、今までありがとう。今も助かっちゃった。…それじゃあ。
さよう、なら。」
ぐっと、力強く刃を押し付ける。
るーみゃが苦しまないようになのかは分からないけど、お燐の事だから、るーみゃの為の行動なんだろうな。
血が溢れだす。
ぽつ…ぽつ…その音はもう聞きたくないほどに木霊して。
でも、その中には_____
僕とお燐の涙も混じってたのかもな。
…その時のるーみゃの悲しげに落ち着いた金髪は、何処か初日犠牲者を思い出させるところがあった。
9号室、るーみゃの部屋から出て、各自自分の部屋へと足を進める。
身内を殺す…いや正確には僕は殺してないけど、それはどれだけ辛くて悲しい事か理解した。
かぐやとフラン君も辛かったんだろうな…。
あれ
どうして
どうして、かぐやとフラン君の事が頭に浮かぶ?
知らない、なのになんで?
…気にしないようにしよう。
かぐやとフラン君が何をしたのか、自分のその時の事さえも覚えていないのだから。
…いや、僕もその場に居た?
部屋に着く。
考えても混乱するだけだ。はぁ…
ベッドに身を放り込む。
明日は何も起きませんように。
おやすみ。