一話 始まりの一日
____これは、冷めた夜に人狼が現れた為、醜い争いを始めた、少年少女の物語。
__あれ、ここどこだ…?
頭が重い…でもなんとか起き上がらないと。
??「おーい?おっじょーん?」
誰だ?でも、お嬢って呼んでるし身内なのは確定か。
体を起こし、声の主の姿が垣間見えた。そして、僕が今居る空間を理解した。
燐「おわっ起きた。大丈夫そ?」
そう、お燐だった。
「…?あぁ、お燐…どうしたの?こんな所で。」
燐「俺は、いや俺らは大丈夫だよ。最後の参加者はお嬢。」
唐突な展開に頭が追い付かない。それもそうだ、いきなり知らない空間に飛ばされ、いきなりお燐に話しかけられ、いきなり参加者とか言う意味分かんないワードを出されたのだから。
「……ふむ。」
そこに明るいカワボが。
華「あ、おねーちゃん起きた?良かったー!」
続いてショタボ。
フ「やっと起きたか誤字リア」
おまけに初見の声まで。
ヘ「遅いぞ北条ノア子」
永「ぶふっww北条ノア子ツボったわw」
沢山の声が連なる。
傘「それでー何すればいいんだこれ」
サ「とりあえず何かしてみる?待つでも良いけど…」
る「自分ら何に巻き込まれたんだ何も悪い事してないのに()」
「さぁ……()」
大体状況は掴めた。ここに居るのは全員身内で、この謎の空間で何かをする。
…まぁ、その肝心の何かが分からないんだけど()
一通り全員が話し終わった所で、無機質な声が耳に。
『よくぞお越し頂きました皆さん!私はGMの「リアル」です!』
よくぞお越し頂きましたって…勝手に呼んだのはそっちじゃん?()
『ここで皆さんには【リアル人狼ゲーム】をして頂きます!』
ヘ「んな勝手な、わっちは参加しませーん」
ヘカテがふざけた口調で口を開く。すると___
銃声が鳴り響く。
華「危ない!!」
かぐやが決死の覚悟で守った為、銃弾はヘカテの体から外れる。
フ「は…?」
燐「…嘘、だろ…?」
「あぁ……ぁ…」
『何を馬鹿な事を。参加しない?そんなの、ここに居る時点で強制参加です。良かったですね、その体を貫かなくて。』
恐ろしい。簡単に命を奪おうとしたのだ。
傘「…しかも今、こいt((カチャッ
…GMリアルは、【リアル人狼ゲーム】と言った。」
る「つまり本当の殺し合いと?」
『ふふふ、大正解ー!』
サ「おかしい…こんなの…」
本当の、殺し合い?
永「どうしてそんな事をするんだ。意味が無いだろ。」
『何故?そんな事を問われても、答えはただ一つですよ。______
皆さんの本気の殺し合いが見たいから、です。』
ヘ「えぇ(困惑)」
フ「…ルール説明を。」
燐「んなっ、ラン…?」
フ「ウジウジしてる暇なんてねぇだろ。与えられた選択肢は二つ。ここで何もせず死ぬか、人狼を、殺し合いをして生きるか。
俺らは人間だ。人間で、生きているんだ。だから、こんな所でくたばってる場合じゃねぇ。生き残るんだ。みんなで、生きて帰るんだ。」
確かにそうだなぁ。
まぁ、怖すぎて口を開く事さえ出来ないんだけど。
『…何をまた、全員で生きて帰るだなんて、そんな事は無理です。…ふふふ、まぁこれは後に分かって来る事でしょう。それでは、ルール説明をします。』
サ「お、おー…」
る「ワクワク」
永「ワクワクするな楽しむな()」
フ「やめろやめろわっちの作ったシリアスが死んだ」
「君もわっちって言ってる時点で…()」
燐「あれ、これマジモンの殺し合い会場だよな?」
『ルール説明と言っても火焔猫燐さんの作った村の掟&部屋と一緒なので放棄します』
ヘ「草w」
傘「そこは説明しろよ()」
「草」
永「草」
燐「わろた」
フ「草」
華「www」
『…異論は認めます。』
る「GM()」
燐「おいおいGMぅ!!!!」
「なんか一気に緊張吹っ飛んだわ()」
フ「認めちゃったよ()」
『とまぁ程良くふざけたのでこれくらいにして、「リアル人狼ゲーム」開幕です!』
サ「はーい笑笑」
『それでは、皆さんはお手元の端末が示している部屋にお入り下さい。そこが皆さんの部屋です。』
いつの間にか都合の良い携帯がー()
続々とみんなが動き始める。
…さてと、みんな移動し始めてるし、僕も移動しなきゃ。
えーっと、4号室?不吉な数字だなぁ()
その場を立ち上がり、4号室を探し出す。
4号室4号室…あ、ここだ
何故か要らぬノックをして、部屋に入る。
「お邪魔しまーす」
何故か誰も居ないのに声を出す。
この端末って何が出来るのかな…
その画面を眺めていた時、通知が飛んで来る。
内容は
『※このメールはあなたにのみ送っています。
あなたの役職は【人狼】です。』
…えっ?()
じ、人狼引いちゃったよ()
相方誰だろうなーと思っていたら、また一つの通知。
『※このメールはあなたにのみ送っています。
相方は「火焔猫燐」さんです。」
えっお燐相方!?()
ふぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!()
…いやこれリアル人狼ゲームであって、普通の人狼じゃないんだよな。警戒していかなきゃ。
…と言ってもやっぱお燐と一緒とか嬉しすぎるってふぅぅぅうぅぅあぁぁあぁぁぁぁ!!!!!()
クソガキのようにはしゃいで居るところに。
『この端末を用いて、人狼のホールへの呼び出しや、占い結果、投票結果などを報告致します。なので、部屋から出る際は必ずこの端末を持って出て下さい。』
ほむ、この端末はなんでも出来ると。
良いね、お持ち帰りしたい()
んーと、とりあえず今は…14:00、わーお()
リアルって言うんだから時間の流れも体感時間も一緒だよな、暇だなぁ()
『※このメールは人狼にのみ送っています。
人狼の夜の集合時間は「24:00 午前0時」です。』
…思うけど、この ※ 親切だよね、本当に殺し合いの主催者とは思えない()
てかそれまで何しよ…部屋から出てみるか。
端末持った!体あり!心臓もあり!外に出る準備おっけー!
戸を開け、さっきまで居たホールへと足を運ぶ。
よく見てみると、ホールから他の部屋への通路がある。
探索やん楽しいやん!!()と言うことでまず最初、どこからにしようかな〜♪
おっ、食堂発見。しかもフラン君居るじゃん。
なんか楽しいなぁ()
あえて今はフラン君に話しかけない。人狼になって動揺してるかもしれないし、それでバレたら嫌だからね。
僕は他にも書斎や風呂場、処刑室なんて物騒な部屋も見つけた。
__あれ、ここ広すぎてもう17:00になってる()
でもこれからが暇だよなぁ()
端末いじってみるか?あ、自分用に明日から使えそうなまとめ表作るのもありだな。
そうして僕は暇を潰し、時刻は19:00を迎えた。
『皆さん!ご飯の時間ですよー!と言う事で食堂にお集まり下さい!』
GMやけにテンション高いな()
てかご飯おっっっっっっそ。
〜少年少女は食事を終え、寝る時間になる〜
__よーし、やっと夜だ。あえて23:00にアラームを掛けて、寝る。眠いから仕方ないね。
〜少女就寝中〜
『夜がやって来ました。ここからはもう先程の雰囲気ではございません。本気の殺し合いが始まります。それでは、人狼の方はホールにお集まり下さい。』
んぁ、今起きた。良かった23:00にアラーム掛けておいて。
端末を持って、ホールへと向かう。
そこに居たのは、予想通りの姿。
燐「うえーい」
「うえーい」
燐「せっかく一緒に人狼なったし頑張ろーぜ」
「頑張ろー」
燐「それで、なんか騙る?潜伏でも良いけど」
「身内は優秀だから、狂人は占いを騙ってくれる…と信じる。だから騙らず潜伏で良いかな。」
燐「でも霊能騙るのはありだよな」
「あーね、確かにそれでも良いね。よければ僕が騙ろうか?」
燐「ん、よろしくー。俺は潜伏してるんで。」
「うぃ」
「初日はグレランだろうし、お燐が吊られないことを願うばかりかな…」
燐「せやな、狂人の白あったら良いけど。」
「…で、あと話すことってある?」
燐「無いだろ、それじゃGM、あとはよろしk…」
『何を言ってるんですか、あなた達にはもう一つ仕事がありますよ。』
「…え?()」
『それは、初日犠牲者を殺すことです。』
燐「…え?それってGMが殺るもんじゃないの?」
『いえいえ、私が人を殺す事はありませんよ。ここで高みの見物です。』
「こいつ…!」
燐「とりあえず、人狼は夜の襲撃を自分で行う事は分かった。」
「…んじゃ、行こうか。」
燐「うぃ」
「…僕達の目の前にあるのは、首を吊れそうなほどの長さのロープ、簡単に人が殺せそうなほど鋭い刃を持ったナイフ、睡眠薬に毒、銃…で合ってる?」
燐「あぁ…間違いない。どれで殺すか選べって事だな。」
「まぁ初日犠牲者だし、なんでも良いよね…」
そう言い、僕はナイフを手に取る。
___お燐に殺させる訳にはいかないから。
そして手に取った瞬間、初日犠牲者の姿が。
「…殺すよ。」
燐「ん。」
体にナイフを刺した。血が流れていく。月明かりに照らされ、その光景がよく見える。
…これが身内だったら、どんなに苦しいのかな。これがまだ、初日犠牲者だから良いけど…。
燐「ノルマ達成かな。まぁ達成したのはお嬢だけど。」
「うん、じゃあここで解散しよっか、部屋に戻ろう。」
燐「ふぁい」